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物理基礎 [分析] 2022年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

1つの大問で、熱・力学・電気分野を扱う総合問題が初めて出題された。
第1問の小問集合は、力学3問、波1問であった。

1つの大問で3つの分野が含まれる問題は初めての出題であった。それにより、大問で力学のみの出題がなくなったため、第1問の小問集合では、力学の割合が大きくなった。また、全体を通じて、波は小問集合の1設問のみであった。
昨年の第1日程に引き続き、解答の数値を1桁ずつマークする問題が出題された。
誤差のあるデータの問題はなくなった。
【ズバリ的中】<本試験>第3問 問3,第2問A⇒<河合塾教材>第3回全統記述模試 第2問

難易度

難化

公式を用いるだけなどの単純な設問が減り、状況を正確にとらえ、それに応じてどの式を用いるかを判断する力や、思考力を必要とする設問が増えた。

出題分量

大問数は3で変わらず、設問数は3減少し、マーク数は2減少した。

出題傾向分析

小問集合1題と、A、B分けされた電気1題、熱・力学・電気分野の総合問題1題の、大問3題構成。力学のみの大問がなくなったため、小問集合4問中3問が力学からの出題となった。また、スプーンが純金製であるかどうかを判断するため、熱、力学、電気分野を総合的に考察する新傾向の問題が出題された。
基本的な知識問題、数値計算問題、文字計算問題、定性的思考問題がバランスよく出題された。
昨年の第1日程に引き続き、解答の数値を直接マークする設問が出題された。

2022年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 小問集合 16 4 力学・波の基本問題
2 電気とエネルギー 16 5 A 電熱線による水の温度上昇の実験
B 電力と電力量
3 熱・力学・電気 18 8 スプーンが純金製か否かを判定する3通りの実験による考察
合計 50 17  

2021年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 小問集合 16 6 各分野の基本問題
2 様々な物理現象とエネルギーの利用 18 6 A 波の性質
B 変圧器
3 物体の運動とエネルギー 16 7 台車の加速度運動を調べる実験
合計 50 19  

設問別分析

第1問

力学、波分野からの小問集合。いずれも基本知識で解くことができるが、計算問題だけではなく、グラフの見方などにも慣れておく必要がある。問1は一直線上の相対運動についての基本問題。問2はおもりにはたらく糸の張力の時間変化のグラフから、おもりの運動状態を判断する問題。はじめは、おもりが静止状態であることに注意したい。問3は鉛直上向きに投射された小球の運動エネルギーと位置エネルギーの高度変化を示すグラフを選ぶ問題。位置エネルギーの変化が直線になることと、力学的エネルギーが保存されていることに気づけば正解が得られる。問4は縦波の伝わる速さと媒質の変位についての問題。基本的な内容であるが、横波表示された波形のイメージができないと難しく感じるだろう。

第2問

A 異なる2本の電熱線を直列接続、並列接続し、それぞれの接続において水の温度上昇の違いから各物理量の大小を判断する問題。
直列接続は電流が等しく、並列接続は電圧が等しいことから考察すると、正答できる。
B 内部に電熱線とモーターが並列接続されたドライヤーで、消費される電力を考える問題。
電熱線とモーターの各消費電力の和とドライヤー全体で消費されている電力は等しい。電熱線で消費される電力量は、公式を用いて計算する。昨年の第1日程に引き続き、数値を直接マークする問題が出題された。

第3問

演劇部の公演における会話を通して、純金製のスプーンAに対し、スプーンBに銀が混ぜられているか否かを、3つの実験によって考察する問題。
問1は熱、問2は力学、問3は電気分野における設問であり、1つの大問の中に3分野が出題されるのは、今回が初めてである。
問1は、両スプーンの温度変化の違いに注目し、比熱の大小を判断する。両スプーンの温度差を大きくするための方法はやや難しく感じられるだろう。
問2は、滑車を用いて、重力や浮力の違いから考察する。問3は、電流の流れ方の違いから考察する。問2、3については、比較的考えやすかったと思われる。

過去の平均点の推移

21年度 20年度 19年度 18年度 17年度
37.6 33.3 30.6 31.3 29.7