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国語 [分析] 2022年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

形式的には変化があるが、内容的には昨年の共通テスト(第1日程)をほぼ踏襲した問題であった。

<現代文>第1問では、「食べる」ことについて論じた二つの文章が出題された。昨年の第1日程では本文と同じ本の別の箇所が設問で補足的に取りあげられていたが、今年は、【文章I】【文章II】という形で、異なる筆者の二つの文章が取りあげられている。第2問は昨年同様、小説の問題。語句の意味を問う問題の出題がなくなった。また、本文中の単語を辞書の記述や俳句と結びつけるという新傾向の問題が出題された。
<古文>センター試験や昨年の共通テストでは正解を1つ選ぶ場合、選択肢が5つであったが、今回問4の選択肢は4つであった。さらに、この問4が共通テストの方針に沿ったもので、内容読解に関わる設問の5問中3問を占めるなど、共通テスト色が強くあらわれた問題であった。
<漢文>漢文の基礎的な知識を問う問題が多かった。

難易度

やや難化

<現代文>第1問は、「食べる」ことという身近な問題が論じられており、二つの文章はいずれも一見読みやすそうだが、その論旨をつかむのは必ずしも容易ではない。第2問は、今までと異なる形式の設問が多く、解きにくかったと思われる。
<古文>本文の難度は、昨年と同じ程度であったが、設問・選択肢については、昨年ほど選択肢に紛らわしいものはなかった。しかし、問4が昨年の共通テスト第1・2日程には見られない傾向だったので、全体の難易度は昨年並みと思われる。
<漢文>昨年と同じく詩と散文が提示されて、文章量が増加したものの、漢文の基礎知識を踏まえれば正解できる問題が増えた。

出題分量

<現代文>第1問は、二つの文章をあわせて3500字程度であり、昨年の第1日程の本文と【ノート3】で取りあげられた文章をあわせた3900字程度と比較してやや減少。第2問は、本文分量が約3200字で昨年より減少している。
<古文>昨年は944字であったが、今回は1148字で204字増えた。
<漢文>【序文】149字、【詩】56字、合計205字であり、昨年から29字増加。設問数は7であり、昨年と比べて一つ増えた。マーク数は9であり、昨年と比べて増減なし。

出題傾向分析

<現代文> 第1問は、センター試験と同様に、基礎的な読解力を問う問題が出題された。問1(ii)と、問6は新傾向の問題である。第2問では、語句の意味を問う知識問題が例年出題されていたが、今回はそれが出題されなかった。また、小説中で用いられている単語に注目し、それを辞書の記述や俳句と結びつけるという出題があったが、これは従来見られなかったタイプの問題であり、戸惑った受験生も多かったのではないかと思われる。
<古文>文章Iは鎌倉時代を対象とした歴史物語の『増鏡』、文章IIは、後深草院に親しく仕えた女房である二条による日記『とはずがたり』であった。本文は、後深草院が異母妹の前斎宮に恋慕する場面を描いたもので、文章Iが文章IIを資料にして書かれたことを前提に、その2つの文章の表現や内容の特徴・差異について、歴史物語や日記といった作品のジャンルの違いも含め、考える問題になっている。
<漢文>清の阮元の詩(七言律詩)とその序文が出題され、「庭園に飛来した蝶」が主題であった。問1〜問5は、詩、語句、句法の基礎知識の問題であった。問6と問7は、詩と序文の両方の内容を検討させる問題が設けられ、「複数の題材による問題」「多面的・多角的な視点」という共通テストの出題方針に沿っている。ただし、詩がやや難しいので、序文を正しく読解できるかどうかが高得点の鍵である。

2022年度フレーム(大問構成)

大問 分野 問数 マーク数 出典
1 論理的文章 6 11 文章I 檜垣立哉『食べることの哲学』
文章II 藤原辰史『食べるとはどういうことか』
2 文学的文章 5 8 黒井千次「庭の男」
3 古文 4 8 文章I 『増鏡』
文章II 『とはずがたり』
4 漢文 7 9 阮元『●(「研」の下に「手」)経室集』
合計   36  

2021年度フレーム

大問 分野 問数 マーク数 出典
1 論理的文章 5 12 香川雅信『江戸の妖怪革命』
2 文学的文章 6 9 加能作次郎「羽織と時計」
資料 宮島新三郎「師走文壇の一瞥」
3 古文 5 8 『栄花物語』
4 漢文 6 9 問題文I 欧陽脩『欧陽文忠公集』
問題文II 『韓非子』
合計   38  

設問別分析

第1問

問1の漢字の設問は、(i)と(ii)に分かれ、(i)は従来どおりの出題、(ii)は傍線部の漢字と異なる意味を持つものを選ぶ、これまでにない設問であった。ただし、漢字の基本的な知識があれば十分に対応できたと思われる。なお、昨年は選択肢が5択から4択になったが、今年も4択であった。問2〜問4は、傍線部の内容について本文に基づいた理解を問う、センター試験と同様の設問である。問5も、センター試験でも出題されていた「表現に関する」説明問題だが、紛らわしい選択肢もあり、受験生は解答を確定するのに迷ったであろう。問6は、二つの文章を読んだ生徒のメモの空欄を補う新傾向の問題。(i)では二つの文章の違いが問われ、(ii)では生徒の考えのまとめが問われている。

第2問

例年、語句の意味を問う知識問題が出題されていたが、今回はそれが出題されなかった。問1は正解を二つ選ぶ問題だが、一つは選びやすいものの、もう一つの選択肢は選びにくかったと思われる。問5は、新傾向といえる問題だが、(i)は出題の意図を汲み取ることが難しかったかもしれない。(ii)は、「私」の「認識の変化や心情」について問うものであるにもかかわらず、最後の場面における「私」の「心情」に言及した選択肢がなく、(i)と同様、受験生にとっては自信をもって正解を選ぶことが難しかったと思われる。

第3問

問1は、短い語句の解釈問題で、どれも基本的な古語や敬語、文法の解釈が問われている。センター試験と昨年の共通テスト第1・2日程でも同様の形式が出題されていた。問2は、語句の表現に関する説明問題で、傍線部についての、主体や登場人物の心情、語句の意味、文法などが問われている。昨年の共通テスト第1・2日程と同じ形式で、センター試験では見られなかった問題である。問3は、登場人物の言動についての説明問題で、センター試験でもよく出題された。問4は、2つの問題文の差異について話し合う生徒の、発言中の3箇所の空欄を補う問題で、それぞれ選択肢が4つであった。今までのセンター試験・共通テストでは1つの正解を選ぶ場合、選択肢は5つであったので、大きな変化と言える。さらに、この設問は共通テストの「異なる種類や分野の文章などを組み合わせた、複数の題材による問題を含めて検討する」、「授業において生徒が学習する場面……を重視する」という方針に沿った出題で、この設問が内容読解に関わる設問の5問中3問という割合を占めていることから、第3問の共通テスト色を強めている。

第4問

庭園に蝶が飛来した出来事について書かれた詩(七言律詩)とその序文であり、昨年の第1日程よりも漢文の基礎知識によって解答できる問題が増加し、取り組み易かった。問1は語の意味の問題であったが、(ア)(イ)は基本的な語い力が問われており、(ウ)は文脈を踏まえて「得」の意味を考える必要があった。問2は返り点の付け方と書き下し文の問題であったが、「有〜者」の表現に注意して文の構造を正しくとらえる必要がある。問3の解釈の問題と問5の読み方の問題は、仮定形、再読文字、疑問詞の用法を踏まえる必要がある。問4は詩の形式と押韻のきまりがポイント。問6と問7は序文と詩を関連させた設問だったが、実質的には序文の内容を把握すれば正解できる。

過去の平均点の推移

21年度 20年度 19年度 18年度 17年度
117.5 119.3 121.6 104.7 107.0