地理総合 [分析] 2025年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
地理総合で重視される資料の読解力と地理的知識・技能を関係づける思考力・判断力を問う問題が多く出題された。
試作問題では地理総合のみでの出題だった地域調査の問題は、地理総合,地理探究との共通問題だった。
難易度
地理総合の試作問題と比べて、受験生が初めて見るであろう資料の読み取り問題が少なく、取り組みやすい問題が多かっただろう。
出題分量
地理総合の試作問題と変わらず、大問が4題、各大問の小問数が4問で計16問であった。正誤問題の数は7問で変わらず、4択6問、8択1問で同じであった。4択の問題が2問減少し、組合せの問題が7問となって2問増加した。試作問題にあった9択の組合せ問題は、出題されなかった。
出題傾向分析
地理総合の学習指導要領に準拠した問題で構成され、第1問で食生活と食料問題、第2問で地域調査、第3問で日本の自然環境と防災、第4問で世界の生活文化の大問が出題された。試作問題で出題されたような、受験生が初めて見るであろう資料を用いた問題が少なく、旧課程(地理A・地理B)で出題されていた問題と傾向が似ており、受験生の負担は軽減されたと思われる。地図や地理情報システム(GIS)に関する出題はなかった。
2025年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 食料の生産や消費 | 13 | 4 |
2 | 愛知県東部に位置する東三河地域の地域調査 | 12 | 4 |
3 | 日本の自然環境と防災 | 13 | 4 |
4 | 世界の生活と文化 | 12 | 4 |
合計 | 50 | 16 |
設問別分析
第1問
世界の穀物輸入依存度の階級区分図、世界の4地点の自然環境と農業の特徴、イギリス・イタリア・インドネシア・中国におけるコーヒーと茶の1人1日当たり消費量、南・東南アジアとヨーロッパのイモ類の生産量に占める、生産・収穫から消費までの各段階における食品ロスの割合と、最終的な消費量の割合が出題された。問4は、イモ類は年間を通じて収穫できることを考慮しなければならず、判定に悩んだ受験生もいたと思われる。
※地理総合,地理探究第1問との共通問題。
第2問
豊橋市の中心市街地の新旧地形図の読み取り、豊橋市における製造業の立地特性、東三河地域の1960年と2006年のキャベツ・米・サツマイモの収穫量、東三河地域を発着地とした他府県との年間旅客数と交通手段が出題された。問3は、聞き取り調査の結果をよく読み、判定しよう。
※地理総合,地理探究第2問との共通問題。
第3問
日本列島付近のプレート境界と活火山・地震、日本の3都市における月別降水日数、地すべり地の利用と地すべり対策、津波や津波防災の地形図読図が出題された。問3は、地すべり対策を示した模式図から、地すべり対策として排水が必要であることを読み取ろう。
第4問
北半球の3地域にみられる高床式住居の写真とその地域の気候(気温・降水量)、在日ブラジル人・在日ベトナム人と両国の在外日本人の居住者数および日本と両国との交流7カ国で公開された映画の制作国別の作品数の割合、アメリカ合衆国・ケニア・シンガポールの人口100人当たりの携帯電話契約件数について出題された。問4は、シンガポールとアメリカ合衆国の判定はやや難しい。