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倫理 [分析] 2020年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報

思想内容の理解や読解力を重視する問題構成は変わらず。

全体の小問数は37問で昨年より1問増加した。昨年と同様に、統計資料読み取り問題が第1問で1問出題され、すべての大問において資料文読解問題と本文読解問題が1問ずつ出題された。

難易度

やや易化

昨年と同様に、「倫理」で学ぶ基本的な人物を中心とした出題となっている。ただし、クワイン、ノージック、鈴木正三など多くの受験生が見落としがちな思想家も取り上げられている。確実に得点するには思想内容の的確な理解が必要。

出題分量

大問数は昨年と同じだが、小問数は37で昨年の36から1問増加した。昨年に比べて、2行問題が減り、3行、4行問題が増加した。

出題傾向分析

新傾向の問題はみられず、従来のセンター試験の出題傾向を踏襲するものであった。内容面での大きな変化は見られなかったが、現代英米哲学からクワインとノージックの思想内容が本格的に出題されたことが目をひいた。

2020年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 現代社会の諸課題と青年期 28 10
2 源流思想 24 9
3 日本思想 24 9
4 西洋近現代思想 24 9
合計 100 37

2019年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 現代社会の諸課題と青年期 28 10
2 源流思想 24 9
3 日本思想 24 9
4 西洋近現代思想 24 8
合計 100 36

設問別分析

第1問

「友達関係」をめぐる会話文をもとに、現代思想、青年期の心理、現代社会の諸問題から幅広く出題された。教科書レベルの出題であり、選択肢の多くも正誤を容易に判断できるものが多かった。クワイン(解答番号1)とノージック(解答番号3)は、受験生にとっては見落としがちな思想家であり、難しく感じたかもしれないが、クワインについての問題は「ホーリズム」の内容を知らなくても、文章を丁寧に読むことによって正解できるものであった。

第2問

「旅」をテーマとした本文をもとに、東西の源流思想に関する基本事項が幅広く出題された。大乗仏教(解答番号13)、儒教と仏教(解答番号15)、キリスト教(解答番号16)については、それぞれについて的確な理解を要するため、やや難しかった。トマス・アクィナスの『神学大全』からの資料文読解問題(解答番号18)は、他の大問の資料文読解問題に比べてやや取り組みにくいものであった。

第3問

「伝統とは何か」をテーマとした本文をもとに、日本思想分野から幅広く問われた。仏教については空海や道元などの代表的な思想家が問われず、空也(解答番号20)や鈴木正三(解答番号24)など受験生にとってはやや見落としがちな思想家が出題された。また、古神道(解答番号22)、山鹿素行(解答番号23)についての出題も、思想の的確な理解を要するため、やや難しいものであった。

第4問

「身体と理性」をテーマとした本文をもとに、西洋思想分野から幅広く問われた。ルネサンスとキリスト教(解答番号29)、カントとヘーゲル(解答番号32)についての出題は、不慣れな用語が用いられていることや思想史の的確な理解が必要なことから、正誤の判断がやや難しいものであったが、他は代表的な思想家についての出題が多く、全体的には解きやすいものであった。

過去の平均点の推移

19年度 18年度 17年度 16年度 15年度
62.3 67.8 54.7 51.8 53.4