地理A [分析] 2024年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
家畜を通して世界の生活・文化を考察する地理Aらしい探究型の問題が出題された。
家畜を通して、地域的分布や自然環境、利用方法、食生活の特徴や変化、伝統的な住居など、テーマを横断する地理Aらしい問題が出題された。
難易度
やや易化
昨年度同様に、教科書に準拠した問題が大半であった。昨年度に比べて正解を選びにくい問題が減少したことで、難易度はやや易化した。
出題分量
マーク数は30で、1つ減少した。組合せ解答は20で2つ増加したが、6択以上の問題(6択問題が11)は変わらず、昨年度出題された8択問題はなかった。
出題傾向分析
大問構成は、昨年度の共通テストと同じであった。第2問の家畜を通した世界の生活・文化では、場面設定による探究型の問題が出題され、テーマを横断する地理Aらしい出題であった。日本の自然災害と防災ではハザードマップの読図が、地球的課題では再生可能エネルギーやフードロスなど今日的な問題がみられた。
2024年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 地図の読み取りと活用、日本の自然災害と防災 | 20 | 6 |
2 | 家畜に関する世界の生活・文化 | 20 | 6 |
3 | アフリカ | 20 | 6 |
4 | 世界の結びつきと地球的課題 | 20 | 6 |
5 | 島根県石見地方の浜田市の地域調査 | 20 | 6 |
合計 | 100 | 30 |
2023年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 地理的技能とその活用、および日本の自然環境や自然災害 | 20 | 6 |
2 | 世界の生活・文化 | 20 | 7 |
3 | 北アメリカ | 20 | 6 |
4 | 環境問題の解決についての探究 | 20 | 6 |
5 | 利根川下流域の地域調査 | 20 | 6 |
合計 | 100 | 31 |
設問別分析
第1問
火山を描いた地点と噴火に伴う湖沼の形成要因、GISを用いた分析、新旧地形図の読図判定、3地域の土地利用と光合成活発度、気象衛星画像とその気象状況下で発生が予想されることがら・それに対する備え、洪水・津波のハザードマップと発生時における避難行動が問われた。問4は、光合成の活発度の季節変化を植生の有無や土地利用と結びつけて考えよう。
第2問
世界における家畜(羊・豚)の飼育頭数の地域別割合、家畜(ヤク・ラクダ)の飼育頭数上位国と適応する自然環境、アメリカ合衆国・ブラジル・フランスにおける牛の飼育頭数の変化、日本・インド・中国における肉類の1人当たり年間供給量の変化とインドの供給量が少ない理由、3地域の天幕住居のイラストと特徴などが問われた。問1は、アフリカとオセアニアで割合が高いことからイを羊と判定したうえで、地域を判定しよう。問3は、表1の判定が出来たか否かで差がつく。
第3問
4地域の陰影起伏図の判定、3つの世界自然遺産でみられる生物の特徴、エジプト・ケニアにおける小学校の授業の様子を撮影した写真と授業で使用されている言語、西部アフリカと南部アフリカの産業別就業者の割合と変化、国・地域別人口上位20か国における都市人口と農村人口および3か国(モロッコ・ナイジェリア・タンザニア)の判定、サハラ以南のアフリカと北アメリカの携帯電話と固定電話の契約数の推移が問われた。問1は、陰影起伏図からアフリカ大地溝帯を読み取りにくいが、火山の分布から判断しよう。
第4問
3つの国家群(ASEAN・USMCA・OPEC)、日本の輸出入額に占める4地域(アフリカ・北アメリカ・西アジア・東アジア)の割合の変化、ドイツにおける1週間の電源別の発電量と電力需要量の推移、世界の年少人口と老年人口の地域別推移(アジア・アフリカの判定)、サハラ以南のアフリカとヨーロッパの農畜産物(穀物、果実・野菜類、乳製品)の廃棄量と最終的な消費量の割合、日本・アメリカ合衆国・スペインのODAの国別供与額が出題された。問5は、先進地域は消費の段階、発展途上地域は生産・貯蔵・加工の段階でフードロスが生じやすいことなどから判定しよう。
第5問
中国地方の3都市における1月の日照時間と平均気温、石見地方の各地区におけるいくつかの商品やサービスの購買・利用先、浜田市の小学校区別の最寄りの施設への距離別人口割合、浜田市内の地形図と景観、浜田に関する商品流通の歴史、石見地方の過疎要因と解決に向けた取組みが出題された。
※地理B第5問との共通問題。
23年度 | 22年度 | 21年度 | 20年度 | 19年度 |
55.2 | 51.6 | 60.0 | 54.5 | 57.1 |