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倫理 [分析] 2022年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

昨年より選択肢の行数の合計がかなり増加したが、出題傾向や形式は昨年と同様であり、読解力や標準的な知識を問うものが多かった。

会話文と資料を組み合わせた出題が目立つなど出題形式は昨年と同様だったため、その点では取り組みやすいものであった。しかし、選択肢の行数の合計が全体でおよそ1.5倍に増加したため、より正確な読解力が求められた。

難易度

難化

問われる知識の内容は昨年同様に標準的なものであったが、選択肢の行数の合計が大幅に増加したため、より正確な読み取りが必要となり、難化したと考えられる。

出題分量

大問数は4問、マーク数は33でいずれも昨年と同じ。また、読み取り資料や図画を用いた設問の数もほぼ同じであった。統計資料を用いた資料読解問題も昨年と同様一問出題された。しかし、選択肢の行数の合計が昨年は約200行だったが今年は約300行と大幅に増加した。

出題傾向分析

大問ごとの出題分野については昨年と同様に、第1問が源流思想、第2問が日本思想、第3問が西洋思想、第4問が現代の諸課題・青年期と心理分野からの出題となった。各大問では、昨年と同様、生徒の主体的な学びを重視する実践的な場面が設定された。

2022年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 源流思想 24 8
2 日本思想 24 8
3 西洋思想 24 8
4 現代の諸課題・青年期と心理 28 9
合計 100 33

2021年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 源流思想 24 8
2 日本思想 24 8
3 西洋近現代思想 24 8
4 青年期と心理、現代の諸課題 28 9
合計 100 33

設問別分析

第1問

「議論について」というテーマの下に、ギリシア哲学、キリスト教、仏教、古代中国思想、イスラーム教など、東西の源流思想から広く基本的な事項が出題された。問2の墨子については兼愛・非攻だけでなく、節用についての理解が求められたため、やや難しかったと思われる。

第2問

「理想とは何か」について、古代から近代までの日本思想から基本的な事項が幅広く出題された。問3で出題された明恵が華厳宗の僧侶であったことや、問6で出題された安部磯雄がキリスト教社会主義者であったことは受験生にはなじみが薄く、やや難しかったと思われる。

第3問

「考えること」について、ルネサンス以降の西洋思想が幅広く取り上げられた。問5のヘーゲルの弁証法や問6のヤスパースの限界状況については、正確な内容理解が要求されている。また、問7は2つの会話文と資料を組み合わせた問題で、慎重な読解が求められている。

第4問

「未来世代に対する責任」について、環境倫理、情報社会の課題、青年期の発達課題、青年の意識調査に基づく統計資料問題、現代のヒューマニズムについて出題された。問1の空欄aにラッセルとアインシュタインの核兵器廃絶の主張が入ると判断するためには、問題文の「メモ」と選択肢の丁寧な読解が必要となる。

過去の平均点の推移

21年度 20年度 19年度 18年度 17年度
72.0 65.4 62.3 67.8 54.7