歴史総合, 世界史探究 2026年度 大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
歴史総合で日本史からの出題が増加した。世界史探究では前近代史と近現代史の比率がほぼ同じであったため、全体としては近現代史が多かった。
第1問の歴史総合では、昨年は日本史のみの小問がなかったが、今年は2問出題されるなど、日本史からの出題が増加した。
難易度
やや難化
歴史総合は、昨年みられなかった、すべての選択肢が日本史分野で構成される小問が2問出題されたことなどから、少し難しいと感じた受験生が多かっただろう。また、歴史総合・世界史探究ともに読み取るべき会話文・史料文などが非常に増加していること、昨年より細かめの内容が増えているため、やや難化したと考えられる。
出題分量
大問5題、小問32問で昨年と変わらず、ページ数は昨年の34ページから2ページ増えただけだが、1ページあたりの行数が増えており、上記の通り、読み取るべき会話文・史料文が非常に増加したため、出題分量は増加している。
出題傾向分析
第1問が歴史総合、第2〜5問が世界史探究であることは昨年と同様である。大問すべてが歴史総合や世界史探究の授業場面など、生徒の主体的な探究をテーマとしており、そのすべてで資料(史料文・図版・グラフ・地図)の読み取りが求められ、マンガ『ベルサイユのばら』の一コマを読み取る問題もあった。資料や会話文などから必要な情報を正確に読み取り、習得した知識と組み合わせながら総合的に判断する問題が大半であった。
【歴史総合】
小問は8問で、大衆化・グローバル化の問題よりも近代化の問題が多く、また日本史よりも世界史からの出題が多かったことは、昨年と同様である。しかし、昨年みられなかった、すべての選択肢が日本史分野で構成される小問が2問あった。
【世界史探究】
地域については、欧米史がアジア・アフリカ史よりやや多く、欧米史では古代ローマに関する出題が目立ち、アジア・アフリカ史ではアフリカ分割に関する出題が2カ所みられた。一方、古代オリエント史・古代ギリシア史やオセアニア史からの出題はなかった。分野については、政治史・社会経済史が多く、特に社会経済史が大きく増加していた。文化史の割合は昨年並みであった。時代については、前近代史と近現代史の比率はほぼ同じで、近現代史から出題されている歴史総合を合わせると、近現代史の比率が高かった(昨年は前近代史が多く、歴史総合を合わせると前近代史と近現代史の比率はほぼ同じだった)。ただし、第二次世界大戦後からの出題は、昨年並みで少なかった。
2026年度フレーム(大問構成)
| 大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 近現代における都市の変容(歴史総合) | 25 | 8 |
| 2 | 世界史上における様々な法のあり方とその運用(世界史探究) | 21 | 7 |
| 3 | 歴史に触れるきっかけや歴史を伝える手段(世界史探究) | 18 | 6 |
| 4 | 歴史上に見られた様々な「帝国」のあり方(世界史探究) | 18 | 6 |
| 5 | 税制度と社会変容(世界史探究) | 18 | 5 |
| 6 | |||
| 7 | |||
| 8 | |||
| 9 | |||
| 10 | |||
| 11 | |||
| 12 | |||
| 13 | |||
| 14 | |||
| 15 | |||
| 合計 | 100 | 32 | |
2025年度フレーム
| 大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 装いの歴史(歴史総合) | 25 | 8 |
| 2 | 世界史上の都市の歴史(世界史探究) | 20 | 7 |
| 3 | 資料の持つ文脈や背景の理解(世界史探究) | 21 | 7 |
| 4 | 大陸を越えた諸地域の結び付き(世界史探究) | 16 | 5 |
| 5 | 特定の主題についての班別学習(世界史探究) | 18 | 5 |
| 6 | |||
| 7 | |||
| 8 | |||
| 9 | |||
| 10 | |||
| 11 | |||
| 12 | |||
| 13 | |||
| 14 | |||
| 15 | |||
| 合計 | 100 | 32 | |
設問別分析
第1問
歴史総合の授業で近現代における都市の変容をテーマに班別学習をする形式で、Aでは近現代の大都市としてパリと東京を、Bでは植民地化されたアジアの都市としてサイゴン・京城(現ソウル)・香港を、それぞれ扱っている。問3で、パネルの文章中に引かれた下線部の正誤を判定させるのは、過去のセンター試験・共通テストの日本史の問題にはみられた形式だが、世界史ではこれまでみられなかった形式であった。下線部1で扱われた江戸時代の海運について述べた南海路や東廻り航路は教科書の本文中にはなく、地図にしか記されていないため、下線部4の文化住宅の時期も含めて世界史中心に学習した受験生には難しかっただろう。問4も「列島改造」を掲げた内閣を田中角栄内閣と判断させるなど、日本史の知識のみで解答する問題。円グラフを使用した問8は、それぞれの都市に関する会話文・パネル・ノートから住民構成を読み取って判断する問題。<歴史総合の第2問と共通>
第2問
世界史探究の授業で、世界史上における様々な法のあり方とその運用をテーマに班別学習をする形式で、Aは中国唐代の法を、Bは中世ヨーロッパの慣習法を、Cはイスラーム世界の法を、それぞれ複数の資料を用いて多面的に考察させる問題。問1.資料1の内容が刑法にあたると読み取れるので、空欄アには「い」の律が入る。律と令がそれぞれ何を指すのか理解しておくことが必要であった。Y.資料1と資料2の読み比べからだけでなく、会話文の最後の、甲の釈明について「白居易は、正当な理由とは認めなかったんですね」からも判断できる。問3.X.図版から重量有輪犂と三圃制の導入を読み取る。Yは19世紀に描かれたミレーの「落ち穂拾い」であるが、掲載されていない教科書もある。問5.空欄ウ・エは地図を手がかりに確定する必要がある。エチオピアの西方がスーダンであることに気がつけば、cがイギリスであることは判断しやすくなるだろう。bについては地図の地域に選択肢中のイタリア・ドイツのいずれが植民地を有していたかという知識はやや細かい。問6.メモ2.資料5の「アッラーに対して証言」、資料6の「証言者としてはアッラーで十分」やパネル中の「カーディー(イスラーム法に基づいて裁定を下す裁判官)が司っていた法廷」などから、イスラーム法すなわちシャリーアが基準になっていると判断する。
第3問
世界史探究の授業で、歴史に触れるきっかけや、歴史を伝える手段について生徒たちが考える形式で、Aはマンガを、Bは文字・文章・絵画・風刺画を、Cは記念碑や彫像をテーマとした出題。問1.フランス革命に関連する出来事を時系列に沿って配列する問題で、マンガ『ベルサイユのばら』の一コマで、主人公の一人であるオスカルが「バスティーユへ!!」と民衆を鼓舞する場面から、図1は国民議会時代のバスティーユ牢獄襲撃の時期であると判断する。Iは国民公会の時代、IIはフランス革命勃発前の時代である。問2.オランプ=ド=グージュが人権宣言では男性の権利のみが規定されており、女性の権利が規定されていないとして、『女性の権利宣言』を著したことや、ナポレオン法典が家父長権を肯定するという内容を含んでいることは、歴史総合のほか世界史探究の多くの教科書で言及されている。問3.『集史』はモンゴル人がイランに建てたイル=ハン国時代に編纂された歴史書であるが、モンゴル語ではなくペルシア語で著されている。問5.い「1931年から1933年までに、総人口が100万人以上減少した」背景X・Yのうち、Yの世界恐慌期は1931年から1933年の時期的には該当するが、ソ連が世界恐慌の影響をほぼ受けなかったことを想起して、誤文と判断する。問6.メモ2.パネルの「二人の女性兵士は、レニングラードを防衛する戦いのなかで、1943年と1944年に戦死した」から、二人の女性兵士が戦死した時期が第二次世界大戦中の独ソ戦開始後と判断する。
第4問
世界史探究の授業で、歴史上にみられた様々な「帝国」のあり方について、生徒たちが探究する形式で、Aは古代ローマにおける帝国の形成、Bはムガル帝国の宗教・思想面における政策、Cは「太陽の沈まぬ帝国」スペインの衰退とアメリカ合衆国の帝国主義をテーマとした問題。問1.資料1がカエサルの時代における「インペリウム(帝国)」について言及していることから、ローマは共和政期において「帝国」と呼べる存在であったと判断する。問2.先生の会話から、ローマ帝国が東西分裂した後もローマ帝国を継承する「帝国」と認識されていたことを読み取り、図IIがユスティニアヌス1世(大帝)時代の東ローマ(ビザンツ)帝国領を示していると判断して、五賢帝時代に書かれた資料2および、エジプトや地中海東岸・ガリアなどを領有していないポエニ戦争終結頃の共和政期に該当する図Iとの時系列を確定させる。問4.会話文中のウパニシャッド哲学が、選択肢「い」の「ブラフマンとアートマンとの同一性を悟ろうとする古代インド思想」に該当する。問5.資料4の内容から「北のアメリカ」がアメリカ合衆国を指していることを読み取り、「我らのアメリカ」にアメリカ合衆国が含まれないと判断する。問6.メモ3は、アクバルの政策が中央集権体制をめざすものであったことから誤文となる。
第5問
生徒が特定の主題について学習するという設定は、試作問題や昨年の本試験と同様であったものの、今年は主題そのものが大問の冒頭に明示されており、主題そのものを設問内で判断させる形式から変更された。とはいえ、例示された探究活動と大問中に登場した探究手法を比較させる問5の形式は、試作問題を踏襲しているといえる。問1~問4は、生徒が提示した資料から読み取れる内容と世界史の知識を組み合わせて各選択肢の正誤を判定する。問1.明清代の納税に関わる経費に苦しむ農民と、経費に苦しむことがなかった有力者という対比を読み取る。問2.空欄アにはティマール制の内容があてはまる。問3.リストの主張は、資料2の最後の「ドイツ以外の諸国民がヨーロッパで通商の自由原則を承認するまで、彼らに対して共通の関税を設定すること」を読み取る。問4.資料3は、関税と貿易に関する一般協定(ガット<GATT>)である。問5.1班・2班の事例と資料5がいずれも「納税や徴税の具体的な仕組み」に関するものであることを読み取りたい。
第6問
第7問
第8問
第9問
第10問
過去の平均点の推移
| 2025年度 | 66.12 |
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