河合塾グループ河合塾
  1. 河合塾
  2. 受験・進学情報
  3. 大学入試解答速報
  4. 大学入学共通テスト速報
  5. 旧日本史B [分析]

旧日本史B [分析] 2025年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

昨年に引き続き、歴史事象を多面的・多角的に考察させる問題が多く出題された。

難易度

やや易化

昨年と同様に多様な資料を用いた出題がなされ、受験生に「思考力・判断力」を求める姿勢は継続しているが、一方で単純な知識で解答可能な問題が昨年に比べると増加し、受験生が苦手とする年代配列問題も減少したため、全体としては昨年よりやや易化したと考えられる。主な受験生が高卒生であるため、平均点は上がるだろう。

出題分量

大問数・小問数は昨年と同じであった。

出題傾向分析

大問の構成では、第4問を除いて高校生の会話や学習・探究が素材とされ、昨年に引き続き、高校生の「主体的な学び」を踏まえた場面設定がなされている。個々の設問では、史料・図版・統計など多様な資料を用いた出題がみられたが、教科書などで扱われていない初見の資料であっても、そこから得られる情報と授業などで学んだ知識を関連づけることで正解できる問題となっている。全体としては、受験生の歴史事象に対する理解の質や思考力・判断力を幅広く問う配慮がなされている。出題分野では、外交・文化からの出題が増加し、政治からの出題が減少した。時代では、高度成長終焉後が昨年に引き続き扱われなかった。

2025年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 馬の利用の歴史 18 6
2 古代日本と東アジアの国々との関係 16 5
3 中世の石材利用と宗教 16 5
4 江戸時代の人命をめぐる幕府・諸藩の政治 16 5
5 明治時代の鉄道遺跡と日本の近代化 12 4
6 近現代の日本の産業発展と環境問題 22 7
合計 100 32

2024年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 印刷の歴史 18 6
2 日本古代の食物 16 5
3 中世社会の特色 16 5
4 近世の輸出入品と社会・経済との関係 16 5
5 「明治はじめて物語」(洋服・銀行) 12 4
6 第一次・第二次世界大戦後の日本と国際社会 22 7
合計 100 32

設問別分析

第1問

馬の利用の歴史に関する会話文を素材に、古代から近代を総合的に問うている。問2は、表の内容と史料の内容とを照らし合わせつつ解答したい。問4は、基本的な知識とレポート1の内容とを組み合わせて正誤を判断したい。問5のアは年表中の「1906年」、イは年表中の「1923年」に着目して解答したい。問6は、基本的な知識のほか、表中の9〜11世紀に諸国牧の多くが衰退したという情報、年表中の1936年に馬政局が再設置され、翌年から陸軍の軍人が統括したという内容を参考にして解答したい。

第2問

古代日本と新羅など東アジアの国々との関係に関する会話文を素材に、古代の外交を中心に問うている。問2・問3は、年表の内容をヒントに解答したい。問5は、会話文・史料1・2・表の内容から総合的に判断する必要があり、解答に手間取ったかもしれない。

第3問

中世の石材利用と宗教をテーマとする博物館の解説パネルを素材に、中世の社会経済・文化を中心に問うている。問3は、史料1から神戸四か郷の負債が破棄されたことを読み取ったうえで、史料2中の負債を示す表現を選択したい。問5は、基本的な知識を前提に図・表1・表2の内容を慎重に検討して解答したい。

第4問

近世の人命をめぐる幕府・諸藩の政治をテーマとする前提文を素材に、江戸時代の政治を中心に問うている。問2・問5では、基本的な知識とともに史料の正確な読み取りが要求されているが、落ち着いて取り組めば正解は容易であろう。問3のIは享保の飢饉のことであるが、手がかりが少なく苦戦しただろう。

第5問

明治時代の鉄道遺跡と日本の近代化をテーマとする会話文を素材に、幕末から明治時代について総合的に問うている。問3は、Iが生麦事件、IIが修好通商条約、IIIが日米和親条約だと判断できただろうか。問4は、メモと統計の読解が求められているが、選択肢番号1については東京美術学校についての知識が必要である。

第6問

近現代の日本の産業発展と環境問題をテーマとする高校生のプリントを素材に、近代・戦後の社会経済を中心に問うている。問4のグラフを用いた問題では、大戦景気、金本位制復帰、満州事変・日中戦争などについての年代感覚も問われている。問5の選択肢番号2は、史料2の内容からすでに近隣住民の生活への影響が生じていると判断して解答したい。

過去の平均点の推移

24年度 23年度 22年度 21年度 20年度
56.3 59.8 52.8 64.3 65.5