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日本史A [分析] 2021年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

古文書保存や福祉・社会保障など現代社会の諸問題を反映したテーマが出題された。

日本史Aでは従来のセンター試験から図版・史料・統計などが用いられており、大きく変化したところはなかった。

難易度

グラフや資料の読解など単純な知識だけでは正答できない問題が見られた。
一方、歴史事項の西暦年の知識を求める問題が多く見られた。
ここ数年のセンター試験と同じくらいの難易であった。

出題分量

大問数は5題、マーク数は32で、センター試験と同様だった。

出題傾向分析

第1問は、従来のセンター試験と同じく会話文を用いた問題であった。
日本史Bとの共通問題も従来と同じく2題であった。
時代では、明治時代・戦後が減少し、大正・昭和戦前期が増加した。
分野では、政治史が増加し、外交史が減少した。
出題された最も古い時期は薩長同盟(1866年)、最も新しい時期は男女共同参画社会基本法(1999年)であった。

2021年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 家系図を用いた近現代の総合問題 22 7
2 景山英子(福田英子)の人物史 12 4
3 近代の外国経験をもつ人物と政治・外交 22 7
4 第二次世界大戦後の民主化政策 22 7
5 近現代の福祉・社会保障 22 7
合計 100 32

2020年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 近現代の移民・在日外国人と日本人 20 6
2 幕末〜明治前期の民衆運動 12 4
3 近代の都市 19 6
4 近現代の風刺漫画 24 8
5 近現代日本のエネルギー資源の調達と利用 25 8
合計 100 32

設問別分析

第1問

家系図を素材に近現代の家族制度・教育制度・戦時中の社会などを多面的に問うている。問2のYは女性参政権、問3は民法や日本国憲法、問5は国定教科書や学校教育法の年代(西暦年)の知識が必要である。問4はグラフの読解、問6は史料の読解が求められているが、メモや手紙をヒントにすれば正答可能だろう。問7の年代配列は、イタリアの降伏年の知識が必要で、難しい。

第2問

景山英子(福田英子)の人物史をテーマに、幕末・明治時代を総合的に問うている。問3の史料問題では、史料の内容に関する考察・評価が求められた。また、問3・問4では問題文に記された1901年・1907年という年代をヒントに正誤を判断することが求められ、受験生の年代感覚も問われている。<日本史Bの第5問と共通問題>

第3問

留学その他で外国に渡った人物を取り上げ、政治・外交・社会などを総合的に問うている。問4は、第一次世界大戦後の国際状況や日本の外交を想起すれば正答可能だろう。他は標準的な問題。

第4問

農地改革の背景や過程・実績に関するスライドを素材に、近現代(高度成長期まで)の社会経済史を中心に問うている。問3・問5は、それぞれスライドの内容から小作人の地位が向上していった点を読み取って解答したい。問6は、スライド中のグラフの慎重な読み取りが求められる。<日本史Bの第6問と共通問題>

第5問

「福祉・社会保障に関する事柄」と「日本の国内外の動き」を記した年表と、それに関する高校生の会話文を素材に、社会政策や文化状況などを問うている。問3では、受験生には馴染みがない「撫救規則」の要旨を下線部内容から判断して選ばせるものであるが、「国が」「国庫が」との公的な扶助義務を規定していないものを選べばよい。問5は、史料の内容に関する会話の一部を空欄補充で問う、新しい傾向。問7の年代配列では、「男女共同参画社会基本法」が出題され、その制定年代(1999年)が問われ、難しかっただろう。

過去の平均点の推移

20年度 19年度 18年度 17年度 16年度
44.6 50.6 46.2 37.5 40.8