物理基礎 [分析] 2021年度大学入学共通テスト速報 | 大学入試解答速報

さまざまな分野からの小問集合。基本的な知識・理解を問う問題である。 問1は直方体の木片にはたらく力を正しく表す図を選ぶ問題。 問2は棒の両端に異符号の電荷があり、さらに帯電された小球をおいたときにはたらく力を考察する問題。 問3は電磁波の知識問題。空所は三つあるが、はじめの二つが分かれば正解を選べる。 問4は日常生活の熱に関して考察する会話文問題で、誤りを含むものを二つ選ぶ、新しい形式の設問。内容的には、教科書に載っている知識の確認である。

Ａ　オシロスコープによるギターの音の音階の決定に関する問題。倍音との重ね合わせであるが、具体的な点をいくつか考えれば解答できる。
Ｂ　変圧器の原理とその利用に関する問題。問5はニクロム線の商品ラベルから消費電力を求める問題で抵抗値が求められれば正答できる。

身近な課題等について科学的に探究する問題と言える。

台車の加速度を記録タイマーとスマートフォンを使う2通りの方法で調べる実験に関する問題。実験で得られたデータを正確に読み取り、基本原理・法則を理解したうえで公式を活用する力が求められる。記録タイマーの問題は、2018年度試行調査でも出題されていた。問1は記録テープの目盛りの読み取りから平均の速さを求める問題。問2は与えられた加速度の値から台車を引くひもの張力を求める問題で（合力）＝（質量）×（加速度）の理解が確認されている。これまで出題されたことのなかった、解答の数値を直接マークする問題であった。問3も同様に（合力）＝（質量）×（加速度）の理解が試された。問4は図から加速度運動している時間を読み取り、その値を用いて速さを求める数値計算問題。問5は台車を引いているおもりが落下しているときのおもりの位置エネルギー、運動エネルギー、力学的エネルギーの増減についての問題。全体の力学的エネルギーは一定であるが、おもりの力学的エネルギーはひもの張力がする仕事の分だけ減少することに気づく必要がある。実験で得られたデータを科学的に探究し、整理する過程などで物理の法則を正確に当てはめることができるようになっておくことが大切であり、問題作成方針に沿った内容である。