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倫理,政治・経済 [分析] 2022年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

全設問が単独科目「倫理」「政治・経済」との共通問題。マーク数が昨年より1減。

全体のマーク数が昨年よりも一つ減ったが、大問数は昨年と変わっていない。配点・設問数は倫理分野と政治・経済分野から半分ずつとなっていた。すべての設問が「倫理」「政治・経済」から流用されている。

難易度

昨年並み

受験生が見落としがちな事柄を問う設問や判断に時間がかかる設問も見られたが、全体の難易度は昨年並みである。

出題分量

大問数・設問数はいずれも昨年並み。倫理分野と政治・経済分野のバランスも昨年と同様。

出題傾向分析

倫理分野、政治・経済分野ともに、概ね教科書の範囲内の知識で対応できる設問で構成されている。倫理分野については、昨年に続き、資料文や会話文、高校生が作成したレポートやメモが多く使用されており、受験生が見落としがちな事柄を問うなど、難易度が高い設問もいくつか見られた。会話文の内容を踏まえて解答する設問が出題されたが、これについては昨年と同様。図版(写真・図)の数は昨年よりも減少した。政治・経済分野については、ある考え方を示した上で、その考え方を具体例に当てはめて考えさせる設問など、思考力・判断力を試す設問がバランスよく出題された。昨年見られた、判例文や専門書からの引用文を用いた設問や、フローチャートの空欄補充型の設問は出題されなかったが、センター試験の時代にしばしば出題されていた出来事の順番を考えさせる設問が出題された。

2022年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 源流思想 12 4
2 日本の思想 12 4
3 西洋の近現代思想 12 4
4 現代社会の諸課題と青年期 14 4
5 政治・経済総合 19 6
6 経済主体の関係 19 6
7 地方自治の現状・課題と企業の役割 12 4
合計 100 32

2021年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 源流思想 12 4
2 日本の思想 12 4
3 西洋の近現代思想 12 4
4 現代社会の諸課題と青年期 14 4
5 民主主義の原理と日本国憲法 19 6
6 現代の経済 19 6
7 日本の国際貢献 12 5
合計 100 33

設問別分析

第1問

「議論について」というテーマの下に、ギリシア哲学、キリスト教、仏教、古代中国思想、イスラーム教など、東西の源流思想から広く基本的な事項が出題された。問3と問4は、資料文と会話文の両方を読み解く形式であるが、読解力とともに思想に関する正確な理解が要求されている。

第2問

「理想とは何か」について、古代から近代までの日本思想から基本的な事項が幅広く出題された。問3で出題された安部磯雄がキリスト教社会主義者であったことは受験生にはなじみが薄く、やや難しかったと思われる。

第3問

「考えること」について、ルネサンス以降の西洋思想が幅広く取り上げられた。問3のヘーゲルの弁証法については、正確な内容理解が要求されている。

第4問

「未来世代への責任」について、環境倫理、情報社会の課題、青年期の発達課題について出題された。問1の空欄aにラッセルとアインシュタインの核兵器廃絶の主張が入ると判断するためには、問題文の「メモ」と選択肢の丁寧な読解が必要となる。

第5問

まちづくりのための取り組みをテーマとして、日本国憲法の地方自治、政教分離原則の最高裁判例、日本の農業に関する法制度の変遷、民泊の解禁、民泊に関連する法律の内容、日本の立法過程について出題された。問2は具体的な訴訟名だけでなく最高裁判決の内容の理解が、問5では民法や消費者契約法などの民泊に関連する法律の内容の理解が必要である。

第6問

経済主体の関係をテーマとして、企業、機会費用、金融政策、市中銀行のバランスシート、需給曲線、購買力平価説について出題された。問4で出題されているバランスシートは、題意を読みとれないと正解できない。問5は供給曲線の移動を問うているが、問題文を正しく理解して問われている内容を把握する必要がある。問6は購買力平価説についての理解を試しており、同説についての正確な学習が求められている。

第7問

住民による地方政治参加をテーマとして、戦後日本の地方自治をめぐる出来事、地方財政の歳入構成、雇用問題での民間企業の取組みについて出題された。問1は、戦後日本の地方自治をめぐる出来事の時期を押さえることが必要である。

過去の平均点の推移

21年度 20年度 19年度 18年度 17年度
69.3 66.5 64.2 73.1 66.6