地理B [分析] 2023年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
読み取りと判断に時間が必要となる複数の資料を参照させる組合せ形式の問題が定着し、短時間に多くの情報を処理する能力が求められている。
図表・写真などの資料が多く用いられ、思考力とともに短時間に判断する情報処理能力が試されている。
【ズバリ的中】<本試験>第1問 問5⇒<河合塾教材>冬期講習 共通テスト攻略地理B 第2講 第1問 問1
難易度
昨年並み
複数の資料を参照させる組合せ形式の問題がセンター試験最終年の2020年度の頃から散見され、共通テストも3年目となって定着してきた。この形式の問題は、解答に時間を要するが、模試などでトレーニングができており受験生もこの形式に慣れてきたと思われる。
出題分量
大問数は昨年同様5題で、マーク数も31で同じであった。
出題傾向分析
系統地理的考察分野から、自然環境、資源と産業、都市と人口、地誌的考察分野から、インドと中国、地図と地理的技能の分野から、地域調査が出題された。地理Bのほぼ全分野からまんべんなく出題されている。基本的な知識を踏まえて、統計表、統計地図、グラフなどの複数の資料を組み合わせた読み取り問題が多く、読み取りには時間を要する。
2023年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 自然環境と自然災害 | 20 | 7 |
2 | 資源と産業 | 20 | 6 |
3 | 日本の人口や都市をめぐる諸問題 | 20 | 6 |
4 | インドと中国 | 20 | 6 |
5 | 利根川下流域の地域調査 | 20 | 6 |
合計 | 100 | 31 |
2022年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 世界の自然環境や自然災害 | 20 | 6 |
2 | 資源と産業 | 20 | 6 |
3 | 村落・都市と人口 | 20 | 6 |
4 | ラテンアメリカ | 20 | 7 |
5 | 苫小牧市とその周辺の地域調査 | 20 | 6 |
合計 | 100 | 31 |
設問別分析
第1問
気候や気象に関する時間スケールと空間スケール、南北アメリカの低緯度地域におけるサンゴ礁とマングローブの分布と海流の向き、東京と世界の3つの都市の月別・時間別の気温分布の等値線図、大西洋周辺の火山災害と熱帯低気圧による災害の分布、日本とその周辺の地震の震源における東西方向の位置と深度の分布、都市内を流れる小規模河川における短時間の豪雨の降水量と河川の水位の時間の経過による変化の要因が出題された。問1は、「時間スケールと空間スケール」に関する問題で、統計資料などではこれまでも扱われているものの、悩んだ受験生もいたと思われる。
第2問
中世ヨーロッパにおける村落の模式図と三圃式農業、アフリカ、中央・西アジア、東アジア、ヨーロッパにおける耕作地に占める灌漑面積の割合と1ha当たりの穀物収量、遺伝子組み換え作物の栽培状況、世界の牛肉、鶏肉、羊肉の輸出量上位国、フランスとポルトガルのEU域外への輸出額と輸出量に占める輸送手段別割合の違い、アメリカ合衆国、カナダ、ドイツ、日本のパルプと古紙消費量について出題された。問4は受験生にはなじみの薄い生産量に占める輸出量の割合を扱った問題であり、判断に悩む受験生が多かったと思われる。
第3問
第3問では、従来よりもストーリー性を重視した探究型学習活動を想定した場面設定が用いられた。四国地方と九州地方から大都市圏への人口移動、東京都区部の工業地区の面積、住宅地の平均地価、4階以上の建築物数の過去50年間の変化、鹿児島県のある都市の市街地内部の変化、日本の都道府県における過疎市町村の面積が都道府県面積に占める割合、老年人口の増加率、老年人口に占める食料品へのアクセスが困難な人口の割合、日本、エチオピア、中国、フランスの将来予測を含む従属人口指数の推移、イギリスにおける1990年、2005年、2019年の外国生まれの人口上位5か国の変化が出題された。
第4問
インドと中国の4つの範囲の耕地、草地・裸地、森林などの違い、両国の行政区における小麦と米の作付面積割合の違い、両国の行政区における2001年と2018年の1人当たり総生産と出生率、2000年と2017年の産業別GDPの割合の変化、1995年と2019年におけるインド、中国、オーストラリア相互の輸出額と移民の送出数、2018年の1月と7月のPM2.5の地表面での濃度の違いと環境問題が出題された。
第5問
利根川流域の判定と標高差の計算、利根川下流域の土地利用の割合、利根川下流域での都市の発展や交通手段の変遷、佐原周辺の水害とその対策施設、日本国内のウナギの供給量の推移と利根川流域のウナギの水産資源回復の取組み、探究課題の調査方法が出題された。判断に悩む問題は少なく取り組みやすい問題が多かった。
※地理A第5問との共通問題。
22年度 | 21年度 | 20年度 | 19年度 | 18年度 |
59.0 | 60.1 | 66.4 | 62.0 | 68.0 |