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総合コメント 2025年度大学入学共通テスト試験速報 | 大学入試解答速報

2025.1.19

1.志願者、受験者数

 高3生から履修している教育課程(以下、新課程)に対応した初めての大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が、1月18日・19日の両日に、全国651会場で実施された。
 確定志願者数は495,171人(昨年491,914人)で、3,257人増加(昨年比100.7%)。内訳をみると、現役生は425,968人(昨年419,534人)で昨年比6,434人増加(昨年比101.5%)、既卒生等は69,203人(昨年72,380人)で3,177人減少(昨年比95.6%)した。
 現役生志願率(2025年3月の高校卒業見込者のうち、共通テストに出願した者の割合)は45.5%で過去最高となった。
 受験者数は、外国語(リーディング)ベースで454,899人。受験率(志願者数に対する割合)は91.9%で昨年並みであった。

2.出題内容

 新課程に対応して「数学」「地理歴史」「公民」で科目構成が見直され、新たに教科「情報」が追加された。また、本年度に限り旧教育課程履修者用の科目が「数学」「地理歴史」「公民」「情報」で出題され、全7教科38科目で実施された。
 新課程に移行したが、共通テストの問題作成方針に変更はなく「知識・技能を活用し、思考力、判断力、表現力を問う」「各教科・科目の特質に応じた学習の過程を重視する」という基本的な考え方に則った出題であった。
 この出題方針を反映した問題の特徴は継続しており、複数の文章・資料や図表などを読み込ませたうえで、授業や教科書で学んだ知識を関連づけて解答を導き出す力や、得られた情報を組み合わせて多角的・多面的に考察する力が求められている。
 また、問題の設定として、授業や探究学習において、生徒同士や先生との会話形式の問題や、生徒が作成した課題文やパネルに基づいた考察など、日常生活や社会の事象における「主体的・対話的で深い学び」を踏まえた場面が多く設定され、学習の過程が重視されている。

 教科・科目の再編が行われた地理歴史・公民では、大学入試センターが公表した試作問題と同様に、基本的な知識のほか、さまざまな資料から多面的に考察する力が求められた。
 歴史総合は、試作問題とは異なり世界史の知識が必要な出題が多く、日本史を中心に学習してきた受験生には取り組みづらかったと思われる。
 時事的なトピックとしては、公共で「男女共同参画社会」をテーマとした出題や、政治・経済で「ロシアによるウクライナ侵攻」を扱った文章が出題された。

 国語は、近代以降の文章(現代文)に大問が一題追加され、試験時間が80分から90分に変更された。注目された第3問は試作問題Bの形式に類似しており、外来語の使用について複数の資料をもとに考察させる問題であった。受験生の負担増加が懸念されたが、複数の文章が出題されていた第1問、第2問では一つの文章からの出題に変更されたほか、国語全体で選択肢数を減らす変更もされたため、分量調整の配慮が行われたものと思われる。

 情報Iは、日常生活での情報の利活用について考えさせる問題が中心であった。全般的に学んだ事柄を問題の発見・解決の過程で活用する力が測られた。
 注目されたプログラミングの問題である第3問は、部活動という状況設定を理解し、目的に応じて繰り返し文と条件分岐文を組み合わせたプログラムを組み立てる力を問う問題であった。

※各教科・科目の詳細は教科分析にてご確認ください。
 特徴、難易度、出題分量、出題傾向分析、設問別分析を掲載。

3.平均点

 6教科8科目(1000点満点)総合の現時点での平均点は、理系で630 点、文系で620点になると予想される。(1月19日現在)

 新高1・2・3生のみなさんへ

 共通テストでは、単なる知識問題ではなく、知識を活用して運用する力、図表やグラフを分析して読み解く力、長めの文章や多くの資料を時間内に読み込んで正確に理解する力が必要となる。  日頃の学習から教科書に出てくるような標準的な知識・項目をしっかり身に付けることと併せ、考えることを意識しながら学習をする癖、習慣を身に付けておくと良い。
 受験学年になったら、共通テストはもちろんセンター試験時代を含めた過去問に多く取り組み、限られた時間内に問題を解く練習を積んでおくことが有効な対策になる。まずは、教科書に載っている基本的な知識の習得や解法、公式の使い方などをしっかりと身に付けておいてほしい。
 ただ、それらの知識や公式・解法などを単に暗記していればすんなり問題が解ける訳ではなく、なぜそうなるのかという本質的な理解の上で、さまざまな出題に対応できる「知識を活用する力、使いこなす力」が必要である。例えば知識はその意味や相互の関係などについて、資料、史料、図、グラフ等も合わせて総合的に理解しておきたい。
 また、共通テストで出題される問題の場面設定は、日常的な場面や学習の場が多い。普段の授業や日々の学習の中で興味を持ったり疑問に思ったことを整理したり、意見をまとめたりすることを意識して、自分自身の頭でしっかりと考え、知識を活用する力を伸ばしてほしい。

 河合塾は、これからもがんばる受験生を応援し続けます!!