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地理B [分析] 2024年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

組合せ形式の問題が約半数を占め、すべての問題に図か表が使用されており、読み取りと判断に時間が必要な問題で構成されている。

図表、写真などの資料が多く用いられ、思考力とともに短時間に判断する情報処理能力が試される問題形式は継続しているが、新傾向の複雑な形式はみられず、受験生は取り組みやすくなった。

難易度

やや易化

センター試験最終年の2020年度の頃から散見され、共通テストの過去3か年で定着しつつあった、複数の資料を参照させる組合せ形式の問題が減少し、3つの指標や国・地域の組合せを選ぶ単純な形式の問題が中心となっている。

出題分量

大問数は昨年度同様5題であったが、マーク数はひとつ減少して30であった。

出題傾向分析

地理Bのほぼ全分野(系統地理的考察分野、地誌的考察分野、地図と地理的技能の分野)からまんべんなく出題されている。基本的な知識を踏まえて、統計表、統計地図、グラフなどの資料を組み合わせた読み取り問題で構成されている。

2024年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 世界の自然環境と自然災害 20 6
2 世界と日本の資源と産業の変化 20 6
3 都市と生活文化 20 6
4 環太平洋の地域 20 6
5 島根県石見地方の浜田市の地域調査 20 6
合計 100 30

2023年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 自然環境と自然災害 20 7
2 資源と産業 20 6
3 日本の人口や都市をめぐる諸問題 20 6
4 インドと中国 20 6
5 利根川下流域の地域調査 20 6
合計 100 31

設問別分析

第1問

イギリスとニュージーランドにおける国土の標高別面積割合と土地利用割合、北緯30度から80度における緯度ごとの陸地に占める永久凍土と氷河・氷床の割合、ヨーロッパにおける4つの海岸地形、世界の4つの都市における1月と7月の1日当たりの日照時間、カナダ、コロンビア、ボリビア、メキシコにおける洪水災害の時期別発生割合、日本国内の1976年から2021年における最高気温、最大風速、日降水量の最大記録が上位20位までの地点が出題された。問2は高緯度側ほど年平均気温は低下するが降雪量が多くなるわけではなく、低温で雪が融けないことの判定が求められた。

第2問

鉄鉱石の産出量、輸出量、輸入量の上位国、日本の製鉄所の1910年、1940年、1974年、2022年における立地の変化、アメリカ合衆国、インドネシア、オーストラリアからの日本の石炭輸入量の変化と3か国の石炭の生産や消費の特徴、イギリス、中国、ドイツ、ベトナムの1990年と2018年の人口1人当たりの製造業付加価値額とGDPに占める製造業の割合の変化、日本の大都市圏のある地域における製造業の1988年と2008年の空中写真の変化、日本の製造業が盛んなある地域における資源や産業をめぐる新しい取組みが出題された。統計問題等判定に迷う問題は少なく取り組みやすい問題が多かった。

第3問

日本のある大都市圏における都心、郊外、臨海地域の1960年代の景観と1960年代以降の様子、日本の4つの市区における昼夜間人口比率とそれぞれの市区への通勤・通学者が利用する主要な交通手段の割合、先進国、BRICS、発展途上国の都市圏における1990年と2015年の人口の変化、イタリア、オーストラリア、バングラデシュの1〜10位の都市圏の人口規模、フィラデルフィア都市圏とメキシコシティ都市圏における貧困地区の分布、アメリカ合衆国の4つの都市における家庭で使用されている主要な言語の割合が出題された。

第4問

太平洋の地形断面、環太平洋の3地点におけるハイサーグラフとその周辺でみられる民族衣装の特徴、日本、カナダ、ベトナムにおける1人1日当たりのたんぱく質供給量、環太平洋の4つの国・地域における観光客数の出発地域別の割合、環太平洋の4つの国における1999年と2019年の相手国への輸出額の変化、環太平洋の国・地域における日本企業の1999年と2019年の現地法人数の変化が出題された。問5は図の判読に時間がかかり悩んだ受験生もいたと思われる。

第5問

中国地方の3都市における1月の日照時間と平均気温、石見地方の各地区におけるいくつかの商品やサービスの購買・利用先、浜田市の小学校区別の最寄りの施設への距離別人口割合、浜田市内の地形図と景観、浜田に関する商品流通の歴史、石見地方の過疎要因と解決に向けた取組みが出題された。
※地理A第5問と共通問題。

過去の平均点の推移

23年度 22年度 21年度 20年度 19年度
60.5 59.0 60.1 66.4 62.0