現代社会 [分析] 2020年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報
例年通り基本的な知識が重視されている。
基本的な知識を重視する傾向は例年通りであるが、民法改正による成年年齢の引き下げ、正規社員と非正規社員の手当の相違に関する最高裁判決、仮想通貨交換業者の登録が金融庁によって拒否された事実、働き方改革の内容など、教科書に記載されていない時事的な問題も出題された。昨年は出題されなかった本文の内容読み取り問題が2年ぶりに出題された。
難易度
昨年並み
昨年と同様、基本的な知識が重視されている。
出題分量
大問数、設問数ともに変化なし。
出題傾向分析
昨年と同様、制度や政策、現代社会の動向を問う問題を中心として、各分野から偏りなく出題されている。基本的な知識が重視されている点も変わりない。
2020年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 持続可能な高度成熟社会の構築 | 22 | 8 |
2 | 青年の心理と職業 | 14 | 5 |
3 | 社会的課題と学問の領域 | 22 | 8 |
4 | グローバル化の進展と異文化理解 | 14 | 5 |
5 | 資本主義経済と政府の役割 | 14 | 5 |
6 | 政治参加の在り方と統治の仕組み | 14 | 5 |
合計 | 100 | 36 |
2019年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
1 | 経済のグローバル化 | 22 | 8 |
2 | 高度情報社会と基本的人権 | 14 | 5 |
3 | 人の社会性と適応 | 14 | 5 |
4 | 高齢社会と法的な問題 | 22 | 8 |
5 | 地方創生とデータ分析 | 14 | 5 |
6 | 政治制度と市民の権利 | 14 | 5 |
合計 | 100 | 36 |
設問別分析
第1問
東京オリンピック・パラリンピックのレガシーの継承としての「高度成熟都市」をめぐる会話文をもとに、環境に関わる法律と条約、戦後の日本経済、民法、情報に関わる法律、財政、最高裁判決、内閣などに関する知識が問われている。図表の読み取り問題も出題されている。民法改正による成年年齢の引き下げに関する問4選択肢番号3のような時事的な問題も出題されているが、ほとんどの問題は、教科書の範囲内の標準的な学習で対応できる。
第2問
固定観念について論じた本文をもとに、家族や労働に関わる法制度、青年期、調べ学習などに関する知識が問われている。マズローの欲求階層段階説が昨年に続いて出題されている。正規社員と非正規社員の手当の相違についての最高裁判決に関する問3選択肢番号1のような時事的な問題も出題されているが、ほとんどの問題は、教科書の範囲内の標準的な学習で対応できる。
第3問
学問領域について論じた本文をもとに、古代ギリシャや近代の思想、日本の会社法と企業の分類、国民所得、国家に関わる思想や制度、環境・資源、資金の動きなどに関する知識が問われている。図表の読み取り問題も出題されている。無償資金援助と資本移転等収支の関係に関する問7選択肢番号3のようなやや細かな知識を問う問題も出題されているが、ほとんどの問題は、教科書の範囲内の標準的な学習で対応できる。
第4問
異文化理解について論じた本文をもとに、日本の信仰や思想、偏見や差別に関わる概念や判例・制度、民族や人種に関わる政策や条約、比較生産費説、情報通信技術などに関する知識が問われている。仮想通貨業者の登録が金融庁によって拒否された事実に関する問5選択肢番号4のような時事的な問題も出題されているが、ほとんどの問題は、教科書の範囲内の標準的な学習で対応できる。
第5問
資本主義経済について論じた本文をもとに、アジア経済、経済思想、景気後退や経済危機、日本の労働や所得分配、社会保険制度などに関する知識が問われている。働き方改革に関する問4選択肢番号2のような時事的な問題も出題されているが、ほとんどの問題は、教科書の範囲内の標準的な学習で対応できる。
第6問
政治参加について論じた本文をもとに、各国の政治制度と体制、日本の政党政治、選挙制度、地方自治制度などに関する知識が問われている。昨年は出題されなかった本文の内容読み取り問題が出題されている。いずれの問題も、教科書の範囲内の標準的な学習で対応できる。
19年度 | 18年度 | 17年度 | 16年度 | 15年度 |
56.8 | 58.2 | 57.4 | 54.5 | 59.0 |