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英語(リーディング) [分析] 2024年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

大問構成,出題のねらいに大きな変化はなく,多様な問題が出題された。第4問は複数の文章を読ませる形式から1つの文章を読ませる形式に変わった。

本文のタイプに大きな変化はなかったが,第2問Bのレビューと第4問のアンケートが形式としては目新しい。

難易度

昨年並み

昨年と比べ,第1問B・第3問B・第5問に,正解を選ぶのに時間を要する問題があったが,全体としては昨年並み。

出題分量

問題本文・図・設問・選択肢すべて含めて約6300語で,昨年と比較して200語程度増加。

出題傾向分析

「様々なテクストから概要や要点を把握する力や必要とする情報を読み取る力等を問うことをねらいとする」という,大学入試センターの作成方針に沿って多様な形式の問題が出題された。またイギリス英語の表現やつづりが今年も本文中にみられた。

2024年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 A読解問題(チラシ) 10 2
B読解問題(案内) 3
2 A読解問題(チラシ) 20 5
B読解問題(レビュー) 5
3 A読解問題(ブログ) 15 2
B読解問題(学校新聞) 6
4 読解問題(記事とアンケート結果) 16 6
5 読解問題(物語文) 15 9
6 A読解問題(記事) 24 5
B読解問題(論説文) 6
合計 100 49

2023年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 A読解問題(案内) 10 2
B読解問題(ウェブサイト) 3
2 A読解問題(ウェブサイト) 20 5
B読解問題(レポート) 5
3 A読解問題(会報) 15 2
B読解問題(ブログ) 6
4 読解問題(複数の記事) 16 6
5 読解問題(物語文) 15 9
6 A読解問題(記事) 24 5
B読解問題(論説文) 6
合計 100 49

設問別分析

第1問

Aは,2つの問いに答える問題で,昨年の「劇場で上演される芝居」の案内から,「国際交流イベント」のチラシに変わった。イベントには出し物が3つあり,入場料金やそれぞれの出し物の内容など,詳細な情報を把握することがポイント。Bは,昨年のウェブサイト上の情報から,日帰りツアーについての案内に変わった。ツアーは3種類あり,3問ともすべてのツアーの内容に注意を払う必要がある問題であった。

第2問

Aは,「コメントつきのクラブ活動の勧誘チラシ」に関して,5つの問いに答える問題。昨年と同様,「意見」を問う問題が出題された。問2は本文に述べられていないものを選択する問題で,また本文の表現と選択肢の表現とで言い換えの程度が大きく,解答に時間がかかったかもしれない。Bは,「旅行保険プランのレビュー」に関して,5つの問いに答える問題。昨年は文章とフィードバックを読ませる形式で「事実」を問う問題が出題されたが,今年は1つの文章を読ませる形式になり,「意見」を問う問題が出題された。問2は本文に述べられていないものを選択する問題が出題された。

第3問

Aは,「フォトラリー」というイベントについてのブログを読み,2つの問いに答える問題。問1は昨年と同様に本文の内容に即したビジュアル問題で,筆者が撮った写真を選ぶ形式。問2は筆者の投稿に対してどうコメントするのが適切であるかを問う新傾向の問題であり,解答に時間を要したかもしれない。Bは,「南の島へのバーチャルツアー」についての学校新聞の記事を読み,3つの問いに答える問題。問1は出来事の起こった順序に即してコメントを選ぶ問題が出題された。問2と問3は本文の細部にまで気を配り,慎重に考える必要がある問題であった。

第4問

2つの記事を読み,5つの問いに答えるという昨年の形式から,「英語クラブ用の部屋の模様替え」に関して,よりよい教室の条件についての記事とそれに対するアンケート結果を読み,グループ討論用の配布物を作成させる形式へと変わった。アンケート結果を表すグラフを扱った問題は初めての出題であり,複数の文章ではなく1つの文章からの出題となった。SIN Frameworkの定義,記事とアンケート結果から得られる推奨事項,配布物から取り除くべき項目,議論すべき項目に関する空所補充などが出題された。

第5問

「高校時代の友人3人が20年ぶりに再会する」物語を読み,メモの空所を埋める問題。昨年に続き2年連続で物語文が出題されたが,昨年と比較して本文の語数が約300語増加した。登場人物3人の経験が必ずしも時系列順に書かれておらず,戸惑った受験生もいたかもしれない。問2では簡単な計算が必要であった。

第6問

Aは,「時間に対する認識」に関する記事で,短い発表のためのメモに設けられた5箇所の空所を埋めて完成させる問題。時間感覚に関する本文の内容のアウトラインを作成する問いが3つ,そして聞き手がRetrospective timingとProspective timingの違いを理解できるように,自分なりの例を選択させる問いが2つ出題された。Bは,「チリペッパー」に関する論説文を読み,プレゼンテーションのためのスライドに設けられた5箇所の空所を埋めて完成させる問題。「ワサビ」の特性,「チリペッパー」のプラス・マイナスの効果,スパイスに対する耐性,結論等の内容が問われている。部分的に専門的な箇所もあるが全体としては読みやすい英文であった。

過去の平均点の推移

23年度 22年度 21年度 20年度 19年度
53.8 61.8 58.8 116.3 123.3