生物基礎 [分析] 2022年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
平易な知識問題がほとんどなく、与えられた図表に基づいて正解を導き出す問題が多く出題された。
第1問の問5では、図3に基づいて花芽に含まれるDNA量を求める問題、問6では仮説を支持する実験結果を選ぶ問題が出題された。第2問の問1では、光学式血中酸素飽和度計(パルスオキシメーター)に関する時事的な問題が出題された。第3問の問2では、昆虫による被食が植物の二酸化炭素吸収速度に及ぼす影響について考察する問題が出題された。
難易度
難化
昨年と同様に、与えられた図表に基づいて正解を導き出す問題が多く出題されたが、昨年に比べてそれらの問題の難易度が高かった。また、多くの受験生が苦手とする酸素解離曲線に関する問題が出題された。
出題分量
教科書の3分野から大問が1題ずつ出題された。設問数は昨年と同じく16であったが、マーク数は17で、昨年より1増加した。
出題傾向分析
生物と遺伝子、生物の体内環境の維持、生物の多様性と生態系の3分野からバランスよく出題された。各大問がA・B分けされていた。図表に基づいて考察する問題が多く出題され、計算を必要とする問題も2問出題された。第1問の問6は、昨年(第1日程)の第1問の問6と同様の「仮説を検証するための実験」に関する問題であった。また、第1問Bでは、昨年(第1日程)は出題されなかった会話文に基づく問題が出題された。
2022年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 生物と遺伝子 | 19 | 3 | A 酵素・ATP |
3 | B DNAの抽出 | |||
2 | 生物の体内環境の維持 | 16 | 3 | A 血液による酸素の運搬 |
3 | B 免疫 | |||
3 | 生物の多様性と生態系 | 15 | 3 | A 日本のバイオーム・食物連鎖 |
2 | B 窒素の循環 | |||
合計 | 50 | 17 |
2021年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 生物と遺伝子 | 18 | 3 | A 細胞・代謝 |
3 | B 遺伝情報の発現 | |||
2 | 生物の体内環境の維持 | 16 | 2 | A 体液濃度の調節 |
3 | B 免疫 | |||
3 | 生物の多様性と生態系 | 16 | 3 | A 世界のバイオーム |
2 | B 免疫、生態系のバランス | |||
合計 | 50 | 16 |
設問別分析
第1問
問3は、ATP量から細菌数を推定する実験において前提となる条件を考察する問題であり、過去のセンター試験や共通テストでは出題されたことのない形式の問題であった。問4は、会話文と細胞の写真をもとに、花芽のほうがDNAの抽出に適した材料である理由を考察する問題であった。問5は、グラフを読み取り、実験で抽出したDNA量を推定する計算問題、問6は、DNAを抽出する際にRNAも同時に抽出されるという仮説を支持する実験結果を選ぶ問題であった。
第2問
問1は、図2のグラフから光学式血中酸素飽和度計(パルスオキシメーター)を用いた測定に関する考察問題で、選択肢の内容を解釈するのが難しい。共通テストの「日常生活や社会との関連を考慮し、科学的な事物・現象に関する基本的な概念や原理・法則などを理解する」という作成方針に沿ったものであった。問2は、酸素解離曲線から動脈血中の酸素濃度を読み取り、酸素ヘモグロビンのうち組織で酸素を解離した割合を求める計算問題であった。
第3問
問2は、陽葉と陰葉の二酸化炭素吸収速度のグラフを区別し、幼虫が陽葉よりも陰葉から食い始めるという記述をもとにして、食われた葉の面積と二酸化炭素吸収速度の関係を考える考察問題であった。問4は、下水処理過程の順序を答える問題で、窒素の循環に関する知識を応用して考える必要があった。
21年度 | 20年度 | 19年度 | 18年度 | 17年度 |
29.2 | 32.1 | 31.0 | 35.6 | 39.5 |