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数学II・数学B [分析] 2024年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

論理的思考力を問う設問が多かった。

第1問[2]、第2問、第3問、第4問など、論理的な思考力が試される設問が多かった。出題者の誘導に乗りづらい設問も多く、また、選択肢に紛らわしいものがあった。計算量はあまり多くないので、数学が得意な受験生はすぐに解答できるが、苦手な生徒には解きにくかったであろう。

【ズバリ的中】<本試験>第5問⇒<河合塾教材>完成シリーズ 数学A(理系)第6講 6・2

難易度

昨年並み

計算量はかなり減少したが、高度な思考を要求する設問が散見され、多くの受験生が困惑したものと思われる。ただし、易しい問題が前半に配置されるなど、点数がとりやすいように配慮はされている。

出題分量

問題文の行数は、昨年よりも20〜40行程度減少した(選択問題により異なる)。設問数は昨年とぼぼ同程度であるが、選択肢から選ぶ問題の数が減少したため、マーク数は昨年よりやや増加した。

出題傾向分析

第1問で三角関数が出題されず、現行課程の本試験で初めて「整式の除法」がメインのテーマとして出題された。
日常生活に関する問題は、第3問のみで出題された。
選択肢が文である問題が多かった。

2024年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]指数関数・対数関数 30 対数関数のグラフ、方程式、不等式、領域
[2]いろいろな式 整式の除法
2 微分法・積分法 30 積分、極値、面積、微分と積分の関係
3 確率分布と統計的な推測 20 母比率の区間推定、確率変数の期待値(平均)
4 数列 20 等差数列、漸化式、数学的帰納法
5 空間ベクトル 20 空間ベクトルの成分、内積、ねじれの位置にある2直線
合計 100  

2023年度フレーム

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]三角関数 30 三角関数の大小関係、不等式、加法定理
[2]指数関数・対数関数 有理数と無理数、背理法
2 [1]微分法 30 3次関数、円錐(えんすい)に内接する円柱の体積
[2]積分法 定積分を用いた桜の開花日の予想
3 確率分布と統計的な推測 20 正規分布、平均(期待値)、標準偏差、二項分布
4 数列 20 複利計算、漸化式、数列の和
5 空間ベクトル 20 内積、垂直
合計 100  

設問別分析

第1問

[1](1)は対数関数のグラフ、(2)は対数を含む方程式の表すグラフや不等式の表す領域を選択させる問題。対数についての計算はあまりなかった。
[2]整式の除法において、余りが定数となる条件を調べる問題。整式が何種類も出てきて混乱しやすい上に、「チ」の選択肢は論理的な文章を正確に読み取る力が要求された。計算量は少なかった。
<数学IIの第1問と共通問題>

第2問

文字定数mを含む2次関数f(x)と、f(t)の0からxまでの積分S(x)に関する問題。
(1)m=2のときについて、S(x)の極値、f(3)の表す図形的意味などの問題。S'(x)=f(x)であることを利用すれば計算量を減らせる。
(2)放物線とx軸、y軸などで囲まれた2つの図形の面積の大小関係に関する問題。面積に関する条件が成立するときのy=S(x)のグラフを選択する問題。前半の誘導はやや丁寧であるが、後半はS(m)が極小値であることに気づけるかがポイント。
(3)y=f(x)のグラフの特徴から、y=S(x)のグラフの特徴を考える問題。誘導はやや丁寧であるが、文字を多く含み抽象的な式を変形できるかがポイント。
<数学IIの第2問と共通問題>

第3問

(1)は、「母比率の信頼区間」を誘導に従って求める問題。公式だけを覚えていた受験生は苦労した可能性がある。
(2)は確率変数の期待値の計算。やや計算は煩雑であるが、誘導通りに解き進めればよい。ただし、設問の意図が読み取りにくいので、苦労した受験生は多いだろう。

第4問

(1)は等差数列の一般項を求める問題、(2)は教科書の例題にあるような漸化式を解いて一般項を求める問題。(3)は与えられた漸化式を満たす数列についての性質を数学的帰納法を用いて示したり、漸化式を満たす数列の存在について考えたりする問題であった。最後は真偽の組合せを選択する問題であった。

第5問

空間ベクトルの成分についての問題。(2)は原点と直線上を動く点の距離の最小についての問題であり、会話文で2通りの解き方の方針が与えられている。(3)のねじれの位置にある2直線上を動く2点間の距離の最小についての問題でも、(2)と同様の方針で解くことができる。

過去の平均点の推移

23年度 22年度 21年度 20年度 19年度
61.5 43.1 59.9 49.0 53.2