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日本史A [分析] 2022年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

共通テストの特色である思考力・判断力を問う問題が引き続き出題された。

全5題中、4題が会話形式の問題だった。
昨年同様、資料が多く用いられた。

難易度

昨年並み

史料や表・グラフの正確な読み取りを必要とする設問が多く、受験生が苦手とする年代配列問題が増加したものの、全体としては昨年並み。

出題分量

大問数は5題、マーク数は32で、昨年と同じだった。

出題傾向分析

第1問は、昨年(第1日程)と同じく会話文を用いた問題であった。
日本史Bとの共通問題も昨年(第1日程)と同じく2題であった。
時代では、「明治時代」「大正から昭和戦前」が微減し、「戦後」が増加した。
分野では、「政治」が大幅に減少し、「外交」「社会経済」が増加した。
最も古い事項は長崎海軍伝習所、最も新しい事項は小泉純一郎内閣であった。

2022年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 明治時代〜昭和戦後の諸相 22 7
2 日本とハワイとの関係史 12 4
3 明治後期から昭和初期にかけての社会と生活 22 7
4 日本における鉄道の歴史とその役割 22 7
5 昭和期の政党政治と社会 22 7
合計 100 32

2021年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 家系図を用いた近現代の総合問題 22 7
2 景山英子(福田英子)の人物史 12 4
3 近代の外国経験をもつ人物と政治・外交 22 7
4 第二次世界大戦後の民主化政策 22 7
5 近現代の福祉・社会保障 22 7
合計 100 32

設問別分析

第1問

曾祖母の父の遺品などを手がかりとして、その生涯をたどりつつ、明治中期(自由民権運動)〜戦後(高度経済成長・農作物輸入自由化)までを扱う。問3は、史料読解のうえ、下線部の「軍人の身分を隠していた」をヒントにして選択肢の慎重な吟味が必要で難しい。問1・問3・問6・問7など年代の知識が必要な設問が多く、特に問6は「いざなぎ景気」「万国博覧会」「先進国首脳会議」などの正確な年代が問われており、戦後史学習の進度によって差がついただろう。

第2問

ハワイと日本との関係史についての高校生の会話文を素材に、近代の外交を中心に問うている。問2では、史料の慎重な読解が求められている。問1では、海軍伝習所・ヘボンについて詳細な理解が求められ、判断に迷った受験生もいただろう。問3では、IIIの防穀令事件の判断が難しい。<日本史Bの第5問と共通問題>

第3問

Aでは、産業革命〜大戦景気の頃の労働問題や工場労働者・「細民」などを取りあげている。Bでは、都市と農村、および労働争議や小作争議、大衆文化などを取りあげている。問2では史料、問3・問6では統計の読み取りが出題され、単純な知識だけでは対応できず、苦戦しただろう。問7も、用語の知識ではなく社会状況の理解が問われており、難しかっただろう。

第4問

日本における鉄道の歴史とその役割を素材に、近現代の政治・社会経済を問うている。問1では、昨年(第1日程)出題されなかった歴史用語だけの空欄補充問題が出題された。問2・3・6では、史料・表の読解と基本的な知識を組み合わせて正解を導きたい。問5では、図版だけでなく設問文に示された「1945〜55年」にも注目する必要がある。問7では、2000年代の小泉純一郎内閣が扱われたが、「国鉄の民営化」が中曽根康弘内閣の政策と判断できれば正解を導くことができる。<日本史Bの第6問と共通問題>

第5問

Aでは、「憲政の常道」期を中心に、選挙制度や五・一五事件、学問・思想の弾圧などについて問うている。問2のYは、下線部の「労働者や農民たちが支持した無産政党」という記述をヒントに表中から無産政党の名前を判断しなければならず、戸惑った受験生も多かっただろう。Bでは、準戦時期から終戦直後の総選挙と政党の動向などについて問うている。問5は狭いタイムスパンの中での年代配列問題であるが、各事項が第何次内閣の時期なのかが理解できていれば正答できるだろう。

過去の平均点の推移

21年度 20年度 19年度 18年度 17年度
49.6 44.6 50.6 46.2 37.5