世界史A [分析] 2023年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
昨年同様、資料やグラフを用いて、考えさせる問題が多く出題。
出題傾向は昨年と同様、資料・グラフから読み取った情報と、世界史の知識とを組合わせて解答する問題が多く出題された。従来の授業を想定した会話文とともに旅行などを題材にした会話文が使用された。
難易度
昨年並み
出題傾向は昨年と同様であり、問題数は1問減少したが、難易度には大きく影響はしないであろう。
出題分量
大問数4題、小問数30問で、小問数は昨年から1問減少した。ページ数も30ページから27ページに減少。
出題傾向分析
出題傾向は昨年と変化はない。問題文・資料に空欄をあけ、その空欄に入れるべき単語に関する4つの短文を正誤判定させる問題が定着した感がある。また、年代や時代の前後関係を問う問いも出題された。グラフを使った、中国からの紅茶の輸出量の推移に関する問題では、年号についての知識が必要とされている。資料を使った問題は、資料をしっかり読むことが求められている。昨年と同様、前近代も一定の分量出題されており、世界史Aで中心に学ぶ近現代に関しては地域的に偏りがなくまんべんなく出題されている。
2023年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 歴史を調べるための手掛かりとなる史跡 | 20 | 6 |
2 | 近現代における国のあり方 | 30 | 9 |
3 | 旅先での経験 | 30 | 9 |
4 | 人やモノの移動 | 20 | 6 |
合計 | 100 | 30 |
2022年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 社会に対する訴えの手段として用いられた図像 | 27 | 8 |
2 | 世界史の授業 | 16 | 5 |
3 | 世界史上の帝国とそれを取り巻く情勢 | 16 | 5 |
4 | 人の移動の歴史 | 16 | 5 |
5 | 世界史上における民主化の動き | 25 | 8 |
合計 | 100 | 31 |
設問別分析
第1問
問3の「野中がパリ万国博覧会に関わった理由」については、会話文の「肥前の地の大半は佐賀藩だった」という部分を手掛かりにすればよい。「下線部aの画家が描いた絵画」については、Yがレンブラントの「夜警」なので、これを排除しても判断できる。問5の「下線部cについて述べた文」については、Xを正文と判断するのはやや難しいが、Yが明らかな誤文なので排除できる。
第2問
問2・3・7など、時期や時代で判断させる問題が多かった。問5は、選択肢3以外はBの文章をよく読まないと正誤の判断が難しい。また、問9は、地図上から消えた国についての問であるが、1と4は消えた国についての選択肢ではない。
第3問
問3は、ベンガル分割令、インド・パキスタンの分離独立、バングラデシュ独立の、それぞれの時期についての知識とともに、ベンガル地方におけるイスラーム教徒の居住地の判断が必要である。問5の選択肢「あ」「い」は、バイロンの詩からエルギンの行為の評価を判断させる問題であった。問6は、文化史を含む、波線部の正誤判定であった。
第4問
ほとんどの設問が19世紀以降からの出題であった。グラフを用いた問題が出題された。問2は、スエズ運河が建設された時期の出来事を選ぶ問題であるが、スエズ運河建設の時期以前の出来事を消去することで解答できる。グラフから読み取れる事柄の組合せ問題である問5は、年号による問題であるが、やはり消去法で対応できる。
22年度 | 21年度 | 20年度 | 19年度 | 18年度 |
48.1 | 46.1 | 51.2 | 47.6 | 39.6 |