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生物 [分析] 2024年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

標準的な知識問題の割合が増加した。

考察問題の割合が減少し、生物の知識のみで解答できる問題が増加した。

【ズバリ的中】<本試験>第2問 問2⇒<河合塾教材>冬期・直前講習 共通テスト本番必勝生物テスト 第6問 問2

難易度

易化

知識問題では、問われる知識は比較的平易なものが多く、正誤の判断に迷うような紛らわしい選択肢もほとんどなかった。考察問題では、実験の設定が読み取りにくくデータ処理が難しい問題が減少した。

出題分量

大問数は昨年と同じであったが、問題のページ数、小問数、マーク数は減少し、選択肢の総数も減少したため、全体的な分量は減少した。

出題傾向分析

教科書の各分野から幅広いテーマで出題された。また、大問中に複数の分野の設問を含む問題も多く会話文に基づいた問題も出題された。考察問題の割合が低く、標準的な知識問題が増加した。第6問のシミュレーションを行う問題は目新しかった。

2024年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 生命現象と物質 14 3 呼吸、遺伝子発現の調節
2 生命現象と物質
生物の環境応答
17 4 生体膜、神経
3 生物の環境応答
生殖と発生
16 4 筋肉、細胞の分化と形態形成
4 生殖と発生
生物の環境応答
19 5 生殖、植物の環境応答
5 生態と環境 14 3 物質生産
6 生物の進化と系統 20 4 A 動物の系統
3 B 進化の仕組み
合計 100 26  

2023年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 生命現象と物質
生物の進化と系統
17 4 遺伝子発現の調節、光合成生物の系統
2 生物の進化と系統
生物の環境応答
18 3 A 色覚の進化
2 B ヒトの嗅覚受容体
3 生物の環境応答 12 3 光受容体と葉緑体の分布
4 生命現象と物質 生態と環境 20 6 窒素代謝、物質生産
5 生殖と発生 19 6 ショウジョウバエの発生と遺伝子
6 生態と環境 14 4 縄張りと群れ
合計 100 28  

設問別分析

第1問

呼吸に関する知識問題、および、遺伝子の転写調節に関する知識問題と考察問題であった。問1は呼吸と発酵に関する知識問題であり、問2はオペロンに関する知識と実験結果に基づいて考察する問題であった。問3はオペロンの発現制御について、グルコースのみによって制御される可能性を検討するための条件を考えるものであった。

第2問

生体膜における物質の輸送に働くタンパク質に関する知識をもとに答える問題と、気孔の開閉に関する考察問題であった。活動電位や不応期など神経細胞における興奮の発生、伝導、伝達の仕組みを理解しておくことが必要であった。

第3問

筋収縮に関する知識問題と考察問題、および、筋肉の発生に関する考察問題であった。問2は筋収縮にATPおよびカルシウムイオンがどう関わっているかを理解できている必要があった。問3は与えられた条件から実験結果を推測する問題であり、論理的な思考力が問われた。

第4問

生殖に関する知識問題と、ジャガイモの塊茎の形成と同化物の分配を題材とした植物の環境応答に関する知識問題と考察問題であった。問2の実験より、短日条件では塊茎形成が誘導されるが、長日条件では塊茎形成が誘導されないことが分かるので、問3の栽培条件2では塊茎形成が誘導され、栽培条件3では塊茎形成が誘導されない。これらの栽培条件下での結果と、栽培条件1での結果をそれぞれ比較する必要があった。

第5問

物質生産に関する知識問題と考察問題であった。問1は生産構造図に関する知識に基づいて、森林内の相対照度を考えるものであった。問2は蓄積された有機物量や純生産量のデータに関して正誤を判断するものであった。問3は森林を焼き払って農耕地として利用し続けた場合に、植生や土壌中に蓄積される有機物量が減少するプロセスを考えるものであった。

第6問

Aは動物の系統に関する知識問題であり、Bは遺伝情報の伝達に関する考察問題であった。問1・問2はどちらも動物の系統に関する基本的な知識問題であった。問3は問題文に示されたシミュレーションの方法を正確に読み取ることが要求され、時間がかかってしまった受験生もいたであろう。問4は遺伝子頻度の変動に関する問題であり、設問中に「シミュレーションの結果も参照しながら」とあったものの、教科書の知識のみから正解を選ぶことが可能であった。

過去の平均点の推移

23年度 22年度 21年度 20年度 19年度
48.5 48.8 72.6 57.6 62.9