情報I [分析] 2025年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
情報の科学的理解に基づいて問題の発見や解決に取り組む思考力・判断力が問われた。
試作問題と概ね同じ傾向であり、情報Tの全範囲から満遍なく出題された。学校生活、日常生活において問題を発見し、解決する思考力や判断力が求められる問題が中心であった。
難易度
問題文で与えられた多くの設定や条件をすみやかに扱うことが求められたが、教科書にある知識をもとに考察することで解ける問題がほとんどであり、試作問題と同程度であった。
出題分量
試作問題と概ね同じ分量だが、マーク数は3増えて51となり、全体として60分の試験時間に対し負担を感じた受験生もいたと思われる。
出題傾向分析
情報Tの全範囲から満遍なく出題された。学んだ事柄を問題の発見や解決に活用する思考力や判断力を必要とする問題が多くみられた。正しい知識を身につけることに加え、それを普段の生活の中で活用する力が必要となる。
2025年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 1)情報通信ネットワークとデータの活用 | 20 | 2 | 情報セキュリティ、情報通信ネットワークの仕組みと役割 |
2)コミュニケーションと情報デザイン | 4 | 情報のデジタル化 | ||
3)情報通信ネットワークとデータの活用 | 2 | 情報システムとそのサービス、データの蓄積と管理 | ||
4)コミュニケーションと情報デザイン | 3 | 情報デザインの考え方を活かしたコミュニケーション | ||
2 | A)情報通信ネットワークとデータの活用 | 30 | 9 | データの収集と管理 、情報システムとそのサービス、問題の発見と解決 |
B)コンピュータとプログラミング | 7 | モデル化とシミュレーション | ||
3 | コンピュータとプログラミング | 25 | 12 | アルゴリズム、変数、配列、条件分岐、反復 |
4 | 情報通信ネットワークとデータの活用 | 25 | 12 | データの表現、データの収集と管理、データの分析と評価 |
合計 | 100 | 51 |
設問別分析
第1問
情報通信ネットワークと情報デザインを中心とする小問集合であり、計算を要する問題も複数みられた。
問1aはデジタル署名に関する知識問題、問1bはIPv6に関する知識問題であった。
問2は7セグメントLEDを題材にした、組合せの数に関する理解をもとに答える考察問題であった。
問3はチェックディジットの生成方法とその性質に関する考察問題であった。
問4はコンピュータのユーザインタフェースのデザインに関する考察問題であった。
第2問
Aは総合スーパーマーケットの情報システムを題材とした問題であり、情報システムにおける情報の流れや情報システムに必要となる条件について、思考力が求められた。
Bは表計算ソフトウェアを用いた、おつりを渡すために用意すべき千円札の枚数に関するシミュレーションをテーマとする問題であった。乱数を用いた標準的な問題である。モデル化からシミュレーション、結果の分析までの体験を実際にしていれば解答しやすい。
第3問
問1はアルゴリズムの理解を問う問題、問2は目的とするアルゴリズムの一部を担うプログラムを作成する問題、問3は目的とするアルゴリズム全体を担うプログラムを作成する問題であった。変数、制御構造、配列に関する理解があれば解ける問題であった。
第4問
データの活用に関する知識問題と考察問題であった。問1は尺度水準に関する基本的な知識問題を含むが、他の問題は与えられたデータを用いた考察問題であり、正解を選ぶためには散布図、箱ひげ図、相関係数などに関する理解が必要であった。