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地理A [分析] 2023年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

環境問題の解決の考察など、地理Aにふさわしい探究型の問題が出題された。

地球的課題や身近な地域の課題解決について考察させる問題が多く、計算問題が含まれるなど今までなかった問題がみられた。

難易度

やや易化

昨年度と同様に、教科書に準拠した問題が大半であった。判定しにくい問題がいくつか含まれるものの、昨年度に比べて組合せ問題は減少し、判定しやすい問題が若干増えたことで、難易度はやや易化した。

出題分量

マーク数は31となり、1つ増加した。組合せ解答は18で2つ減少し、6択以上の問題(6択問題が10、8択問題が1)は1つ増加し、昨年度出題された9択問題はなかった。

出題傾向分析

大問のテーマは、地理的技能とその活用および日本の自然環境や自然災害、世界の生活・文化、北アメリカ、環境問題の解決についての探究、地域調査の5題で、昨年度の共通テストとほぼ同じ構成であった。第4問の環境問題では、場面設定による探究型の問題が出題され、知識を問うだけでなく、環境への負荷を計算によって求めるなど、課題解決について考察させるものが多かった。

2023年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 地理的技能とその活用、および日本の自然環境や自然災害 20
2 世界の生活・文化 20 7
3 北アメリカ 20 6
4 環境問題の解決についての探究 20 6
5 利根川下流域の地域調査 20 6
合計 100 31

2022年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 地図の読み取りと活用、および日本の自然災害 20 6
2 世界の生活・文化 20 6
3 東アジアの暮らし 20 6
4 地球的課題 20 6
5 苫小牧市とその周辺の地域調査 20 6
合計 100 30

設問別分析

第1問

メルカトル図法、写真(火山地形)の撮影方向と地形図読図、日本の気候(気温の年較差・日最大風速15m/秒以上の年間日数・年間の日照時間・真夏日の年間日数)、地形分類図(大阪湾付近)と高潮による浸水被害のハザードマップの読図、沖積平野(地形起伏図と地形図を重ね合わせた図)の読図と避難経路、日本における自然現象(火山の噴火・河川の氾濫・山地の積雪・竜巻)がもたらす自然災害と資源が問われた。

第2問

年間水使用量の地域別(北アメリカ・東アジア)・用途別(農業用・工業用)の判定、熱帯地域の景観写真と気温の年較差・降水量の季節変化、移動手段(イギリスの船舶の水路橋・ボリビアのロープウェイ)の目的、3か国(マレーシア・メキシコ・カタール)の多言語への対応(文字)と東京との航空便数、サケ・マス類の輸出入と鮮魚冷蔵品・冷凍品の判定、3か国の製造業出荷額・業種割合と製造業の特徴が問われた。

第3問

3つの国立公園の景観写真、アメリカ合衆国の州別農産物生産(トウモロコシ・ブドウ・メープルシロップ・綿花)、アメリカ合衆国の地域別住民構成(アジア系・アフリカ系・先住民)、カナダのある都市におけるエスニックタウンの景観写真と生活、デトロイトとサンノゼの職業別就業者割合と生じている問題、カナダのダイバーシティが問われた。問6は判定に迷うことはないが、男女別や先住民・マイノリティなどの閣僚構成の変化を示した図が出題され、今日的な課題に基づくものであった。

第4問

地球温暖化対策に対する国(4グループ)の立場や主張、プラスチックごみの貿易(日本・アメリカ合衆国・中国・マレーシア)と輸入規制、ライン川の有害物質の流出についての資料の読図、アメリカ合衆国・インドネシア・ブラジルにおけるバイオ燃料の導入拡大にともなう問題、大都市圏の中心都市と周辺都市における交通機関(自動車・鉄道)の利用や環境負荷、さまざまな環境問題に対する取組みが問われた。問5の計算問題は、パークアンドライドへの転換による環境負荷の緩和効果を扱った問題である。

第5問

利根川流域の判定と標高差の計算、利根川下流域の土地利用の割合、利根川下流域での都市の発展や交通手段の変遷、佐原周辺の水害とその対策施設、日本国内のウナギの供給量の推移と利根川流域のウナギの水産資源回復の取組み、探究課題の調査方法が出題された。判断に悩む問題は少なく取り組みやすい問題が多かった。
※地理B第5問との共通問題。

過去の平均点の推移

22年度 21年度 20年度 19年度 18年度
51.6 60.0 54.5 57.1 50.0