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地理B [分析] 2020年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報

大問構成、出題分野とも大きな変化はなく、2か国の比較地誌も出題された。

昨年と同様に、地理Bのほぼ全分野から出題されている。地誌は東南アジアとオセアニア、および中国とブラジルが問われた。

難易度

やや易化

基本的な知識や図表の読み取りを問う問題が多く、判断に迷うところが少なかった。

出題分量

大問数6題、マーク数35で、ともに変化なし。

出題傾向分析

系統地理的考察の分野から、自然環境が1題、資源と産業が1題、都市と村落が1題、地誌的考察の分野から、東南アジアとオセアニアの地誌と、中国とブラジルの比較地誌、地図と地理的技能の分野から地域調査が1題出題された。大問構成、出題分野とも昨年と同じで、地理Bのほぼ全分野からまんべんなく出題されている。基本的な知識を問う問題のほか、統計表、統計地図、グラフ、地形図などのさまざまな図表を用いて、それらの読み取りと基本的な知識を結び付けて解答する問題が多い。

2020年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 世界の自然環境と自然災害 17 6
2 資源と産業 17 6
3 都市と村落 17 6
4 東南アジアとオセアニア 17 6
5 中国とブラジル 14 5
6 甲府盆地とその周辺の地域調査 18 6
合計 100 35

2019年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 世界の自然環境と自然災害 17 6
2 資源と産業 17 6
3 都市と村落、生活文化 17 6
4 地中海沿岸地域 17 6
5 ウクライナとウズベキスタン 14 5
6 宮崎市とその周辺の地域調査 18 6
合計 100 35

設問別分析

第1問

世界の自然環境と自然災害に関する問題で、問1は4つの高地の自然環境の特徴、問2は4地点のハイサーグラフ、問3は地震の震源と火山の両方が分布する地域の組合せ、問4は気圧帯の季節移動、問5は4つの経線上の樹木の高さ、問6は南北アメリカの自然災害が問われた。問5の樹木の高さについては2016年度本試験でも出題されており、ほかにも目新しい図表はなく、標準的な難易度である。

第2問

資源と産業に関する問題で、問1は4か国のマンガン鉱の輸入量の推移、問2は水産業と水産資源、問3はシンガポールとトルコの輸出品目、問4は米の生産量、輸出量、輸入量、問5は風力発電の割合の高い国、問6は4か国の経済のサービス化や知識産業化の進展の度合いが問われた。問1はマンガン鉱の輸入量を鉄鋼生産の増加と関連させて判断すればよい。

第3問

都市と村落に関する問題で、問1は北半球の緯度帯別の大都市数の推移、問2は人口規模1位と2位の都市の人口の差が小さい国、問3は都市問題やその対策、問4はホンコンにおける外国人労働者、問5は6つの都府県間における人口転出入数、問6は県庁所在都市(宇都宮市)における人口に関する指標のメッシュマップの読み取りが問われた。問1は発展途上国を含むウとエのうち、インドや中国、メキシコを含むウのほうが大都市が急増していると判断する。問6は地価最高地点周辺が都心部で、都心部では賃貸住宅が多いので居住期間の短い住民が多いと判断する。

第4問

東南アジアとオセアニアの地誌問題で、問1は水深の最も深い場所を含む海域、問2は4地点の雨温図、問3はコプラ油、サトウキビ、茶の国・地域別生産割合、問4はすず、鉄鉱石、ニッケル、ボーキサイトの地域・国別産出量割合、問5はオーストラリア、タイ、中国、ラオスの相互の輸出額、問6は4か国の生活文化と民族・宗教が問われた。問5はどの国とも貿易額が多いシが中国で、中国に対して輸出超過になっているサがオーストラリアと判断する。

第5問

中国とブラジルの比較地誌問題で、問1は長江とアマゾン川の勾配と月平均流量、問2は牛乳、小麦、バナナの省・州ごとの生産割合、問3はBRICSのうち4か国の製造業の構成、問4はアメリカ合衆国、インド、中国、ブラジルの鉄道と航空の貨物輸送量、問5は日本における中国とブラジル国籍の居住者数の推移と両国における日本出身の居住者数の推移が問われた。問3は中国で割合の大きいサが機械類、ロシアで割合の大きいシが石油製品、インドで割合の大きいセが繊維品で、残りのスが食料品・飲料となる。

第6問

甲府盆地とその周辺地域の地域調査の問題で、問1は御前崎、甲府、東京の気候の比較、問2は鳥瞰図の見える方向、問3は地形図の読図、問4は養蚕関係の家屋と養蚕戸数の推移(会話文)、問5は1991年と2017年の大型小売店の分布図の読み取り、問6は人口の転出入に関するグラフの読み取りが問われた。問1は冬季の総降水量に惑わされず、夏季の気温の日較差が最も大きいアが甲府、最も小さいウが太平洋に面する御前崎と判断すればよい。問4は、神金地域は塩山地区の養蚕戸数に占める割合が次第に上昇しているから、地区内の他の地域よりも遅くまで養蚕が行われていたと判断する。
<地理A第5問との共通問題>

過去の平均点の推移

19年度 18年度 17年度 16年度 15年度
62.0 68.0 62.3 60.1 58.6