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倫理 [分析] 2024年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

大問数、小問数、出題傾向、出題形式は昨年と同様であり、読解力や標準的な知識を問うものが多かった。

全体の分量、知識の水準、必要な読解力はいずれも昨年並み。

【ズバリ的中】<本試験>第1問 問8⇒<河合塾教材>第2回全統共通テスト模試 倫理 第1問 問7

難易度

昨年並み

全体の分量は昨年と同じ37ページで、必要な知識の水準についても大きな変化はなかった。本文の読解について、正確で迅速な読解力が要求されたのも昨年と同様である。

出題分量

大問数は4題、マーク数は33でいずれも昨年と同じである。統計資料を用いた読み取りも昨年と同様、1問出題された。図画を用いた問題は昨年と同様出題されず、原典資料の数も12と昨年と同じであった。選択肢の数については4択が減少し5〜8択が増加した。

出題傾向分析

大問ごとの出題分野については昨年とほぼ同様に、第1問が源流思想、第2問が日本思想、第3問が西洋思想、第4問が現代の諸課題・青年期と心理からの出題となった。各大問において、生徒の主体的な学びを重視する実践的な場面が設定されている点も傾向は変わらない。8択問題が増加するなど昨年度と比べて選択肢の数は増加したが、取り組みやすさの度合いにはそれほど大きな変化は見られない。標準的な知識の習得と同時に正確な読解力を要求するものとなっている。

2024年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 源流思想 24 8
2 日本思想 24 8
3 西洋思想 24 8
4 現代の諸課題・青年期と心理 28 9
合計 100 33

2023年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 源流思想 24 8
2 日本思想 24 8
3 西洋近現代思想 24 8
4 現代の諸課題・青年期と心理 28 9
合計 100 33

設問別分析

第1問

「思想の流れ」をテーマとする会話文をもとに、ギリシア哲学、キリスト教、仏教、古代中国思想、イスラームなど、東西の源流思想から広く基本的な事項を中心に出題された。問1の神秘主義(つまり新プラトン主義)とキリスト教の神学、および「シーア派とスンナ派の分離」の背景についての記述は、受験生には判断が難しかっただろう。問8は2つの資料と長い会話文を通じて考えさせる空欄補充の問題であったが、内容的には難解ではなく、正解は導きやすいものであった。

第2問

「平和」をテーマとする会話文をもとに、古代から現代に至る日本の思想が幅広く取り上げられた。具体的には、古代日本人の思想、仏教、吉田兼好の無常観、江戸時代の儒学、石田梅岩などの思想が出題された。問6は横井小楠についての細かい知識が問われており、やや難しい。問7では石橋湛山の「小日本主義」や、母性保護論争における与謝野晶子の主張についての知識がなければ正誤判断ができないので、受験生には難問であっただろう。

第3問

「芸術の見方」をテーマとする会話文をもとに、近代の西洋思想を中心に出題された。具体的には、ルネサンス芸術、宗教改革、カント、ヒューム、ルソー、ミル、ニーチェなどの思想が取り上げられた。問1はラファエロの絵画「アテネの学堂」のテーマについての知識が問われた。問3のカントの問題は、知識に加えて資料の慎重な読解が求められた。問7はミルの質的功利主義と他者危害原則についていずれも十分な理解が必要であり、やや難しい。

第4問

「後悔」をテーマとする会話文をもとに、現代社会の諸課題・青年期と心理の分野から様々な事項が出題された。具体的には、防衛機制や家族機能、発達心理学などについて出題された。例年通り、統計資料の読み取り問題も出題されたが、読み取る分析データの量が少なかったため、今年の問題は特に取り組みやすいものであった。問3では、受験生が見落としがちな思想家であるブーアスティンが取り上げられた。

過去の平均点の推移

23年度 22年度 21年度 20年度 19年度
59.0 63.3 72.0 65.4 62.3