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政治・経済 [分析] 2020年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報

やや細かな知識が問われた。

パリ協定や取調べの可視化などの時事的事項を問う問題がみられた。なお、二国間貿易の為替による決済の仕組みを問う第3問の問3は、2012年の本試験でも同じ形式で出題されている。

難易度

昨年並み

年号を問う問題がなくなって平易になったが、逆に細かな知識を問う問題もあり、全体としては昨年並み。

出題分量

大問数は4題、マーク数は34で昨年と同じ。

出題傾向分析

昨年と同様、政治分野と経済分野から幅広く出題されている。需要曲線・供給曲線を用いる問題が今年も出題されたが、やや難しくなった。

2020年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 「平等」の実現に関する課題 28 10
2 国の役割と地域社会の役割 24 8
3 経済成長と地球環境問題 24 8
4 自由民主主義の原理と制度 24 8
合計 100 34

2019年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 経済のグローバル化への対応 28 10
2 冷戦終結後の国際社会の動向 24 8
3 人権保障の歴史と統治制度 24 8
4 経済発展と環境問題 24 8
合計 100 34

設問別分析

第1問

「平等」の実現に関する課題をテーマに、支配の正当性、日本国憲法上の法の制定、アダム・スミスの思想,市場の機能や限界、消費者問題、年齢階級別・雇用形態別の賃金水準、民間の労働者に関する日本の法制度、需給曲線の読み取り、地方自治、難民受入れについて出題された。問1で問われた支配の正当性に関するウェーバーの思想は、受験生にはなじみの薄い事項であったと考えられる。問6の図表読み取りは特定の知識を前提としておらず、落ち着いて取り組んで確実に正解しておきたい。問5で問われた消費者団体訴訟制度や、問10で問われた日本の難民条約の加入時期は、やや細かい知識である。

第2問

国の役割と地域社会の役割に関する会話文をもとに、日本国憲法の改正、最高裁判所の違憲判断、租税負担率と社会保障負担率の国際比較、外国人の法的地位、租税の原則、GNP(国民総生産)とGDP(国内総生産)、景気循環の類型、住民投票制度など、政治・経済の領域から多様な問題が出題された。ほとんどの問題は教科書を丁寧に学習していれば対応できるが、問4の外国人の法的地位など、やや細かい事項についての出題もみられる。

第3問

「宇宙船地球号」という視点から、発展途上国の経済成長と地球環境問題との関係を論じた本文をもとに、公共財の性質、発展途上国の経済、二国間貿易の為替による決済の仕組み、WTO(世界貿易機関)、企業の資金調達の日米比較、温室効果ガスの削減に関する国内外の制度、日本における農業や食品に関する出来事、世界の政府開発援助(ODA)の実績が出題された。外国為替の仕組みに関する問3は過去問とほぼ同一の問題であった。パリ協定など近年の動向も出題された。

第4問

自由民主主義に関する本文をもとに、法の支配、日本の違憲審査権、選挙制度、各国の議会制度、大衆民主主義、ナチス政権、日本における司法権監視、国民の自由や権利をめぐる状況など、政治にかかわる事項が幅広く問われた。違憲審査権の積極的な行使を求める根拠となる考え方を問う問2は、論理的な判断力が問われている。日本における司法権監視の仕組みについて問う問7では取調べの可視化に関する時事的事項が出題された。

過去の平均点の推移

19年度 18年度 17年度 16年度 15年度
56.2 56.4 63.0 60.0 54.8