生物基礎 [分析] 2023年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
平易な知識問題がほとんどなく、設問文や与えられた図表に基づいて正解を導き出す問題が多く出題された。
第1問では、問3でヒトの体細胞における複製開始点の数を求める計算問題が出題された。第2問では、問1で三つの結論を得るために比較した試験管の組合せを選ぶ問題、問2で胆汁のはたらきについての仮説検証実験に関する問題が出題された。Bでは5年連続して免疫の内容が出題された。第3問では、問5で緑葉の量を表す指標Nの二つのバイオームにおける季節変動のグラフを選ぶ問題が出題された。
難易度
昨年並み
昨年と同様に、設問文や与えられた図表に基づいて正解を導き出す問題が多く出題され、計算を要する問題も1問出題された。また、知識問題ではやや詳細な知識が必要とされ、設問文から問題を解くために必要な情報を読み取る力が求められた。
出題分量
教科書の3分野から大問が1題ずつ出題された。設問数は昨年より1減少して15、マーク数は昨年より1増加して18であった。
出題傾向分析
昨年同様、生物と遺伝子、生物の体内環境の維持、生物の多様性と生態系の3分野からバランスよく出題され、各大問がA・B分けされていたが、今年は第2問A、第3問Aでは分野横断型問題が出題された。昨年に続いて、図表に基づいて考察する問題が多く、計算を要する問題も1問出題された。第2問の問2は、昨年の第1問の問6と同様の「仮説を検証するための実験」に関する問題、第2問Aでは、会話文に基づく問題が出題された。
2023年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 生物と遺伝子 | 16 | 2 | A 細胞、共生に伴う代謝の変化 |
3 | B 細胞周期 | |||
2 | 生物の体内環境の維持 | 17 | 4 | A リパーゼと胆汁のはたらき |
3 | B 免疫 | |||
3 | 生物の多様性と生態系 | 17 | 3 | A 水槽内の生態系 |
3 | B 世界のバイオーム | |||
合計 | 50 | 18 |
2022年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 生物と遺伝子 | 19 | 3 | A 酵素・ATP |
3 | B DNAの抽出 | |||
2 | 生物の体内環境の維持 | 16 | 3 | A 血液による酸素の運搬 |
3 | B 免疫 | |||
3 | 生物の多様性と生態系 | 15 | 3 | A 日本のバイオーム・食物連鎖 |
2 | B 窒素の循環 | |||
合計 | 50 | 17 |
設問別分析
第1問
Aの問2は、藻類と動物細胞の間で起こる栄養分のやり取りに着目して、それぞれの細胞における共生に伴う遺伝子発現の変化を考察する問題であった。Bの問3は、体細胞の核には精子の核に含まれるDNAの2倍量が含まれることに注意して、複製が開始される場所(複製開始点)の数を計算する問題であった。
第2問
Aは酵素と肝臓を扱った分野横断型の問題であり、酵素リパーゼの働きと脂肪の乳化に関する考察問題であった。問1は結論を得るために比較する実験(試験管)を選ぶ問題で、問2は会話文から「乳化」の意味を理解し、油が水に浮くことから正しい実験操作を選ぶ考察問題。Bの問3・4は免疫に関するやや詳細な知識を必要とする問題であった。
第3問
Aの問3は、水槽内の生態系から窒素(N)を除くことができる操作と、水槽内の生態系における窒素の移動を示す操作を区別する考察問題であった。Bの問5では、人工衛星を利用したリモートセンシング技術により、植生の様子を推定する技術が扱われた。
22年度 | 21年度 | 20年度 | 19年度 | 18年度 |
23.9 | 29.2 | 32.1 | 31.0 | 35.6 |