政治・経済 [分析] 2024年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
昨年同様、すべての大問の導入で資料や図などが用いられた。
資料の読解力や論理的な思考力を要する出題が、昨年同様多く見られた。また、選択肢が6つ以上ある設問が増えた。
難易度
やや難化
細かい知識を問う問題や、読解や計算などの作業量は減ったものの、選択肢の数が増え、判断に時間がかかり、難易度はやや難化した。
出題分量
大問数、マーク数は変わらない。また資料や図表を用いた問題が多くみられることにも大きな変化はない。
出題傾向分析
ほとんどの出題は知識を必要とする問題である。資料や図表を用いた問題は、その内容を正確に理解して解答する必要がある。また、「こども家庭庁」や「一帯一路構想」など、時事問題についての理解も求められた。
2024年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 成人年齢の引下げと生活の変化 | 26 | 8 |
2 | さまざまな団体・集団の働き | 25 | 8 |
3 | 経済成長とグローバル化 | 25 | 8 |
4 | 国際社会における日本の立場と役割 | 24 | 6 |
合計 | 100 | 30 |
2023年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 政治・経済総合 | 26 | 8 |
2 | 地域社会・グローバル化・国民経済 | 25 | 8 |
3 | 戦争と平和・日本の議会制民主主義 | 25 | 8 |
4 | SDGsの意義と課題 | 24 | 6 |
合計 | 100 | 30 |
設問別分析
第1問
公開講座を題材に、成人年齢、選挙制度が選挙結果に与える影響、地方公共団体における住民の政治参加の仕組み、諸国の刑事裁判への市民参加の制度、近年の労働市場、家計支出、日本の社会保障、2000 年以降における行政機構の変化について出題された。問2と問5は、設問で示された説明に沿って論理的に考えていけば解ける問題である。問6は、計算問題であるが、エンゲル係数についての知識が必要である。問8は、こども家庭庁についてのやや細かい事項が問われている。
第2問
さまざまな団体・集団の働きに関連して、国家の強制力に関する資料の読み取り問題、日本の雇用保険と労災保険、公務員の労働基本権、国と地方公共団体との関係、信教の自由と政教分離の原則、消費者団体訴訟制度、日本の会社の組織や責任、臓器移植法の改正について出題された。問1、問6、問8は、与えられた資料の内容を正確に読み取ることが求められている。問3は、最高裁判所の判決を題材とした問題であるが、空欄で問われていることは基本事項である。
第3問
経済成長とグローバル化をテーマとして、付加価値、GDP(国内総生産)、市場の失敗、物価、公害問題、景気循環、比較優位、貿易による国内市場への影響について出題された。問6は、景気循環に関する資料1の説明の内容を正確に読み取った上で、「GDP」「民間設備投資」「民間部門の在庫」を確定する。問7は、選択肢の数字を選び、メモの内容が成り立つか否かを検討する。問8は、内外の条件変化にともなって起こる国内の需要曲線の変化を答える問題。いずれも論理的な思考力が試されている。
第4問
国際社会における日本の立場と役割をテーマとして、自然法・国際法、各国の人口問題、近年の国際情勢、国際収支、日本の政府開発援助、金融、人権、エネルギー問題について出題された。問2は、図の読解力に加え、人口問題のやや細かな知識が必要とされている。問3は、一帯一路構想やアジアインフラ投資銀行など、ここ数年の中国をめぐる事柄について、やや細かな知識が出題されている。問4では金融資産の性質や地域における金融資産構成についての出題であるが、問われていることは基本的な知識である。問5は、資料の丁寧な読み取りで解答できるものとなっている。
23年度 | 22年度 | 21年度 | 20年度 | 19年度 |
51.0 | 56.8 | 57.0 | 53.8 | 56.2 |