数学II [分析] 2024年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
論理的思考力を問う設問が多かった。
第1問[2]、第2問では、論理的な思考力が試される設問が多かった。出題者の誘導には乗りづらく、苦戦した生徒も多いだろう。
難易度
昨年並み
第1問[2]、第2問では、計算量はやや減ったが、高度な思考を要求する設問が散見され、多くの受験生が困惑したものと思われる。一方で、第3問、第4問では、誘導がかなり丁寧で解きやすかったと思われる。
出題分量
選択肢から選ぶ問題の数が昨年よりも増加したため、マーク数は昨年よりも減少した。一方で、第3問、第4問では、行数も内容も少なかった。
出題傾向分析
例年は第4問で出題される「整式の除法」が第1問で出題された。「三角関数」が第3問で出題された。
2024年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | テーマ |
1 | [1]指数関数・対数関数 | 30 | 対数関数のグラフ、方程式、不等式、領域 |
[2]いろいろな式 | 整式の除法 | ||
2 | 微分法・積分法 | 30 | 積分、極値、面積、微分と積分の関係 |
3 | 三角関数 | 20 | 三角関数の方程式、加法定理 |
4 | 図形と方程式 | 20 | 点と直線の距離、2円の共通接線 |
合計 | 100 |
2023年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | テーマ |
1 | [1]三角関数 | 30 | 三角関数の大小関係、不等式、加法定理 |
[2]指数関数・対数関数 | 有理数無理数、背理法 | ||
2 | [1]微分法 | 30 | 3次関数、円錐(えんすい)に内接する円柱の体積 |
[2]積分法 | 定積分を用いた桜の開花日の予想 | ||
3 | 図形と方程式 | 20 | 円の方程式、軌跡、内分点、重心 |
4 | 高次方程式 | 20 | 2次方程式の判別式、2つの3次方程式の共通の解 |
合計 | 100 |
設問別分析
第1問
[1](1)は対数関数のグラフ、(2)は対数を含む方程式の表すグラフや不等式の表す領域を選択させる問題。対数についての計算はあまりなかった。
[2]整式の除法において、余りが定数となる条件を調べる問題。整式が何種類も出てきて混乱しやすい上に、「チ」の選択肢は論理的な文章を正確に読み取る力が要求された。計算量は少なかった。
<数学II・Bの第1問と共通問題>
第2問
文字定数mを含む2次関数f(x)と、f(t)の0からxまでの積分S(x)に関する問題。
(1)m=2のときについて、S(x)の極値、f(3)の表す図形的意味などの問題。S'(x)=f(x)であることを利用すれば計算量を減らせる。
(2)放物線とx軸、y軸などで囲まれた2つの図形の面積の大小関係に関する問題。面積に関する条件が成立するときのy=S(x)のグラフを選択する問題。前半の誘導はやや丁寧であるが、後半はS(m)が極小値であることに気づけるかがポイント。
(3)y=f(x)のグラフの特徴から、y=S(x)のグラフの特徴を考える問題。誘導はやや丁寧であるが、文字を多く含み抽象的な式を変形できるかがポイント。
<数学II・Bの第2問と共通問題>
第3問
三角関数の方程式に関する問題。いわゆる「和積の公式」を用いるが、丁寧な誘導がついているため、加法定理を使えば解き進められる。
第4問
2円に接する直線について、接点の座標を求める問題。「点と直線の距離」の公式が提示されている。また「円上の点における接線の方程式」について、多くの教科書に記載されている公式を誘導に従って導く形式となっている。
23年度 | 22年度 | 21年度 | 20年度 | 19年度 |
37.7 | 34.4 | 39.5 | 28.4 | 30.0 |