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旧倫理 [分析] 2025年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

大問数、小問数、出題傾向・形式は昨年と同様であったが、踏み込んだ知識について問う設問がやや多かった。

選択肢の数が大幅に減少し、ほとんどの設問が4択問題であった。

難易度

昨年並み

昨年よりも選択肢の数が大幅に減少しているが、総ページ数は変わっていないため受験生が読む分量には大きな変化はなく、また受験生にはなじみの薄い人物・思想家の出題が昨年に比べて若干増加した。主な受験生が高卒生であるため、平均点は上がるだろう。

出題分量

大問数は4題、マーク数は33でいずれも昨年と同じである。原典資料を用いた設問の数も12問で昨年と同じ。選択肢については、7択以上の問題が大幅に減少して4択問題が増加した。

出題傾向分析

大問ごとの出題分野については昨年と同様で、第1問が源流思想、第2問が日本思想、第3問が西洋思想、第4問が現代の諸課題・青年期と心理からの出題となった。生徒の主体的な学びを重視する実践的な場面が設定されている点も昨年と同じであった。標準的な知識に加えてやや細かい知識の習得が必要であったと同時に、正確な読解力を要求するものとなっている。

2025年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 源流思想 24 8
2 日本思想 24 8
3 西洋思想 24 8
4 現代の諸課題・青年期と心理 28 9
合計 100 33

2024年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 源流思想 24 8
2 日本思想 24 8
3 西洋思想 24 8
4 現代の諸課題・青年期と心理 28 9
合計 100 33

設問別分析

第1問

レポート課題をめぐる会話をもとに、東西の源流思想が幅広く問われた。具体的には、旧約聖書、イスラーム、ブッダ、パウロ、アウグスティヌス、エピクロス、プロティノス、荀子、荘子などの思想が取り上げられた。問2は仏教の四苦八苦の内容について、やや細かい知識が問われた。それ以外は、標準的な知識と読解力があれば解ける問題が多く、取り組みやすかったであろう。

第2問

日本の文化と思想をテーマとした会話文をもとに、古代日本の神々に関する思想、平安時代から鎌倉時代にかけての仏教、江戸時代の儒学思想、民俗学や民芸運動などの日本の近代思想がとりあげられた。資料文は安藤昌益『統道真伝』、茶道についての古伝書である『南方録』、宮沢賢治の『ビヂテリアン大祭』、柳田国男『明治大正史 世相篇』が用いられた。問1は南方熊楠、問6は貝原益軒の知識を問うものでやや難しいが、全般的には取り組みやすい問題であった。

第3問

資本主義と労働をテーマに、宗教改革、スミス、ヘーゲル、マルクス、社会民主主義、ドゥルーズとガタリ、ハーバーマス、ポパーらが出題された。問1では宗教改革に関するやや細かい人名が出題されていた。問2のドゥルーズとガタリの思想については判断が難しかっただろう。問6のポパーの思想は、難解ではないが出題例が少なく、過去問で触れる機会が少ないため、難しいと感じた受験生が多かったかもしれない。

第4問

地域社会における共生をテーマとして、プラグマティズム、ノーマライゼーション、ヒューマニスト、心理学の実験を取り上げた図表問題など、多岐にわたる事項が出題された。問1は、2021年第2日程でも出題されたスチュワードシップという用語について理解が求められている。問3は、アドラーの思想を知っているかどうかが鍵を握る。問4は、レヴィンが葛藤の三類型を示したことを知らなくても、消去法で対処可能である。問9は、本文の読み取り問題であるが、とくに難しくない。

過去の平均点の推移

24年度 23年度 22年度 21年度 20年度
56.4 59.0 63.3 72.0 65.4