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政治・経済 [分析] 2021年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

解答に時間を要する問題が多数出題された。

マーク数は減ったが、資料や文章の読み取り能力が問われる出題が増加した。

難易度

これまでのセンター試験と比べてやや難化した。過去のセンター試験で出題されてきた教科書レベルの知識だけでなく、設問の指示にしたがって資料や図を読み取るのに時間がかかると思われる。

出題分量

2020年度のセンター試験と比べて大問は4題と変わらないが、マーク数は34から31へと減少した。

出題傾向分析

知識は必要だが、単純な知識だけではなく、読解力や論理的判断力を要する問題が多く出題された。また、センター試験や試行調査で出題されていた出来事の順番を問う問題は出題されなかった。

2021年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 「望ましい社会の姿」に関する発表 24 7
2 法と統治機構 26 8
3 現代の経済状況 26 8
4 日本による発展途上国への開発協力のあり方 24 8
合計 100 31

2020年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 「平等」の実現に関する課題 28 10
2 国の役割と地域社会の役割 24 8
3 経済成長と地球環境問題 24 8
4 自由民主主義の原理と制度 24 8
合計 100 34

設問別分析

第1問

「望ましい社会の姿」をテーマに、人間開発指数(HDI)、名目GDPと実質GDP、消費者物価指数、日本の所得格差、社会保障の財源、環境問題に関連する条約、環境問題における国家間の対立と協調について出題された。問2の図表の数字の組合せは、計算そのものは簡単であるが、用語の正確な理解が求められている。また、問3の図表問題は知識を前提として国名を確定するもので、センター試験でも出題されていた。

第2問

法と統治機構をテーマとして、公法と私法、契約と法、教育と法、裁判員制度、近年の国内政治の動向、政治体制の類型化、日本の内閣の運営のあり方、二院制をとる国の議会のあり方について出題された。最高裁判所の判決の論旨をめぐる出題となっている問1および問3は論理的判断力が求められた。問6は、問題文で示された類型に当てはまる、実際の政治体制を選ぶ問題となっている。

第3問

現代の経済状況をテーマとして、日本の雇用環境、労働組合、財政、不良債権問題、銀行の規制や保護、経常収支の各項目の計算、国際通貨制度の変遷、発展途上国・新興国への日本企業の進出について出題された。問3と問6は、具体的数値を用いた計算問題であり、各用語の正確な理解が求められる。問4は、貸し渋りのメカニズムを問う問題であり、与えられた説明や模式図を正確に理解することが必要である。問8は、各フローチャート相互の因果関係を問う問題であり、各項目の内容について正確な理解が必要である。

第4問

日本による発展途上国への開発協力のあり方をテーマとして、選挙監視団の派遣、日本のODAの特徴、人間の安全保障、発展途上国に関する指標、開発協力による支援についての調査、マイクロファイナンス、日本が他国を援助する理由について出題された。問7は、設問に示されている「日本が国際貢献すべき理由」に合致する選択肢を選ばせる問題で、文章の正確な読解が求められている。発展途上国に関する指標を示す図表を掲げた問4では、近年の途上国は電力状況や国民の栄養状態、平均寿命が改善しているという事実から類推して解答することが必要であり、知識の応用力が試されている。

過去の平均点の推移

20年度 19年度 18年度 17年度 16年度
53.8 56.2 56.4 63.0 60.0