生物基礎 [分析] 2020年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報
教科書に記載されている知識を問う問題が中心であり、「細胞の構成成分」、「肺炎双球菌の形質転換」、「魚類の体液濃度の調節」など、教科書の参考やコラムに記載されている内容からの出題が目立った。
教科書の各分野よりバランスよく出題され、すべての問題がA・B分けされていた。設問16問の内訳は、知識を問う問題が12問、与えられた図にもとづいて考察する問題が3問、ミクロメーターに関する計算問題が1問であった。第3問の問5は、二酸化炭素の季節変動の場所による違いを扱った問題であり、2019年度冬期講習センター試験攻略生物基礎 第3講 第3問 B 問5と類似の内容であった。
難易度
昨年並み
問題分量は昨年並みであり、知識問題・考察問題・計算問題の割合も昨年と同様であった。
出題分量
例年通り、教科書の3分野から大問が1題ずつ出題された。 マーク数は23で昨年より5増加したが、設問数は昨年と同じ16であった。
出題傾向分析
生物と遺伝子、生物の体内環境の維持、生物の多様性と生態系の3分野からバランスよく出題されており、各大問がA・B分けされていた。教科書に記載されている知識を問う問題が中心であるが、与えられた図にもとづいて考察する問題3問とミクロメーターに関する計算問題1問が出題された。
2020年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 生物と遺伝子 | 18 | 3 | A 細胞・顕微鏡観察 |
7 | B DNAの複製・転写・翻訳、形質転換に関する実験 | |||
2 | 生物の体内環境の維持 | 16 | 3 | A 魚類の体液濃度とその調節 |
2 | B 免疫 | |||
3 | 生物の多様性と生態系 | 16 | 5 | A 世界のバイオーム、生態系における炭素とエネルギーの移動 |
3 | B 温室効果ガス、大気中の二酸化炭素濃度の変動 | |||
合計 | 50 | 23 |
2019年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 生物と遺伝子 | 19 | 3 | A 生物の特徴・代謝 |
4 | B DNAの抽出・DNAの構造・遺伝情報の発現 | |||
2 | 生物の体内環境の維持 | 15 | 4 | A 血液凝固・血液循環・酸素解離曲線 |
2 | B 免疫 | |||
3 | 生物の多様性と生態系 | 16 | 2 | A 物質とエネルギーの移動 |
3 | B 日本のバイオーム・光−光合成曲線・二次遷移 | |||
合計 | 50 | 18 |
設問別分析
第1問
Aは細胞小器官と細胞の構成成分に関する知識問題とミクロメーターに関する計算問題、BはDNAの複製・転写・翻訳に関する知識問題と肺炎双球菌の形質転換に関する知識問題であった。問3の「細胞の構成成分」と問6の「肺炎双球菌の形質転換」の内容は、教科書の参考やコラムで取り上げられている内容である。なお、「細胞の構成成分」については、記載されていない教科書もある。教科書は、本文だけでなく、参考やコラムなどに記載されている内容についてもしっかり学習しておく必要がある。
第2問
Aは魚類の体液濃度とその調節に関する知識問題と考察問題、Bは免疫に関する知識問題と抗体の産生に至る免疫細胞間の相互作用に関する実験考察問題であった。 問1・2の「魚類の体液濃度とその調節」の内容は、教科書の参考やコラムで取り上げられている内容である。教科書は、本文だけでなく、参考やコラムなどに記載されている内容についてもしっかり学習しておく必要がある。問3は、図1から淡水魚のコイと海水魚のカレイが長期間生存できる塩類濃度を読み取る考察問題である。問5では、与えられた図から抗体産生細胞が分化するために必要な培養条件を読み取る考察問題である。
第3問
Aはバイオームの代表的な生産者に関する知識問題と生態系における炭素とエネルギーの移動に関する知識問題、Bは温室効果ガスに関する知識問題と大気中の二酸化炭素濃度の変動に関する考察問題であった。問2は、図1における矢印の方向と選択肢から、「ある主要な元素」が炭素であると判断する。問5の空欄スは、冷温帯に位置する岩手県の綾里には冬季に落葉する落葉広葉樹が分布し、亜熱帯に位置する沖縄県の与那国島には常緑広葉樹が分布するという知識にもとづいて考える考察問題であった。
19年度 | 18年度 | 17年度 | 16年度 | 15年度 |
31.0 | 35.6 | 39.5 | 27.6 | 26.7 |