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世界史B [分析] 2020年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報

現代史が多く出題。

第一次世界大戦以降の現代史、さらに第二次世界大戦後の出題が増加。 大学入学共通テストのための試行調査に見られた、会話文・資料を使った問題や空欄補充を多用した問題の出題はなかった。
(注)
大学入試センターは以下の理由により、全員に得点(2点)を与えると発表した。
対象:第1問 問5
訂正理由:本問は4つの選択肢の中から正しい選択肢を一つ選択する問題である。選択肢@を正解としていたが、選択肢文中の「魏」について三国時代ではなく戦国時代と考えた受験者が誤文と判断する可能性を考慮し、受験者全員に得点を与えることとした。

難易度

昨年並み

正誤の判断が単語の誤りである選択肢が多い点では受験生にとって得点しやすいものの、受験生が苦手とする文化史や現代史、とくに第二次世界大戦後からの出題が増加したため、全体としての難易度は昨年並み。

出題分量

変化なし。

出題傾向分析

オーソドックスな4文正誤判定中心の問題で、2文の正誤の組み合わせ問題、地図やグラフを使った問題も出題された。例年通り、時代的には、古代から第二次世界大戦後まで幅広く出題されている。今年は前近代と近現代を比べると前近代が多いが、第一次世界大戦後の現代史や、第二次世界大戦後の戦後史も多く出題された。地図を使った問題は1問出題され、従来どおりの地図上の2点と2つの地名の組み合わせ問題であった。グラフの問題は、2つの出来事の年代がわからなければ解けない事実上の年代問題であった。また、時代順配列問題が出題され、昨年同様第二次世界大戦後についての問題であった。

2020年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 文化の繁栄や受容 25 9
2 戦争や対外関係 25 9
3 図書館と書物 25 9
4 人やモノの移動 25 9
合計 100 36

2019年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 歴史的建造物や遺跡 25 9
2 記録や文字 25 9
3 国際関係 25 9
4 宗教と政治 25 9
合計 100 36

設問別分析

第1問

文化の繁栄や受容をテーマとした問題。問1の「ミラノ勅令」と「ヴァチカン市国」、問9の「カーター大統領」と「棍棒外交」の組み合わせなど、正誤の判定が単語中心で受験生には取り組みやすい問題が多い。

第2問

戦争や対外関係をテーマとした問題。問6の6択の整序問題は、戦後史からの出題でもあり、難易度が高い。同じく現代史の問題である問8では、「新生活運動」という一部の教科書にしか記載されていない用語が出題されている。

第3問

図書館と書物をテーマとした問題。問1の年表問題は、ファーティマ朝がカリフを称すると、対抗して後ウマイヤ朝がカリフを称したことを知っていれば、年代に関係なく正解できる。問8の地図問題は、ナチス=ドイツがポーランドに返還を要求した都市と地図上の位置の組合せを選ぶ問いであった。

第4問

人とモノの移動をテーマとした問題。問7は、戦後史からの出題であるが、人物と国の組合せで判断できる問いである。問9はグラフを使った出題で、a・bの短文の出来事の年代がわからないと判断できないので、事実上の年代問題となっている。

過去の平均点の推移

19年度 18年度 17年度 16年度 15年度
65.4 68.0 65.4 67.3 65.6