英語(リーディング) [分析] 2023年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
大問構成、出題のねらいに大きな変化はなく、今年も多様な問題が出題された。第5問では物語文が復活した。
本文のタイプが、第1問Aが料理本から劇の鑑賞の案内に、第2問Aが図書館の案内から靴の広告に、第5問が伝記から物語文にそれぞれ変わった。ただし、出題のねらいには大きな変化はなかった。
難易度
難化
第6問Bの難度がやや高かった。
また、第1問・第2問で、正解を選ぶ際、本文中の複数箇所を確認しなくてはならない設問があり、解答に時間を要したと思われる。
出題分量
問題本文・図・設問・選択肢すべて含めて6116語で、ほぼ昨年並み。本文では第3問が減少し、第5問が増加した。
出題傾向分析
「様々なテクストから概要や要点を把握する力や必要とする情報を読み取る力等を問うことをねらいとする」という、大学入試センターの作成方針に沿って様々なタイプの問題が出題された。またイギリス英語の表現やつづりが今年も本文中に見られた。
2023年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | A読解問題(案内) | 10 | 2 |
B読解問題(ウェブサイト) | 3 | ||
2 | A読解問題(ウェブサイト) | 20 | 5 |
B読解問題(レポート) | 5 | ||
3 | A読解問題(会報) | 15 | 2 |
B読解問題(ブログ) | 6 | ||
4 | 読解問題(複数の記事) | 16 | 6 |
5 | 読解問題(物語文) | 15 | 9 |
6 | A読解問題(記事) | 24 | 5 |
B読解問題(論説文) | 6 | ||
合計 | 100 | 49 |
2022年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | A読解問題(料理の本) | 10 | 2 |
B読解問題(ウェブサイト) | 3 | ||
2 | A読解問題(図書館の案内) | 20 | 5 |
B読解問題(学校新聞) | 5 | ||
3 | A読解問題(ブログ) | 15 | 2 |
B読解問題(雑誌記事) | 6 | ||
4 | 読解問題(ブログ) | 16 | 6 |
5 | 読解問題(伝記) | 15 | 9 |
6 | A読解問題(論説文) | 24 | 5 |
B読解問題(論説文とポスター) | 5 | ||
合計 | 100 | 48 |
設問別分析
第1問
Aは,2つの問いに答える問題で,昨年のブラジルの果物の紹介から,劇場で上演される芝居についての案内に変わった。2つの劇場の芝居について,開演時間など詳細な情報を把握することがポイント。問2は,どちらの劇場にも共通して当てはまる選択肢を選ぶことが大切。 Bは,「夏の英語特訓キャンプ」に関するウェブサイトを読んで3つの問いに答える問 題。問1と問2は,ウェブサイト内の複数の箇所から判断する必要のある問題であっ た。
第2問
Aは,コメント付きの靴の広告に関して,5つの問いに答える問題。昨年は「事実」を問う問題が出題されたが,今年は「意見」を問う問題が出題された。問2で指示文の読み取りを前提とした問いが出題された。 Bは,登下校中の時間の使い方を工夫することについてのレポートに関して,5つの問いに答える問題。昨年はなかった「事実」を問う問題が出題された。問2では簡単な計算が必要であった。問3では複数の情報を確認する必要があり,解答に時間がかかったかもしれない。
第3問
Aは,大学のキャンピングクラブのニュースレターを読んで,2つの問いに答える問題。昨年は問題を解くのにイラストは関係がなかったが,今年は問1の選択肢がイラスト風になっており,新傾向の問題である。 Bは,文化祭で筆者の所属するクラブが催す出し物の参考になるブログを読み,3つの問いに答える問題。昨年と同様,出来事の起こった順序を答える問題が出題された。
第4問
授業での討論の題材として,効果的な学習法に関する2つの記事を読み,5つの問いに答える問題。昨年は2つのブログ内の表に記された数字を比較する問題だったが,今年は片方の記事内の数字を計算する問題が出題された。各々の記事の筆者の考えに関する問題,1人の挙げた学習法の欠点を補う方法に関する問題(空所2箇所),両者の意見が一致している点に関する問題,記事の最後に追加すべき内容を推測する問題が出題された。
第5問
昨年の伝記から物語文に本文のタイプが変わった。「部活動の経験と兄との会話を通して学んだ教訓」に関する物語を読んで,ノートの空所を埋める問題。問5は,話の内容から含意されてはいるが,直接述べられていない教訓の読み取りが必要となる。なお,このように本文内で直接述べられていない内容の読み取りを問う設問はセンター試験でも出題されていた。
第6問
Aは,「人が物を収集したがる理由」に関する記事で,ディスカッションのためのメモに 設けられた5か所の空所を埋めて完成させる問題。メモは,導入・事実・収集する理 由・収集の未来に関するものとなっている。 Bは,「tardigrade(クマムシ)の生態」に関する論説文を読み,プレゼンテーションの ためのスライドに設けられた5か所の空所を埋めて完成させる問題。全体的に内容が 専門的で,やや難度が高い。スライドの順序が本文と異なっているため,解答するのに手間取った受験者もいるかもしれない。
22年度 | 21年度 | 20年度 | 19年度 | 18年度 |
61.8 | 58.8 | 116.3 | 123.3 | 123.8 |
- ※2020 年度までの平均点は 200 点満点、2021 年度以降の平均点は 100 点満点で掲載しています。