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化学基礎 [分析] 2020年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報

基本的な知識を問う問題が中心であったが、複数の思考過程を要する問題も見られた。

難易度

昨年並み

やや難しい計算問題も出題されたが、正誤問題は4択が中心で取り組みやすかったため、全体の難易度は昨年とあまり変わらない。

出題分量

大問2題、設問数13は昨年と同じである。マーク数は15と昨年より1減少した。

出題傾向分析

昨年同様、教科書の全範囲から幅広く出題された。知識問題は、基本的な知識の定着度が試された。実験装置に関する問題、生活に関わる物質に関する問題は、引き続き出題されているが、難易度は高くない。計算問題、グラフを用いた問題は、昨年よりやや難しかった一方、正誤問題は、昨年同様4択の問題が中心であり、解答しやすかった。

2020年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成 25 8 電子配置、元素の分類、分子の極性、状態変化と熱運動、蒸留装置、化学量、生活に関わる物質
2 物質の変化 25 7 分子の存在比、溶液の濃度、中和滴定、塩、電池、金属の溶解
合計 50 15  

2019年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成 25 10 原子の構造、物質の分離、化学量、気体の精製、元素の性質、化学結合、身のまわりの物質
2 物質の変化 25 6 物質量、化学反応と量的関係、酸と塩基、実験の安全、酸化と還元
合計 50 16  

設問別分析

第1問

電子配置、元素の分類、分子の極性、状態変化と熱運動、蒸留装置、化学量、生活に関わる物質が出題された。
問1の原子およびイオンの電子配置、問2の周期表と元素の分類は、基本的な知識の有無を確認する問題であった。問3の無極性分子を選ぶ問題も、扱われている分子が教科書記載の代表的なものであったため、取り組みやすかったと思われる。問4の純物質の状態変化と熱運動に関する問題は、受験生が戸惑いやすい選択肢もあるが、二酸化炭素などの固体から直接気体へ変化する物質は、逆に気体から直接固体へも変化することを理解していれば解答できる。問5の水道水の蒸留装置に関する問題は、温度計の球部の位置とアダプターと三角フラスコの接続の仕方に関する知識を確認する問題であった。問6は塩の混合物中の成分の物質量を求める問題であり、やや難易度が高い。臭化カルシウムと臭化物イオンの物質量の関係を正しく考えられたかがポイントであった。問7の生活に関わる物質の問題は、ボーキサイトがアルミニウム製造の原料であることを覚えていれば解答できる。

第2問

構成する原子の質量数の総和を区別した分子の割合、溶液の濃度、中和滴定、塩、電池、金属の溶解が出題された。
問1は原子の質量数の総和が70である塩素分子の割合を計算する問題で、同位体の存在比から分子の存在割合を求める。問2は希釈前後の溶液の濃度と体積から、加えた溶質の質量を求める問題で、題意がやや把握しにくい。問3は中和滴定に関する問題で、滴定曲線の始点から塩基の濃度を決定し、中和点から酸の濃度と種類を決定する複数の思考過程を要するやや難易度の高い設問であった。問4は塩の水溶液のpHを問う問題で、二つの酸性塩の水溶液の性質が押さえられているかがポイントである。問5は化学電池に関する問題で、負極、正極での酸化還元反応や燃料電池などが出題された。問6は金属の溶解を問う問題で、金属のイオン化傾向や不動態が理解できているかが問われた。
酸と塩基、酸化と還元の基本事項を整理した上で、化学量の計算も含めて十分に演習することで対応できる。

過去の平均点の推移

19年度 18年度 17年度 16年度 15年度
31.2 30.4 28.6 26.8 35.3