旧情報 [分析] 2025年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
日常生活の身近な問題解決に関する問題が出題された。
与えられた資料を的確に読み取れれば正解できる問題が多かった。組合せの数を求める、データの通信に要する時間を計算するなど、数学的な力も求められた。
難易度
全体的にひねりを加えた問題はなく、試作問題と比べても解きやすい問題が多かった。第1問はいろいろな分野から出題される小問集合のため、知識が不足している分野の問題については取り組みづらかったかもしれない。必答問題の第4問は、数学的な思考も必要となるが、それほど難しいとはいえない。選択問題については、どちらを選んでも難易度に大きな差はなかっただろう。
出題分量
以前に公表されていた試作問題に比べ、大問によりマーク数に増減はあったが、全体として大きな差はなかった。試験時間の60分で解き切るためには、必要な情報を効率よく読み取る練習が必要であったと思われる。
出題傾向分析
社会と情報及び情報の科学のいずれにおいても、広く内容を網羅するように出題された。出題された場面は、放送部や情報クラブ、図書委員会といった学校における活動など身近なものが設定され、その中での情報や情報技術を活用する出題となっていた。また、情報通信ネットワークや情報セキュリティについての出題も多かった。図やグラフを読み取る問題も多いので、慣れておく必要があった。
2025年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 【社会と情報】 情報社会の課題と情報モラル 【情報の科学】 情報通信の進展と情報モラル |
4 | 2 | 情報セキュリティ、情報通信ネットワークの仕組みと役割 |
【社会と情報】 情報の活用と表現 【情報の科学】 コンピュータと情報通信ネットワーク |
6 | 4 | 情報のディジタル化 | |
【社会と情報】 情報通信ネットワークとコミュニケーション 【情報の科学】 コンピュータと情報通信ネットワーク |
6 | 3 | 情報通信ネットワークの仕組み | |
【社会と情報】 情報の活用と表現 【情報の科学】 コンピュータと情報通信ネットワーク |
4 | 2 | データ量の計算、外部装置との接続 | |
【社会と情報】 望ましい情報社会の構築 【情報の科学】 情報技術の進展と情報モラル |
15 | 9 | データの収集と管理、データの分析と評価 | |
2 | 【情報の科学】 問題解決とコンピュータの活用 |
15 | 7 | モデル化とシミュレーション |
3 | 【社会と情報】 情報通信ネットワークとコミュニケーション |
15 | 9 | データ通信量の計算と考察 |
4 | 【社会と情報】 望ましい情報社会の構築 【情報の科学】 情報技術の進展と情報モラル |
25 | 16 | 情報システムにおけるセキュリティ |
5 | 【情報の科学】 コンピュータとプログラミング |
25 | 12 | アルゴリズム、変数、配列、条件分岐、反復 |
6 | 【社会と情報】 情報社会における問題の解決 |
25 | 17 | アンケート調査の実施と分析 |
設問別分析
第1問
Aでは、各分野から小問が出題された。問1aはデジタル署名に関する知識問題、問1bはIPv6に関する知識問題であった。問2は7セグメントLEDを題材にした、組合せの数に関する理解をもとに考察する問題であった。問3はネットワークにおけるトラブルの原因を考察する問題であった。問4は、外部装置の活用に関する問題で、装置間のデータの通信速度の計算問題と、通信速度を引き上げるためにどのような調査をするかを考察する問題であった。
Bでは、総合スーパーマーケットの情報システムを題材とし、情報システムにおける情報の流れや求められる条件について出題された。実際の社会で用いられている題材を用いており、共通テストらしい出題と言える。組み合わせを答えさせる問いが見られ、順序立てて考える思考力が求められる。
<A問1・問2は情報T第1問問1・2と共通、Bは第2問Aと共通>
第2問
表計算ソフトウェアを用いて、会計係がおつりを渡すために用意すべき千円札の枚数をシミュレーションする題材をテーマに出題された。乱数を用いた標準的な問題である。実際のモデル化からシミュレーション、結果の分析までの体験をしていれば解答しやすい。
<情報T第2問Bと共通>
第3問
モバイルルータの通信料金を考えることを通して、データ通信量から通信料金を求めて比較する問題であった。それぞれのプランの条件を適切に読み取り、通信料金を求めることが問われた。今回は値を求めるときのデータ量の単位の変換はなかった。問3は通信時のデータ量を節約するための工夫を問うものであった。
第4問
情報システムにおける認証を通してセキュリティについて問う問題であった。生体認証についての問題から始まり、暗証番号と顔認証を組み合わせた場合のセキュリティについても検討させるなど、さまざまな要素が含まれていた。
第5問
問1はアルゴリズムの理解を問う問題,問2は目的とするアルゴリズムの一部を担うプログラムを作成する問題,問3は目的とするアルゴリズム全体を担うプログラムを作成する問題であった。
<情報T第3問と共通>
第6問
図書館利用の活性化を目的とする、問題解決のプロセスをたどり、考察する問題であった。ブレーンストーミングに関する問題,アンケート調査における質問形式の特徴,収集された回答を表計算ソフトで集計する方法,集計されたデータをまとめたグラフの読み取り,共起ネットワークを用いたテキストマイニングの結果の読み取りが出題された。