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化学基礎 [分析] 2021年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

化学基礎の教科書で扱われていない初見の内容を題材に、実験結果を考察する問題が出題された。

難易度

思考力を要する問題も出題されたが、大半はセンター試験と同じ形式・レベルの問題であり、難易度はセンター試験とほぼ同じであった。

出題分量

大問数はセンター試験と同じ2題であり、マーク数は増えたが、小問数はセンター試験とほぼ同じ15であった。
初見の内容が出題された分、センター試験よりも時間的な余裕はなかったであろう。

出題傾向分析

センター試験と同様、教科書の全範囲から幅広く出題された。
第1問は、小問集合形式の問題であり、センター試験と同じ形式であった。第2問は、化学基礎の教科書では扱われていない初見の内容を題材に、化学基礎の知識とともに、実験結果を考察する力が試された。
センター試験と同じ形式の問題が多く、試行調査と比べると解答しやすかった。

2021年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成、物質の変化 30 12 物質の分類、化学量、原子の構造、結晶、金属単体、酸化還元、溶液の濃度、電池
2 物質の変化 20 5 イオン交換樹脂、酸・塩基・塩、実験操作、化学量
合計 50 17  

2020年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成 25 8 電子配置、元素の分類、分子の極性、状態変化と熱運動、蒸留装置、化学量、生活に関わる物質
2 物質の変化 25 7 分子の存在比、溶液の濃度、中和滴定、塩、電池、金属の溶解
合計 50 15  

設問別分析

第1問

単体、化合物と混合物、物質量、原子の構造、結晶の性質、金属の反応、酸化剤、溶液の濃度、電池に関して、センター試験と同様の小問集合形式で出題された。出題範囲は、第2問で扱われている酸と塩基を除き、教科書の全範囲にわたっている。
問1の物質を単体、化合物および混合物に分類する問題、問4の結晶の電気伝導性に関する問題、問6の酸化剤を選択する問題は、基本的な知識を確認する問題であった。
問2の物質中の酸素原子の物質量に関する問題では、分子と構成原子の数の関係についての理解が試された。
問3は、原子番号1から19の元素について、存在比が最も大きい同位体の陽子・中性子・価電子の数を示したグラフを読み取り、原子番号と原子の構造および電子配置に関する知識を組み合わせて判断する問題であった。
問5の金属と水の反応は、消火に関する科学的な探究が題材であった。
問7の溶液の濃度に関する問題では、文字式での処理能力が要求された。
問8の燃料電池は、各電極で起こる反応の反応式に基づいて、電子の物質量と反応量や生成量の関係を考える問題であった。
基本的な知識・技能を身につけた上で、過去のセンター試験の問題演習を行うことで、十分に対応できるであろう。

第2問

陽イオン交換樹脂を題材とし、塩の分類、陽イオン交換樹脂で交換された水素イオンの物質量、酸と塩基の混合溶液の性質、希釈の操作法、塩化カルシウム試料中に含まれる水の質量が出題された。
問1aは正塩ではない塩を選ぶ知識問題であった。問1bは陽イオン交換樹脂で交換される陽イオンと水素イオンの物質量の関係を本文から読み取り、その理解と活用を問う問題であった。化学基礎の教科書では扱われていない内容であるが、「通常の授業を通じて身に付けた知識の理解や思考力等を新たな場面でも発揮できるかを問う」という問題作成方針に沿って出題されたものといえる。問2aは塩化カルシウム水溶液が中性であることの知識を前提とし、酸と塩基を混合した水溶液が中性になるものを選択する問題であった。問2bはメスフラスコを用いた希釈操作に関する基本的な知識を問う問題であった。問2cは実験の内容を読解し、与えられた情報をもとに実験室に放置された塩化カルシウム試料中に含まれる水の質量を計算する問題であった。複数の思考過程を要するやや難度の高い設問であった。
センター試験ではあまり見られなかった目新しいテーマを扱った問題であったが、各設問ではセンター試験と同様の知識を問う内容も含まれており、あわてずに落ち着いて対応すればよい。

過去の平均点の推移

20年度 19年度 18年度 17年度 16年度
28.2 31.2 30.4 28.6 26.8