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数学I [分析] 2024年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

融合問題やヒントが少なくやや取り組みにくい問題もあったが、全体的に昨年と同程度の難易度であった。

数学I・数学Aとの共通問題については昨年と同様に誘導が丁寧で解答の方針が立てやすいものが多かったが、数学I単独で出題された「集合と命題」、「図形と計量」、「2次関数」の問題については誘導が少なく、昨年よりやや取り組みにくかった。昨年とは異なり、分野をまたいだ融合問題も出題された。

難易度

昨年並み

数学I単独で出題された問題(数学I・数学Aとの共通問題ではないもの)について、後半部分の設問における誘導が少なく、解き方がわからずに戸惑った受験生もいたと思われるが、全体的には昨年と同程度の難易度であった。

出題分量

昨年と比較して、大きな変化はない。

出題傾向分析

共通テストの特徴のひとつである日常の事象に関する問題としては、第2問 [2] で電柱の高さや影の長さを測量する問題が出題された。また、第3問 [2] では点の移動に伴って変化する三角形の面積を2次関数として捉えて考察する融合問題も出題された。問われている内容は典型的なものが多く、計算量もほどよく抑えられている。

2024年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]数と式 20 整数部分・小数部分
[2]集合と命題 集合と要素、包含関係、必要条件・十分条件
2 [1]図形と計量 30 正弦定理、余弦定理
[2]図形と計量 測量、三角比の定義、三角比の表
3 [1]2次関数 30 放物線のグラフ、2次不等式の解、2次方程式の解
[2]2次関数 点の移動、三角形の面積の最大・最小
4 データの分析 20 ヒストグラム、箱ひげ図、変量の変換、散布図、相関係数
合計 100  

2023年度フレーム

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]数と式 20 絶対値を含む不等式
[2]集合と命題 部分集合、和集合、共通部分、補集合、集合の要素
2 図形と計量 30 円に内接する三角形の面積、球に内接する三角錐(さんかくすい)の体積
3 データの分析 20 ヒストグラム、箱ひげ図、相関係数、変量変換
4 [1]2次関数 30 グラフとx軸との位置関係、グラフの平行移動、絶対値を含む関数のグラフ
[2]2次関数 バスケットボールの軌道、シュートの高さ
合計 100  

設問別分析

第1問

[1]無理数の整数部分・小数部分に関する問題であった。小数第2位の数字まで問われていることは目新しい。誘導を読み取り指定された作業をしていけば答えが求められるため、誘導を正しく読み取り方針を捉えられたかで差がついたであろう。<数学IAの第1問[1]と共通問題>
[2]与えられた条件を満たす自然数の部分集合や、それらの集合の包含関係について考察する問題であった。全体集合の要素の個数が少ないため、取り組みやすい。

第2問

[1]三角形について一辺の長さと一つの内角の大きさが指定されたとき、そのような三角形が一通りに決まるための、外接円の半径の条件を調べる問題であった。(2)では、未知の辺の長さについて余弦定理を用いることによって得られる2次方程式が正の解をただ一つもつための条件を求めればよいが、誘導がないため戸惑った受験生が多かったのではないだろうか。
[2]電柱の高さ、影の長さを測量する問題であった。直角三角形に対して三角比の定義や三角比の表を適切に利用できるかを問う設問が多く、正弦定理や余弦定理を利用する設問は出題されなかった。最後の設問は誘導がなくなり、それまでの考え方を応用することができるかを問われていた。<数学IAの第1問[2]と共通問題>

第3問

[1]2次関数のグラフをコンピュータソフトを用いて表示させるという設定の問題であった。2次関数の三つの係数のうち二つの値を固定して、残り一つの値を変化させたときのグラフの変化の様子を問うものであるが、三つの係数がすべて文字で与えられており、具体的な数値ではないため、受験生には難しく感じられたかもしれない。
[2]2次関数と図形の融合問題であり、座標平面上を動く点に伴って変化する三角形の面積を考察する問題であった。2点P、Qの座標が与えられていないため、点の動き方と時刻に合わせて座標を正しく表せるかがポイントである。<数学IAの第2問[1]と共通問題>

第4問

長距離競技の公認記録に関して、ヒストグラム、箱ひげ図、散布図の読み取りや相関係数の計算などが出題された。情報量は多いが、この分野の基本的な知識が身についていれば取り組みやすかったと思われる。<数学IAの第2問[2]と一部共通問題>

過去の平均点の推移

23年度 22年度 21年度 20年度 19年度
37.8 21.9 39.1 35.9 36.7