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数学II・数学B [分析] 2022年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

数学的な問題解決の過程が重視された出題が多かった

頻繁に太郎さんと花子さんが登場し、解答者は、2人が問題を解決する過程を追体験することになる。問題の分量が多いので、思考する時間が足りない受験生が少なくないと思われる。

難易度

難化

問題文が長く、ページ数も昨年より5ページ増加した。各大問の最後の設問を解くためには、それまでに行われてきた議論を振り返る必要がある。時間内にすべての問題を解くのは大変だろう。

出題分量

問題文の行数が昨年の約1.4倍となり、ページ数が5ページ増え、全体として増加した。

出題傾向分析

「三角関数」が単独の大問として出題されず、第1問[1]「図形と方程式」の後半で、別の求め方として問われた。昨年は会話形式の問題が1題だけであったが、今年は会話文を含む問題が多かった。また、解答群から正しい答えを選ぶ問題も昨年より増加した。昨年に比べて「数学的な問題解決の過程を重視する」出題が多く、とくに「数列」は(昨年の第2日程に続いて)日常生活を題材として出題された。

2022年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]図形と方程式、三角関数 30 円と接線、2直線のなす角
[2]指数関数・対数関数 対数関数、対数の大小関係
2 [1]微分法 30 グラフの概形、微分法の方程式への応用
[2]積分法 定積分と面積、3次方程式
3 確率分布と統計的な推測 20 二項分布、正規分布による近似、連続型確率変数
4 数列 20 日常の事象、漸化式
5 平面ベクトル 20 内積計算、点が属する領域
合計 100  

2021年度フレーム

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]三角関数 30 三角関数の値、三角関数の合成(正弦、余弦)、三角関数の最大値、加法定理
[2]指数関数・対数関数 相加平均と相乗平均の関係、指数関数の性質、指数方程式
2 微分法・積分法 30 接線、面積、グラフの選択、関数の最大
3 確率分布と統計的な推測 20 平均(期待値)、標準偏差、正規分布による近似、信頼区間
4 数列 20 等差数列、等比数列、漸化式
5 空間ベクトル 20 正五角形、正十二面体、内積計算
合計 100  

設問別分析

第1問

[1] 与えられた円と円外の点について、その点から引いた接線の方程式を2つの方法で求めることにより、円と直線が共有点をもつ条件を考える問題。tan の2倍角の公式を用いる。
[2]2つの対数の大小を、太郎さんの考察の順に従って考える問題。試行調査の結果報告に示された「数学的な問題発見・解決の過程の全過程を問う問題」となっている。最後の設問はやや難しいと思われる。
<数学IIの第1問と共通問題>

第2問

[1] (1)は与えられた3次関数のグラフを選ぶ問題。極値をもたない場合のグラフとなっている。(2)は3次関数のグラフと、x軸と平行な直線が、3個あるいは2個の共有点をもつような条件を考える。(3)は3次方程式の解の個数を、3次関数のグラフを用いて考える。aの値の範囲と実数解の個数の関係を調べる必要がある。
[2]2つの3次関数のグラフの位置関係を考え、それらで囲まれた部分の面積を求める問題。2つの曲線の上下関係を把握し、面積が求まる式を解答群から選ぶ必要がある。最後に3次方程式を解く設問が含まれている。
計算量は昨年の第1日程に比べて増加している。
<数学IIの第2問と共通問題>

第3問

(1)は二項分布における期待値を求める問題。(2)は二項分布を正規分布により近似する問題。ともに標準的な内容である。(3)は連続型確率変数に関する問題。本試験において連続型確率変数に関する出題は2017年以来久しぶりの出題であった。定積分を用いた確率の考え方と与えられた平均(期待値)から確率密度関数を決定する標準的な問題であるが、指数計算がやや煩雑であった。
教科書の内容をしっかり理解することが重要である。

第4問

歩行者と自転車の動きについて数学的に考える問題。設定が複雑である上、文章が長く、計算量も多いので、全体的に分量が多かった。(1)では誘導に従って漸化式を考えていくのだが、直線の方程式を立式し、交点を求める作業が大変であった。この漸化式が立式できないと後半はまったく点数に結びつかないので、丁寧に処理していくことが大切である。漸化式ができたあとは、一般項を求める標準的な問題である。(2)は自転車が歩行者に追いつく回数と追いつく時刻を考える問題。複雑であり、やや難しかった。
数列の計算、漸化式の立式、漸化式の処理など、普段から色々と演習していくことが重要である。

第5問

平面ベクトルの問題。円上の3点を用いて色々な点の位置ベクトルを作り、それらの点の位置を把握する問題。(1)は2つのベクトルが垂直となる条件を考える問題。標準的である。(2)は点が存在する位置を判断する問題。図形の把握がやや難しかった。(3)は会話文からヒントを得て考えていけばよいのだが、誘導に従って図示できたかどうかが重要である。
普段からベクトルを演習する際、与えられた条件と得られるベクトルの式から図形の形状を読み取る練習をしておくことが重要である。

過去の平均点の推移

21年度 20年度 19年度 18年度 17年度
59.9 49.0 53.2 51.1 52.1