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化学基礎 [分析] 2023年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

基本的な理解を試す問題と思考力を要する問題が,バランスよく出題された。

化学基礎の教科書で扱われていない実験に関する資料やデータを読み取って判断する問題も出題されている。

難易度

やや易化

第2問は昨年に引き続き難しいが、第1問は解答しやすい問題が昨年より多いため、全体としてはやや易しくなった。

出題分量

大問数は、昨年と同じ2題である。マーク数は昨年より5増えたが、小問数は1増えただけであり、全体としての分量は昨年度とほぼ同じであった。

出題傾向分析

第1問は小問集合形式の問題、第2問は初見の内容も含んだ総合的な問題であり、この出題形式は、昨年、一昨年と同じであった。
第1問では、教科書の全範囲からまんべんなく出題され、基礎的な内容の理解が試された。第2問は、しょうゆに含まれる塩化ナトリウムの量を分析する実験の内容であり、与えられた資料やデータを読み取り、既習の知識を活用しながら判断して答えを導く力が試された。

2023年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成、物質の変化 30 9 原子、分子の極性、ハロゲン、物質の状態、分子、化学量、アルミニウム、イオン化傾向、中和滴定
2 物質の変化 20 11 しょうゆに含まれる塩化ナトリウムの定量実験(沈殿滴定)
合計 50 20  

2022年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成、物質の変化 30 10 オキソニウムイオン、貴ガス、同位体、洗剤、酸・塩基、中和滴定、酸化防止剤、化学量、電池
2 物質の構成、物質の変化 20 5 エタノールの性質、状態変化、溶液の濃度
合計 50 15  

設問別分析

第1問

原子、分子、物質の三態と状態変化、物質量、酸と塩基、酸化還元、金属とその反応に関して、昨年と同様の小問集合形式で出題された。出題範囲は教科書の全範囲にわたっている。
問1は、ナトリウム原子に含まれる中性子の数を求める問題であった。
問2は、無極性分子を選ぶ問題であった。
問3は、ハロゲンに関して、価電子の数、イオン化エネルギーの大小関係、塩化水素分子中の結合の極性、ヨウ素の酸化剤としてのはたらきについての知識を確認する問題であった。
問4は、分子からなる純物質の固体を大気圧下で加熱したときの加熱時間と温度の関係を表すグラフをもとに、物質の三態と状態変化に関する理解を確認する問題であった。
問5は、二酸化炭素とメタンの分子の構造、原子間の結合、密度に関する問題であった。
問6は、混合気体(ヘリウムと窒素)に含まれる成分気体の物質量の割合を求める計算問題であった。
問7は、アルミニウムに関して、合金、リサイクル、酸化数、不動態に関する知識を確認する問題であった。
問8は、金属イオンと金属単体の反応が起こるかどうかを、金属のイオン化傾向をもとに判断する問題であった。
問9は、中和滴定に関する計算問題で、水を加えてもはかり取った酸の物質量は変化しないことに注意する必要がある。

第2問

しょうゆに含まれる塩化ナトリウムを定量する実験(沈殿滴定)を題材とし、イオン反応式、実験器具と操作、滴定結果の考察、濃度の計算などが出題された。
問1は、クロム酸イオンから二クロム酸イオンへの変化について、イオン反応式の係数の決定および酸化数が問われた。
問2は、実験器具の図からビュレットを選ぶもので、基本的な知識問題である。
問3は、滴定の操作およびその結果に関する考察問題で、問題文中の「文献の記述」から、この滴定の原理を読み解く思考力が求められた。
問4は、硝酸銀水溶液の滴下量と沈殿した塩化銀の質量の関係を示したグラフを選ぶ問題で、問3と同様に「文献の記述」の内容が理解できたかがポイントになる。
問5は、滴定の結果から、しょうゆに含まれる塩化物イオンのモル濃度および塩化ナトリウムの質量を計算する問題で、希釈操作による濃度変化に注意する必要がある。

過去の平均点の推移

22年度 21年度 20年度 19年度 18年度
27.7 24.7 28.2 31.2 30.4