河合塾グループ河合塾
  1. 河合塾
  2. 受験・進学情報
  3. 大学入試解答速報
  4. 大学入学共通テスト速報
  5. 倫理,政治・経済 [分析]

倫理,政治・経済 [分析] 2021年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

多彩な資料や図を活用した、思考力・判断力を問う出題。

マーク数は37から33へと減少したが、資料や図が増加したためページ数は増加。設問はすべて単独科目からの流用。

難易度

倫理分野については、文章資料と会話文の両方を読み比べて解答する必要のある、思考力や読解力が試される問題も出題されているが、難易度に大きな変化は見られない。政治・経済分野については、設問の指示を読み取るのにやや時間がかかると思われるものや、正しい記述の組合せを考えさせるなど、選択肢の構成がやや複雑な設問が見られ、やや難化した。しかし、問われている内容は教科書の知識やその応用で解答を確定できる。

出題分量

大問数は7でセンター試験よりも1増えた(倫理分野の大問数が昨年より1増)。全体のマーク数は昨年の37から33へと減少したが、全体のページ数は昨年の32ページから40ページへと増加している。センター試験のほとんどの設問が1ページ内に収まるものであったのに対し、共通テストでは2ページにまたがる設問が増えており、また、図表・文章・絵・写真といった資料も多用されていることから、全体のページ数が増加した。

出題傾向分析

思考力・判断力を問うという共通テストの問題作成方針を反映した新しい形式の設問と、センター試験と同形式の設問の両方が出題された。知識問題については、その多くが教科書学習で対応できる問題となっている。また、教科書には掲載されていない初見の資料を読み取った上で解答する設問は、センター試験よりも多くなっている。とくに絵・写真を用いた設問は、センター試験においてはきわめて少なかったが、共通テストではその出題が続くことが予想される。平成30年度試行調査「倫理」で出題されていた「正解パターンが複数ある連動型の設問」は出題されず、同「政治・経済」で出題されていた「複数の図表資料の中から、会話文の内容に適した資料を選び取る設問」や「出来事の順番を問う問題」も見られなかった。

2021年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 源流思想 12 4
2 日本の思想 12 4
3 西洋の近現代思想 12 4
4 現代社会の諸課題と青年期 14 4
5 民主主義の原理と日本国憲法 19 6
6 現代の経済 19 6
7 日本の国際貢献 12 5
合計 100 33

2020年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 現代社会の諸課題と青年期 14 5
2 日本の思想・源流思想 18 7
3 西洋の近現代思想・源流思想 18 7
4 「平等」の実現に関する課題 22 8
5 経済成長と地球環境問題 14 5
6 自由民主主義の原理と制度 14 5
合計 100 37

設問別分析

第1問

高校生が「恥」について会話を交わすなど、「学習の過程を意識した問題の場面設定を重視する」という問題作成方針に従い、ギリシア哲学、キリスト教、仏教、古代中国の思想、イスラーム教など、東西の源流思想から広く基本的な事項が出題された。ペテロや董仲舒などやや難しい思想家の知識を問う問題もあったので、教科書のキーワードを暗記するだけではなく、教科書を熟読し内容理解に徹する丁寧な学習が必要である。

第2問

「日本における時間の捉え方と人生観・世界観」について、アクティブラーニングの場面が設定され、「高等学校における『主体的・対話的で深い学び』の実現」という問題作成方針に従い、古代から現代までの日本思想から基本的な事項が幅広く出題された。生徒が作成した「レポート」や「ノート」の空欄補充という形式は平成30年度試行調査「倫理」でも見られたものだが、内容的には従来の知識問題と同じものであった。倫理的主題の文章の内容を正確に読み取るトレーニングをしておく必要がある。

第3問

「良心」をテーマとした本文をもとに、西洋の近現代思想に関する基本事項が幅広く出題された。出題形式も従来のセンター試験と同様のものが多く、全体的には解きやすいものであった。センター試験の過去問を数年分でよいからじっくり解いておくことは、今後も得点力の向上に役立つであろう。

第4問

「歴史」をテーマに二人の高校生が交わした会話をもとに、青年期や現代社会の諸課題に関する基本事項が幅広く出題された。会話文と資料文を組み合わせた読解問題は「原典資料等、多様な資料を手掛かりとして様々な立場から考察する」という問題作成方針に従って作問されている。従来のセンター試験や平成30年度試行調査「倫理」には見られなかったものであり、やや取り組みにくいと感じた受験生が多かったかもしれないが、標準的な読解力があれば解ける問題であった。現代社会の諸課題について広く関心をもつことが必要である。

第5問

法と統治機構をテーマとして、公法と私法、契約と法、教育と法、近年の国内政治の動向、政治体制の類型化、二院制をとる国の議会のあり方について出題された。最高裁判所の判決の論旨をめぐる出題となっている問1および問3は論理的判断力が求められた。問5は、問題文で示された類型に当てはまる、実際の政治体制を選ぶ問題となっている。

第6問

現代の経済状況をテーマとして、日本の雇用環境、労働組合、財政、不良債権問題、国際通貨制度の変遷、発展途上国・新興国への日本企業の進出について出題された。問3は、具体的数値を用いた計算問題であり、各用語の正確な理解が求められる。問4は、貸し渋りのメカニズムを問う問題であり、与えられた説明や模式図を正確に理解することが必要である。問6は、各フローチャート相互の因果関係を問う問題であり、各項目の内容について正確な理解が必要である。

第7問

日本による発展途上国への開発協力のあり方をテーマとして、選挙監視団の派遣、発展途上国に関する指標、マイクロファイナンス、日本が他国を援助する理由について出題された。問4は、設問に示されている「日本が国際貢献すべき理由」に合致する選択肢を選ばせる問題で、文章の正確な読解が求められている。発展途上国に関する指標を示す図表を掲げた問2では、近年の途上国は電力状況や国民の栄養状態、平均寿命が改善しているという事実から類推して解答することが必要であり、知識の応用力が試されている。

過去の平均点の推移

20年度 19年度 18年度 17年度 16年度
66.5 64.2 73.1 66.6 60.5