政治・経済 [分析] 2023年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
すべての大問においてリード文がなくなり、広報誌やノートなどになった。
各設問は昨年同様、基本的な知識とともに、思考力を問う問題であった。
難易度
難化
細かい知識を問う問題や、設問内容の正確な理解が求められる問題が増えたため難化した。
出題分量
マーク数は昨年と同様。文献・図表を用いた問題が多くみられることに変化はない。
出題傾向分析
ほとんどの出題が知識を必要とする問題である。文献・図表を用いた問題も、その内容を正確に理解して解答する必要がある。また、少年法の改正やSDGsなど、時事的動向についての理解も求められている。
2023年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 政治・経済総合 | 26 | 8 |
2 | 地域社会・グローバル化・国民経済 | 25 | 8 |
3 | 戦争と平和・日本の議会制民主主義 | 25 | 8 |
4 | SDGsの意義と課題 | 24 | 6 |
合計 | 100 | 30 |
2022年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | まちづくりに向けての取組み | 26 | 8 |
2 | 経済主体 | 26 | 8 |
3 | 国内外経済の諸課題 | 26 | 8 |
4 | 住民による地方政治参加 | 22 | 6 |
合計 | 100 | 30 |
設問別分析
第1問
地方の広報誌を題材に、資本主義経済の成立と発展、各国の経済指標、各国の輸出品目、日本の地球温暖化対策、日本国憲法の憲法尊重擁護義務・租税法律主義、日本の国際収支、日本の独占禁止法、日本の公務員数の推移について出題された。問2は、実質GDP成長率、一人当たり実質GDP、一般政府総債務残高の推移から、日本、中国、韓国を特定する出題。各国の2000年代以降の経済動向とともに、それ以前の経済史についての知識も要する。各国の輸出品目に関する問3、日本の地球温暖化対策に関する問4、日本の公正取引委員会に関する問7は、いずれもそれぞれの分野における基本的な知識を前提としつつ、資料や問題本文に示されたヒントをもとに論理的に考えれば、十分に解答可能である。
第2問
日本の地域社会と行政サービスの現状と課題、グローバル化と日本の産業構造の変化、日本の財政金融政策と国民経済に関する疑問の3つのテーマに関連して、都市の過密化と地方の過疎化、日本の地方財政、地方公共団体・非営利組織(NPO)・中小企業、政府による価格への介入の影響、為替介入、地域におけるリサイクルの状況、日本国債の保有者の構成比・保有高の変化、民間最終消費支出と民間企業設備投資の変化について出題された。問6は、思考力を試す問題であり、設問に沿って考えていけば正解を選ぶことができる。問5・問7・問8は、思考力だけでなく知識も必要である。
第3問
戦争と平和・日本の議会制民主主義をテーマとして、核兵器に関する条約、中東での紛争と対立、国際連盟規約と国際連合憲章、日本の安全保障、委任の連鎖と責任の連鎖、少年法改正、世論形成における個人やマスメディアの表現活動の意義、二院制の意義について出題された。問5は、「委任の連鎖」や「責任の連鎖」という聞きなれない用語が使われているが、憲法に関する基本的な知識が問われている。問6は、2021年の少年法改正に関する出題であり、時事問題についての関心が求められている。問7は、憲法第21条第1項に関する最高裁判例の趣旨を読み取る力が試されている。
第4問
SDGsの意義と課題を中心に、環境問題や人権保障に関する国際的取組み、各国の対外債務について出題された。問1は、持続可能な開発に関する世界首脳会議と国連ミレニアム宣言の順番が問われており、やや難しい。問3では人権理事会やILO(国際労働機関)など、やや細かい知識が求められている。表を掲げた問5・会話文とメモを用いた問6は、いずれも読解力と思考力が試されている。
22年度 | 21年度 | 20年度 | 19年度 | 18年度 |
56.8 | 57.0 | 53.8 | 56.2 | 56.4 |