地学 [分析] 2023年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
マーク数は27であり、昨年よりも3減少した。
第2問、第4問、第5問で設問数およびマーク数が1ずつ減少した。図表を扱った問題は昨年に比べて増加した。
難易度
昨年並み
第1問では、地学の様々な分野における二次元と三次元の図を相互に置き換える、やや難しい考察問題が出題された。しかし、第2問以降は取り組みやすい問題が多く、全体として難易度は昨年と同程度と思われる。
出題分量
大問は5題で昨年と同じであった。マーク数は27で昨年よりも3減少したが、図が増加したため、ページ数は昨年と同程度であった。
出題傾向分析
教科書で扱われている「固体地球の概観」「固体地球の活動」「地球の歴史」「大気と海洋」「宇宙の構成」の5分野のすべてから出題されていた。内容的には昨年と同様に知識問題、 読図問題、計算問題がバランスよく出題された。 出題形式でみると、昨年に比べて計算問題や図選択問題が減少した。
2023年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 総合問題 | 20 | 5 | 二次元と三次元の相互変化 |
2 | 地球 | 18 | 5 | A 固体地球 |
B プレートテクトニクスとマグマの発生 | ||||
3 | 岩石・地質・地史 | 22 | 6 | A マグマの化学組成 |
B 地質と古生物 | ||||
C 人類の進化 | ||||
4 | 大気・海洋 | 18 | 5 | A 地球大気 |
B 海洋表層の大規模な循環 | ||||
5 | 宇宙 | 22 | 6 | A 火星での天体観測 |
B 太陽系と恒星 | ||||
合計 | 100 | 27 |
2022年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 総合問題 | 17 | 5 | 20世紀初頭における地学的な発見 |
2 | 地球 | 20 | 6 | A 地球の構造 |
B 地磁気 | ||||
C 火山 | ||||
3 | 岩石・地質・地史 | 20 | 6 | A 変成岩 |
B 地質調査 | ||||
C 日本列島の土台の形成過程 | ||||
4 | 大気・海洋 | 20 | 6 | A 大気 |
B 海洋 | ||||
5 | 宇宙 | 23 | 7 | A 太陽や天体の動きと時刻 |
B 惑星の観測 | ||||
C 銀河と恒星 | ||||
合計 | 100 | 30 |
設問別分析
第1問
二次元(平面図)と三次元(立体図)の相互変換に関する総合問題であった。問1は、東北地方の震源の深さを示す図から、太平洋プレート上面の断面を推定する考察問題であった。問2は、岩石プレパラートの偏光顕微鏡の2方向のスケッチから鉱物の外形と鉱物名を答える考察問題であった。問3は、模式的な谷地形と地形図上の地層の分布から地層の傾斜と河川の勾配を比較する考察問題であった。問4は、北半球の天気図上の温帯低気圧から、温暖前線と寒冷前線付近の気温分布を推定する考察問題であった。問5は、オリオン座の三つの恒星の見かけの等級と絶対等級から、地球からの距離を推定する考察問題であった。
第2問
Aは固体地球に関する問題であった。問1は、地球表面の高度分布に関する知識問題と考察問題であった。問2は、初期微動継続時間から、震源距離の大小を読み取る考察問題であった。Bはプレートテクトニクスとマグマの発生に関する問題であった。問3は、図中のプレート境界で発生する地震と断層の種類に関する考察問題であった。問4は、火山前線と火山噴出物の量の関係に関する知識問題であった。問5は、中央海嶺と海溝付近におけるマグマの発生のメカニズムに関する知識問題であった。
第3問
Aはマグマの化学組成に関する問題であった。問1は、火成岩に含まれる鉱物に関する知識問題であった。問2は、結晶分化作用に関する知識問題であった。Bは地質と古生物に関する問題であった。問3は、地層の形成順序と産出する示準化石に関する考察問題であった。問4は、露頭に見られる褶曲と断層に関する考察問題であった。Cは人類の進化に関する問題であった。問5は、人類の進化に関する知識問題であった。問6は、地球史上の出来事に関する知識問題であった。
第4問
Aは地球大気に関する問題であった。問1は、大気圏の構造に関する知識問題であった。問2は、北極域上空のオゾン層の破壊に関する考察問題であった。図から−78℃以下になったかどうかを判断して考えれば解答できたであろう。Bは海洋表層の大規模な循環に関する問題であった。問3は、地衡流に関する知識問題であった。問4は、海水の密度分布に関してアイソスタシーの考え方を用いる考察問題であった。山脈部分は地殻が厚いことと関連付けて考えればよい。問5は、西岸強化に関する知識問題であった。
第5問
Aは火星での天体観測に関する問題であった。問1は、火星から観測した木星の会合周期を計算する考察問題であった。問2は、火星から見たときの地球の最大離角を考察する計算問題であった。問3は、火星から観測した恒星の年周視差と年周光行差に関する考察問題であった。Bは太陽系と恒星に関する問題であった。問4は、太陽の活動に関する知識問題であった。問5は、地球や天体の運動に関する知識問題であった。問6は、星団の観測結果とHR図に関する考察問題であった。
22年度 | 21年度 | 20年度 | 19年度 | 18年度 |
52.7 | 46.7 | 39.5 | 46.3 | 48.6 |