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生物 [分析] 2021年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

知識問題の割合が減少し、考察問題の割合が増加した。

知識のみで解答できる問題の割合が減り、資料等に示された事物・現象を分析的・総合的に考察する力を問う問題の割合が増えた。
【ズバリ的中】<本試験>第4問 問2 > <河合塾教材>2020年度 大学受験科 完成シリーズ 第3回共通テストマスタードリル 生物 第2問 問4

難易度

考察問題の割合が高かったが、考察問題において、解答に必要なデータの分析が比較的易しいものが多かった。また、選択肢の数が4個の設問が比較的多く、選択肢の数が5個以上の設問が比較的少なかったため、全体的な難易度はセンター試験と比べてやや易しかった。

出題分量

昨年のセンター試験と比較して、全体のページ数、設問数、マーク数のいずれも減少し、選択肢の総数も減少したため、全体的な分量は減少した。

出題傾向分析

教科書の各分野から幅広いテーマで出題されたが、「生物の環境応答」と「生態と環境」の分野からの出題が多かった。また、大問中に複数分野の内容を含む問題もあった。

2021年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 生命現象と物質
生物の進化と系統
14 4 乳糖の消化
2 生態と環境 15 4 種間関係
3 生態と環境 12 3 生産構造図
4 生物の環境応答 13 4 動物の行動
5 生殖と発生
生物の環境応答
27 3 A 植物の発生
4 B 植物ホルモン
6 生殖と発生
生物の環境応答
19 2 A 動物の発生
3 B 動物の行動
合計 100 27  

2020年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 生命現象と物質 18 3 A 遺伝子
2 B 細胞周期
2 生殖と発生 18 3 A 動物の発生と遺伝子
3 B 植物の発生と遺伝子
3 生物の環境応答 18 3 A 動物の反応と行動
3 B 植物の環境応答
4 生態と環境 18 3 A 個体群
5 B 種間関係
5 生物の進化と系統 18 3 A 進化のしくみ
3 B 植物の系統
6 生命現象と物質
生物の環境応答
10 3 遺伝子・植物の環境応答
7 生物の進化と系統 10 4 生物の起源と進化・生物の系統
合計 100    

設問別分析

第1問

乳糖の消化を題材とした知識問題と考察問題であった。問1は能動輸送、発酵に関する問題、問2は典型的な遺伝子頻度の計算問題、問3は真核生物の遺伝子発現に関する知識問題であり、このようにそれぞれの設問が異なる分野から出題されていた点は、新しい傾向であった。問4は実験で示されたデータの内容を読み取る考察問題であった。

第2問

外来生物に関する知識問題と2種のトカゲの種間関係に関する考察問題であった。問2〜4は人工島に移入されたトカゲによって在来種のトカゲが受けた影響をデータから考察する問題であった。進化の内容を含む設問も含まれていた。

第3問

草本植物群集の生産構造図に関する知識問題と考察問題であった。問1は生産構造図に関する知識を必要とする問題であった。問3は、表1のデータを使って計算し、早春と初夏の光合成量を比較する問題であった。

第4問

学習に関する知識問題と鳥類のさえずりに関する考察問題であった。問3では、自種と近縁種の歌の特徴が混ざった歌をさえずる個体の繁殖成功度について、設問文の文章をもとに考察する問題であった。既知ではない現象を分析的・総合的に考察する力が問われていた。

第5問

Aは植物の発生に関する知識問題と考察問題であり、Bは植物の環境応答に関する知識問題と考察問題であった。問1は教科書の知識に基づいて解ける問題であるが、植物の発生に関して、複数の分野の内容が必要となる。問2・3は植物の茎頂分裂組織から葉がつくられる仕組みについて考察する問題であり、問4・6・7は根におけるクロロフィル合成について考察する問題であった。いずれも実験の内容や図を丁寧に読む必要があった。

第6問

Aは眼の形成に関する考察問題であり、Bは形成された眼の機能を調べるための実験を題材に、動物の行動に関する考察問題であった。一つのテーマに沿って、同じ大問の中に複数の分野の内容が出題されている点が共通テストの作成方針に沿った出題であり、今後もこのような形式の問題が出題されると予想される。

過去の平均点の推移

20年度 19年度 18年度 17年度 16年度
57.6 62.9 61.4 69.0 63.6