地理A [分析] 2020年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報
昨年と同様の大問構成で、地誌はヨーロッパが出題された。
「自然環境と防災」は、昨年に引き続き出題され、解答数は3問で変化がなかった。
難易度
昨年並み
例年通り大半が教科書に準拠した標準的な問題で構成されており、昨年と同様、図表から読み取りやすい問題が多く、判断に迷うものも少なかった。
出題分量
解答マーク数は34で変化なし。組合せ解答は11問で変化なく、6択問題が7問で2問減少した。
出題傾向分析
大問のテーマは、地理の基礎的事項および日本の自然環境と防災、世界の生活・文化、地誌、世界の結びつきと地球的課題、地域調査の5題。GIS(地理情報システム)を利用した問題も昨年に引き続き見られた。
2020年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 地理の基礎的事項および日本の自然環境と防災 | 23 | 8 |
2 | 世界の生活・文化 | 20 | 7 |
3 | ヨーロッパ | 21 | 7 |
4 | 世界の結びつきと地球的課題 | 18 | 6 |
5 | 甲府盆地とその周辺の地域調査 | 18 | 6 |
合計 | 100 | 34 |
2019年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 地理の基礎的事項および日本の自然環境と防災 | 23 | 8 |
2 | 世界の生活・文化 | 20 | 7 |
3 | 南アメリカ | 21 | 7 |
4 | 世界の結びつきと地球的課題 | 18 | 6 |
5 | 宮崎市とその周辺の地域調査 | 18 | 6 |
設問別分析
第1問
地理の基礎的事項では、東京から見た方位と時差、世界の土壌、4地点の最多雨月と最少雨月の月降水量、プレート境界と特徴的な地形、地形の景観について問われた。日本の自然環境と防災では、自然災害に対する備え、県庁所在都市における積雪日・多降水日・猛暑日、地形や土地利用の変化と将来に起こりうる自然災害について問われた。問5は典型的な地形の景観であり、普段から教科書などで見ておきたい。問7は多降水日が集中豪雨をもたらす台風の常襲地域で多くなり、猛暑日が内陸部で気温が上がりやすいことから判定したい。
第2問
小麦・大豆・ライ麦の年間食料供給量、1人1日当たり食料供給量、民族と宗教、スイス・スリランカ・ベルギーの言語、信仰する宗教が隣国で異なる組合せ、日本の都市と姉妹(友好)都市提携を結んでいる都市の特徴、世界遺産について問われた。問3〜5、問7はいずれも言語・宗教や植民地支配の歴史が問われており、正確な知識が身についているかどうかで差がつく。
第3問
特徴的な地形、月平均気温と月降水量、食文化やその背景にある農業生産、エネルギー源別の発電量の割合、最低賃金と乗用車生産台数、カトリックを信仰する住民の人口が総人口の過半数を占める国、特徴的な水辺の景観について問われた。問5の乗用車生産台数は賃金水準の高いフランスやベルギーで減少していることに注意したい。
第4問
国際線と国内線の就航都市数、4か国間の訪問客数、1人当たりGNIとGDPに占める送金受取額、1人当たり二酸化炭素排出量・衛生的なトイレや下水の施設を使用している人口の割合・都市人口の増加率の組合せ、プラスチックごみの人口1人当たり年間発生量における未処理の量と処理された量、世界の環境問題への取り組みについて問われた。問1は韓国が国土面積や国土形態から国内線が少ないことをイメージしたい。問4は一人当たり二酸化炭素排出量と衛生的なトイレや下水の施設を使用している人口の割合の判定が難しい。
第5問
甲府盆地とその周辺地域の地域調査の問題で、問1は御前崎、甲府、東京の気候の比較、問2は鳥瞰図の見える方向、問3は地形図の読図、問4は養蚕関係の家屋と養蚕戸数の推移(会話文)、問5は1991年と2017年の大型小売店の分布図の読み取り、問6は人口の転出入に関するグラフの読み取りが問われた。問1は冬季の総降水量に惑わされず、夏季の気温の日較差が最も大きいアが甲府、最も小さいウが太平洋に面する御前崎と判断すればよい。問4は、神金地域は塩山地区の養蚕戸数に占める割合が次第に上昇しているから、地区内の他の地域よりも遅くまで養蚕が行われていたと判断する。
<地理B第6問との共通問題>
19年度 | 18年度 | 17年度 | 16年度 | 15年度 |
57.1 | 50.0 | 57.1 | 52.1 | 51.4 |