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英語(リーディング) [分析] 2025年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

事前に大学入試センターより公表されていた「試作問題」に準拠する問題が出題され,読解問題を通じて英文を書くスキルをはかろうとするねらいがみられた。

選択肢でイラストや配置図,グラフ等を問う問題が出題された。

難易度

やや易化

全体で700語程度語数が減少し,正解を選ぶのに特に迷ったり時間を要したりする問題もなかったので,取り組みやすかっただろう。

出題分量

問題本文・図・選択肢すべて含めて約5600語で,昨年と比較して700語程度減少。大問数は6から8へ2題増加したが,A・B問題の分けはなくなった。マーク数は49から44に5つ減少。

出題傾向分析

新課程を踏まえ,「書く」活動につながる出題の工夫がみられた。「様々なテクストから概要や要点を把握する力や必要とする情報を読み取る力等を問うことをねらいとする」という,大学入試センターの作成方針は今年も変わらなかった。なお,第3問ではイギリス英語の表現やつづりが引き続き本文中にみられた。

2025年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 読解問題(パンフレット) 6 3
2 読解問題(ブログ) 12 4
3 読解問題(記事) 9 6
4 読解表現融合問題(レポート推敲) 12 4
5 読解問題(メール) 16 6
6 読解問題(物語文) 12 8
7 読解問題(論説文) 16 6
8 読解表現融合問題(レポート作成) 17 7
合計 100 44

2024年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 A読解問題(チラシ) 10 2
B読解問題(案内) 3
2 A読解問題(チラシ) 20 5
B読解問題(レビュー) 5
3 A読解問題(ブログ) 15 2
B読解問題(学校新聞) 6
4 読解問題(記事とアンケート結果) 16 6
5 読解問題(物語文) 15 9
6 A読解問題(記事) 24 5
B読解問題(論説文) 6
合計 100 49

設問別分析

第1問

昨年はAとBの2つの問題に分かれていたが,今年は1つの問題であった。水槽で魚を飼うのが初めての人を対象に,魚を飼うときの注意点がイラスト入りで説明されている。問3は「流れのゆるやかな水で生活する魚」にふさわしい水槽を,4つのイラストの中から選ぶ問題だが,正解を選ぶにはイラストを注意深く見て判断する必要があった。

第2問

昨年はAとBの2つの問題に分かれていたが,今年は昨年の第2問Aに類似した問題の1題となり,設問数は5問から4問に減少し,また語数も本文と設問の合計で約130語減少した。「空飛ぶ乗り物」についてのフォーラムに出席したイギリス人作家によるブログを読んで問いに答える問題で,「意見」を問う問題も1問出された。全体的には読みやすく,情報の特定もしやすかったと思われるが,問2は本文の表現と選択肢の表現とで言い換えの程度が大きく,少し苦戦したかもしれない。

第3問

昨年はAとBの2つの問題に分かれていたが,「バンド演奏での失敗と教訓」についての物語を読み,3つの問いに答える問題の1題となった。問1は物語の筆者を選ぶ新形式の問題。問2は出来事の起こった順序に即して選択肢を選ぶ問題だったが,これは昨年の第5問問1で問われた形式で,5つの選択肢から4つを選んで時系列に並べ換えるものだった。選択肢の内容がやや紛らわしく,解答に迷ったかもしれない。

第4問

大学入試センターが事前に発表していた「試作問題B」で出題された,レポートを推敲(すいこう)し,4つの問いに答えて論理的な英文を完成させる問題。問1と問4は試作問題と同様の形式だったが,問2はパラグラフで述べた内容の結論となる英文を,問3は全体を通じてまとめとなる英文を選ばせる問題が出題された。問2・3・4は,展開をきちんと捉えないと解答に迷ったかもしれない。

第5問

「地元のビジネスに関する特別な会議」に関するボランティア学生と教授のメールを読んで,5つの問いに答える問題。それぞれの問いで,どちらのメールを参照すればよいかを判断する必要があった。問2は学生のメールの中の進行表と教授のメールの内容の両方を踏まえて正解を選ぶ問題であった。問4は「机の並べ方」として正しいものを5つの図から選ぶ問題で,教授のメールの内容を正確に読み取ることが必要だった。

第6問

プロの作家を志望する友人の書いた「2人のスーパーヒーロー」についての物語を読み,その感想を述べるeメールの空所を埋める問題。昨年に続き物語文が出題されたが,昨年と比較して本文の語数は大幅に減少(約260語減少)した。昨年と同様,物語は時系列順に書かれておらず,それを正確に読み取れているかがポイントとなった。明示的に書かれていない登場人物の関係性をメモや本文の内容から読み取る必要があり,苦戦した受験生もいたかもしれない。

第7問

昨年までの第6問と同様の問題で,短い科学プロジェクトの発表のためのメモに設けられた6箇所の空所を埋めて完成させる問題。今年は「動物の睡眠パターン」に関する記事を扱っている。問2でbiphasic sleepに相当する図を選ぶ問題が出された。問5は具体例から「睡眠に類似するもの」を選ぶ問題であった。設問はほぼパラグラフに出てくる順番で構成されており、パラグラフリーディングの習慣が身についていると解きやすい問題であった。

第8問

「宇宙開発」に関する複数の意見と資料に基づいて,「試作問題A」で出題された形式のように,3段階のステップを踏みながらレポートのアウトラインを作成する問題。本文は800語を超え、今回の8つの大問の中で最も多い。ステップ1では,立場や視点の異なる5人の意見を読み,それぞれの主張をつかんで2つの問いに答える。ステップ2は,上記の5人の中から自分の立場を支持する2人を選び,共通点を答える。ステップ3では,自分の立場の根拠となるものを2つの追加資料から選び,アウトラインを完成する。ステップ2は3つの空所のすべてを正解して初めて得点できるようになっている。

過去の平均点の推移

24年度 23年度 22年度 21年度 20年度
51.5 53.8 61.8 58.8 116.3