数学I・数学A [分析] 2022年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報
日常の事象(測量)を題材とした問題が出題された。また、「図形と計量」と「2次関数」、「2次関数」と「集合と命題」の融合問題が出題された。
日常の事象を題材とする問題は、昨年は、第1日程と第2日程ともに2次関数から出題されたが、今年は図形と計量から出題された。また、単元をまたいだ融合問題の出題は目新しい。
【ズバリ的中】<本試験>第3問⇒<河合塾教材>大学受験科 完成シリーズ 第4回共通テストマスタドリル 第3問
難易度
難化
典型的な問題が少なく、目新しい問題が多かったため、ところどころの設問で戸惑った受験生が多かっただろう。また、解答の方針を立てにくく高度な思考力を要する設問もあり、難易度は高かったと思われる。
出題分量
昨年と比べると、問題の文章量に大きな変化はみられなかった。また、全体的にみると、思考を要する設問が多かったため、時間内にすべてを解答するのは厳しかっただろう。
出題傾向分析
数学Iの分野については、目新しい問題が多く、センター試験を含めても過去問の演習だけでは対応できないようなものであった。一方で、数学Aの分野については、昨年の共通テストと比べると、会話文や証明問題がなくなり、ページ数も減少し、センター試験と同じような形式の問題に戻った印象がある。
2022年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | テーマ |
1 | [1]数と式 | 30 | 展開、式の値、対称式 |
[2]図形と計量 | 測量、正接の値 | ||
[3]図形と計量、2次関数 | 正弦定理、2次関数の最大 | ||
2 | [1]2次関数、集合と命題 | 30 | 2次方程式、共通解、2次関数のグラフと平行移動、必要条件・十分条件 |
[2]データの分析 | ヒストグラム、四分位数、箱ひげ図、散布図、相関係数 | ||
3 | 場合の数と確率 | 20 | プレゼント交換に関する確率、条件付き確率 |
4 | 整数の性質 | 20 | 1次不定方程式の整数解 |
5 | 図形の性質 | 20 | 重心、メネラウスの定理、方べきの定理 |
合計 | 100 |
2021年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | テーマ |
1 | [1]数と式、2次関数 | 30 | 因数分解、2次方程式の解、整数部分、有理数・無理数 |
[2]図形と計量 | 三角比の相互関係、三角形の面積、余弦定理、正弦定理 | ||
2 | [1]2次関数 | 30 | 1次関数、2次関数 |
[2]データの分析 | 箱ひげ図、ヒストグラム、散布図 | ||
3 | 場合の数と確率 | 20 | 反復試行の確率、条件付き確率 |
4 | 整数の性質 | 20 | 1次不定方程式の整数解 |
5 | 図形の性質 | 20 | 角の二等分線、内接円、方べきの定理とその逆 |
合計 | 100 |
設問別分析
第1問
[1]対称式についての計算問題。(1)は基本的な問題である。(2)は本文の誘導に従えばx、yの対称式の計算問題に帰着できる。<数学Iの第1問[1]と共通問題>
[2]地図アプリを題材に、山頂を見上げる角度を考察する問題。図の縮尺を考慮して正接の値を計算する部分は目新しく、戸惑った受験生が多かったと思われる。<数学Iの第2問[1]と共通問題>
[3]三角形とその外接円に関する問題。(1)は基本的な問題である。(2)でABの長さのとり得る値の範囲を求める設問は、図形をよく観察、分析し、直径に着目できたかがポイントであった。<数学Iの第2問[2]と一部共通問題>
第2問
[1]2つの2次方程式の共通解、グラフの平行移動、必要条件と十分条件など、さまざまな要素が含まれており、高い思考力が要求される問題であった。(2)、(3)が(4)を解くためのヒントになっているが気づきにくい。<数学Iの第3問[2]と共通問題>
[2]日本国外の日本語学習者数のデータに関する問題。四分位数、箱ひげ図、ヒストグラム、散布図、相関係数の基本的な知識が身についていれば解きやすい。適当な散布図を選択する問題は、点を細かく見ていく必要がある。<数学Iの第4問と一部共通問題>
第3問
プレゼントの交換の仕方に関する確率の問題。(1)は2人や3人で交換をする場合の確率が問われているが、誘導が丁寧で考えやすかったと思われる。(2)は(1)の結果を利用することに気づけるかがポイントであった。さらに(3)以降は、(2)の考え方を参考にして誘導なしで解かなければならない。
第4問
1次不定方程式の問題。(1)は典型的な問題であり、解ききってほしい。(2)は(3)を解くための誘導になっていたが、計算の方針が立てにくく戸惑った受験生もいただろう。さらに続く(3)は問題文の意味が読み取りにくいうえに、計算も煩雑であり苦戦した受験生が多かっただろう。(4)は(2)、(3)の考え方を参考にして誘導なしで解かなければならず、難しい。
第5問
三角形と線分比に関する問題。昨年に比べると図がかきやすく考えやすいものであったと思われる。(1)は重心の性質とメネラウスの定理を利用することに気づけるかがポイントであったが、最後の設問は上手に式変形をする必要があり、戸惑った受験生もいただろう。(2)は図の設定から、方べきの定理と(1)の結果を利用すればよい。(3)は(1)の考え方を参考にすると方針を立てやすい。
21年度 | 20年度 | 19年度 | 18年度 | 17年度 |
57.7 | 51.9 | 59.7 | 61.9 | 61.1 |