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現代社会 [分析] 2021年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

試行調査と出題形式に相違は見られるが、大学入学共通テスト問題作成方針に則した内容となっている。

各大問が、学習過程を意識した場面設定となっている。また、資料を適切に活用する能力や、意見・政策の根拠となっている考え方を判別する能力を問う内容となっている。

難易度

受験生が苦手とする知識問題が何問かみられ、その分難化した。また、新形式の設問に関しても、設問内容を理解するのに、難しい問題がみられた。

出題分量

マーク数は前年のセンター試験の36から30に減少し、大問数も6題から5題に減少した。設問文や資料の分量は増え、ページ数も4ページ増えた。

出題傾向分析

公表された作成方針に沿った内容であり、問題番号10や22にみられるようなルールを提示して正解を選ばせる問題など、多様な出題形式がみられる。一方、センター試験でみられたような知識問題も多数出題されている。

2021年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 民主主義の原理と統治機構 26 8
2 持続可能な開発と政治的意思決定 16 5
3 市場経済と政府の役割 27 8
4 現代社会と青年 19 6
5 高齢化と地域社会 12 3
合計 100 30

2020年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 持続可能な高度成熟社会の構築 22 8
2 青年の心理と職業 14 5
3 社会的課題と学問の領域 22 8
4 グローバル化の進展と異文化理解 14 5
5 資本主義経済と政府の役割 14 5
6 政治参加の在り方と統治の仕組み 14 5
合計 100 36

設問別分析

第1問

生徒がつくったカードをもとに、福沢諭吉と中江兆民の思想、モンテスキューとロックの権力分立論が問われている。また、センター試験と同じ出題形式で、日本の司法制度・行政についての知識が問われている。教科書の範囲の標準的な学習でほぼ対応できる。問8は、試行調査と同様の、政党の政策を2つの軸を用いた4つの領域のいずれかに分類させる問題である。

第2問

生徒が授業で行った発表内容をもとに、3R、投票結果の決定方法、アメリカと日本の政治的意思決定手続、人間と自然の関係に関わる概念、国際的な条約や制度に関する知識が問われている。投票結果の決定方法について判断させる問2は、与えられた資料を読み取る能力が問われた。

第3問

市場経済と政府の役割をめぐる会話文をもとに、経済成長率、GDP、国際貿易、公共財、労働市場、労働関係立法についての知識が問われている。1980年代の経済成長率の推移を、複数のグラフから選択させる問題も出題されている。いずれも教科書の範囲の標準的な学習で対応できる。

第4問

生徒の会話文をもとに、防衛機制、生命倫理、青年期、ダイバーシティに関わる日本の法制度、国際経済や環境問題に関わる組織についての知識が問われている。いずれも教科書の範囲の標準的な学習で対応できる。

第5問

高齢化と地域社会をめぐる生徒の会話文をもとに、資料の読み取り問題、生徒の立場を資料や政策と関連付けて判断させる問題が出題されている。問2は、生徒の主張を理解したうえで資料を的確に読み取って判断する必要がある。問3は、試行調査と同様の、生徒の発言が依拠する立場を選択させる問題である。

過去の平均点の推移

20年度 19年度 18年度 17年度 16年度
57.3 56.8 58.2 57.4 54.5