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数学II・数学B [分析] 2023年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

「数学的な問題発見・解決の過程を問う問題」が多く出題された。

第2問[2]や第4問は、日常生活の話題を数学の問題として解き、得られた結果を考察する問題(数学的な問題発見・解決の過程を問う問題)であった。

難易度

易化

読むべき文章量は増加したが、問題の意味が明確であり、昨年に比べて出題者の意図がくみ取りやすかった。さらに計算量が少なくなり、出題者の意図が理解できれば、短時間で解くことができた。

出題分量

問題文の行数は昨年よりやや増加した。選択肢から該当するものを選ぶ問題もやや増加した。
枝問の数は、必答問題が昨年並み、第3問がやや増加し、第4問・第5問がやや減少した。

出題傾向分析

昨年に比べて日常生活を扱う問題の割合が増加し、出題者の誘導の意図を見抜かなければならなかった。
昨年度は第1問で「図形と方程式」の分野の問題が出題されたが、今年度は出題されていない。
第1問の「三角関数」に関しては、学習指導要領の範囲外の、いわゆる「和積の公式、積和の公式」が、公式を提示し、それを利用させる形で出題された。

2023年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]三角関数 30 三角関数の大小関係、不等式、加法定理
[2]指数関数・対数関数 有理数と無理数、背理法
2 [1]微分法 30 3次関数、円錐(えんすい)に内接する円柱の体積
[2]積分法 定積分を用いた桜の開花日の予想
3 確率分布と統計的な推測 20 正規分布、平均(期待値)、標準偏差、二項分布
4 数列 20 複利計算、漸化式、数列の和
5 空間ベクトル 20 内積、垂直
合計 100  

2022年度フレーム

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]図形と方程式、三角関数 30 円と接線、2直線のなす角
[2]指数関数・対数関数 対数関数、対数の大小関係
2 [1]微分法 30 グラフの概形、微分法の方程式への応用
[2]積分法 定積分と面積、3次方程式
3 確率分布と統計的な推測 20 二項分布、正規分布による近似、連続型確率変数
4 数列 20 日常の事象、漸化式
5 平面ベクトル 20 内積計算、点が属する領域
合計 100  

設問別分析

第1問

[1] は三角関数の問題。三角関数の値の大小を2倍角の公式および加法定理を用いて考察する。最後の設問は、(2)の結果をどのように利用するかを考える必要がある。
[2] は対数関数の問題。いろいろな対数の値が有理数であるか無理数であるかを考察する。背理法の証明の空欄補充が出題されたが、難しくはない。
<数学IIの第1問と共通問題>

第2問

[1](1)は文字定数を含む3次関数の極値を求める問題。(2)は円錐(えんすい)に内接する円柱の体積の最大値を求める問題。(1)の結果を利用できる。円柱の高さをxで表せるかどうかがポイント。
[2] (1)は基本的な積分の計算問題。(2)は桜の開花日時を積分法を用いて予想する問題。文章量が多い。誘導に乗ることができれば計算量は減らせる。
<数学IIの第2問と共通問題>

第3問

ピーマンの重さについての問題。(1)は正規分布、平均(期待値)、標準偏差、信頼度90%の信頼区間について問われている。(2)は二項分布を正規分布で近似し、確率を考える。
この分野の様々な概念を教科書で正確に把握し、正規分布表の読み取りも含めて練習をしておこう。

第4問

複利計算による預金の変化を与えられた2つの方針に従って考える問題。1つ目の方針は漸化式を利用する方法であり、漸化式を立式し、誘導に従えば一般項を求めることができる。2つ目の方針は等比数列の和を利用する方法である。
文章は複雑で読みにくく感じた人も多いであろうが、具体例が多く与えられているので、これを参照すれば解きやすくなるように作られている。

第5問

空間ベクトルの問題で、三角錐(さんかくすい)について考える。内積についての考察が多いが、具体的な数値を代入する計算は少なく、誘導はあるものの抽象的な式変形が多い。式の図形的な意味を読み取る力も必要だった。
普段から、内積を含めたベクトルの式の取り扱いの練習とその式の図形的な意味の把握の練習をしっかりしておこう。

過去の平均点の推移

22年度 21年度 20年度 19年度 18年度
43.1 59.9 49.0 53.2 51.1