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化学 [分析] 2025年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

人間活動と関連する題材が多く出題された。

【ズバリ的中】<本試験>第2問 問2 ⇒ <河合塾教材>2024年度 第1回全統共通テスト模試 化学 第5問 問3

難易度

難化

昨年に引き続き、問題文やグラフから必要な情報を読み取ったり、正しいグラフを判断したりする問題が多く出題された。

出題分量

大問数は、昨年と同じ5題であった。小問数は1増加、マーク数は3増加したものの、ページ数は同じで、全体としての分量は昨年並みであった。

出題傾向分析

第1問は物質の構成・物質の状態、第2問は物質の変化で、いずれも理論分野からの出題であった。第3問は無機物質・物質の変化、第4問は有機化合物・高分子化合物からの出題であった。第5問は原油を分留して得られた物質に関する総合問題で、有機化合物の反応、化学反応の量的関係、化学反応と熱などが問われた。また、旧教育課程履修者等に対する選択問題として第6問が用意されたが、内容は第5問と同じで、化学反応と熱に関する問3 cのみが異なった。
海水からの塩化ナトリウムや淡水の製造、化学発光、昆布や地下水からのヨウ素の製造、原油の分留と利用、高分子の合成など、人間活動と関連する題材が多く出題された。
問題文やグラフ・図から必要な情報を適切に読み取り、解答に至るための手順を設定しながら、既習の原理・法則を当てはめて計算したり、適切なグラフを判断したりするなど、思考力が重視される傾向が続いている。

2025年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成、物質の状態 20 6 結晶、気体、気体の溶解度、コロイド、希薄溶液の性質
2 物質の変化 20 6 化学反応と光、電池、電離平衡、化学平衡
3 無機物質、物質の変化 20 8 無機物質、化学反応と量的関係
4 有機化合物、高分子化合物 20 8 脂肪族化合物、芳香族化合物、高分子化合物
5 【新課程生必答問題/旧課程生等選択問題】
物質の構成、物質の変化、有機化合物
20 6 原油の分留、有機化合物、高分子化合物、化学反応と熱、化学反応と量的関係
6 【旧課程生等選択問題】
物質の構成、物質の変化、有機化合物
20 6 原油の分留、有機化合物、高分子化合物、化学反応と熱、化学反応と量的関係
合計 100 34  

2024年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成、物質の状態 20 6 配位結合、気体の法則、コロイド、状態変化
2 物質の変化 20 6 化学反応と熱、化学平衡、電池、電離平衡
3 無機物質、物質の変化 20 8 無機物質、化学反応と量的関係、電気分解
4 有機化合物、高分子化合物 20 6 脂肪族化合物、高分子化合物、ペプチド、医薬品
5 物質の構成 20 5 質量分析法を題材とした問題
合計 100 31  

設問別分析

第1問

結晶の分類、理想気体と実在気体、気体の溶解度、コロイド、希薄溶液の性質が出題された。
問1は、イオン結晶を選択する問題であった。
問2は、理想気体と実在気体に関する正誤問題であった。
問3は、気体の溶解度に関する計算問題であった。気体の発生量が、溶解量の減少量に相当することに着目するとよい。
問4は、コロイドに関する正誤問題であった。
問5は、海水から塩化ナトリウムや淡水を得る方法に関する問題であった。aは、海水の減圧蒸留に関する内容で、与えられた沸点上昇度を考慮して、蒸気圧曲線を読み取る点に注意する必要があった。bは、逆浸透を利用して塩化ナトリウム水溶液から水を得る内容で、浸透圧が装置の両側の圧力の差であること、塩化ナトリウムは水溶液中で電離することに注意して解答する問題であった。

第2問

化学反応と光、電池、電離平衡、化学平衡が出題された。
問1は、化学発光に関する選択問題であった。
問2は、ニッケル・カドミウム電池に関する計算問題であった。
問3は、弱酸の水溶液の希釈によるpH変化のグラフを選択する問題であった。10倍に希釈するとpHが0.5大きくなることから正答を判断できる。
問4は、ハーバー・ボッシュ法に関する化学平衡の問題であった。aは、圧平衡定数と濃度平衡定数の関係が問われた。bは、平衡状態に達したときのアンモニアの体積百分率を求めたうえで、反応温度を図から読み取る問題であった。cは、アンモニアの体積百分率の時間変化のグラフを選択する問題で、温度上昇による反応速度とアンモニアの生成量の変化を考えるとよい。

第3問

無機物質に関する大問であり、遷移元素の化合物、ケイ酸ナトリウムと水ガラス、気体の生成と性質、ヨウ素を題材とした問題が出題された。
問1は、遷移元素の化合物の反応に関する正誤問題であった。
問2は、ケイ酸ナトリウムと水ガラスに関する正誤問題で、二酸化ケイ素からシリカゲルに至る反応の経路の知識を要する。
問3は、気体の性質、捕集、保存、検出に関する正誤問題で、与えられた反応式から気体を決定したうえで解答する内容であった。
問4は、ヨウ素の生成・製造に関する問題であった。aは、反応式中の物質の酸化還元および溶解性に関する正誤問題、bは、化学反応式の係数を決定する問題であった。cは、与えられた二つの化学反応式から地下水に含まれていたヨウ化ナトリウムのモル濃度を求める問題であった。化学反応式の係数、地下水の体積に着目すると正答に至る。

第4問

有機化合物に関する大問で、天然有機化合物・合成高分子化合物を含めて出題された。
問1は、酸素を含む有機化合物の反応に関する正誤問題であった。
問2は、アクリル酸メチルとアニリンの反応で生成する化合物を選択する問題で、与えられた三つの条件を一つずつ吟味することで正答を判断できる。
問3は、天然有機化合物に関する正誤問題であった。
問4は、アセチレンとその利用に関する問題であった。aは、アセチレンに関する正誤問題であった。bは、アセチレンを原料としたビニロンの合成経路に関して、反応名および中間生成物を選択する問題であった。cは、ブチルアルデヒドを用いたポリビニルアルコール(PVA)のアセタール化(ポリビニルブチラールの合成)において、アセタール化されたヒドロキシ基の割合を求める問題であった。ホルムアルデヒドを用いたビニロン合成の計算と同様の考え方を適用できるかがポイントであった。

第5問

【新課程生必答問題/旧課程生等選択問題】
原油を分留して得られた物質に関する総合問題であった。
問1は、原油の分留による留出物に関する問題で、高校の教科書では参考として扱われているナフサ、灯油、軽油の沸点の順の知識を必要とした。
問2は、ベンゼンからナイロン6を合成する反応経路に関する問題であった。
問3は、バナジウムを題材とした問題で、aは酸化数、bはナフタレンの空気酸化による生成物が問われた。cは与えられた生成エンタルピーを用いて、酸化バナジウム(V)からバナジウムを生成させる2つの経路の反応エンタルピーの大小を比較する問題であった。dはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いてバナジウムの量を求める問題であり、必要としたEDTAの物質量とバナジウムの物質量が等しいこと、溶液を取り分けしていることに注意して解答する内容であった。

第6問

【旧課程生等選択問題】
原油を分留して得られた物質に関する総合問題であった。
問1は、原油の分留による留出物に関する問題で、高校の教科書では参考として扱われているナフサ、灯油、軽油の沸点の順の知識を必要とした。
問2は、ベンゼンからナイロン6を合成する反応経路に関する問題であった。
問3は、バナジウムを題材とした問題で、aは酸化数、bはナフタレンの空気酸化による生成物が問われた。cは与えられた生成熱を用いて、酸化バナジウム(V)からバナジウムを生成させる2つの経路の反応熱の大小を比較する問題であった。dはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いてバナジウムの量を求める問題であり、必要としたEDTAの物質量とバナジウムの物質量が等しいこと、溶液を取り分けしていることに注意して解答する内容であった。

過去の平均点の推移

24年度 23年度 22年度 21年度 20年度
54.8 54.0 47.6 57.6 54.8